室町ー江戸初期の伊賀壺です。
左回りに90度ずつ回転。
最大径 27.2㎝、口径(推定) 11.0㎝、底径 15.2㎝、高 29.5㎝。室町―江戸初期。
肩の張り、胴の膨らみが時代を感じさせる壷です。
少し傾いだ姿が微妙な緊張感を出しています。
下半分には轆轤目が目立ちます。
この壷の最大の見どころは、焦げた肌に大きくかかった自然釉です。
肩から下へ流れ落ち、下部には蜻蛉の目も見られます。
この品の自然釉は、まるで火山灰がぶ厚く降り積もったように見えます。
器体表面には、信楽、伊賀の特徴である長石の噴き出しも見られますが、
むしろ、石咬みとそこから派生した亀裂が多くあります。
信楽、伊賀の壷には、このようにはめ込んだかのような底が時々あります。製法との関係はよくわかりません。
見事に口元が割れています。これもまた、信楽、伊賀の壷によく見られます。完全な壷よりも、口部が破損した物の方が評価が高くなる場合さえあります。骨董世界は奇妙ですね(^.^)