先回に続いて、顰(しかみ)面です。
幅15.7㎝x長22.2㎝x高8.0㎝。重365g。江戸時代。
図録などでよく見かけるタイプの顰面です。
舞台で使う能面にしては、少し大きく、重いように思います。
前回の品と同じく、木部の上に胡粉を塗り、黒で彩色し、一部、赤と金泥がさしてあります。
卓越した彫師の作とは思えませんが、口の造りなどはかなり複雑な彫りです。
塗りの剥落は比較的少ないので、顰面の特徴がよくわかります。
いかつい顔にカット大きく開いた眼と口。
前回の品と一緒に並べてみると、面によって「しかむ」に違いがあることがわかりますね。