今回の品は、非常に不気味な木彫面です。
幅 20.4㎝x 長 30.2㎝ x 奥 10.5㎝。重 1330g。産地不明(南洋諸島?)。20世紀前半?
産地、年代が不明の面です。彩色はなされておらず、木を彫っただけの素朴な面です。非常に硬く、重い木でできています。木には風化がみられ、時代が経っています。不気味さにおいては、私のもっている面のなかでも、トップクラスです(^^;
確証はありませんが、全体の雰囲気から、南方、太平洋域のどこかで作られた仮面と推定しました。
あまりにも重いので、水に浮くか沈むか調べることにしました。
金魚鉢では小さすぎます。大きく透明な容器を探したら、サトイモ洗い器がありました(^.^)
見事に沈みました。沈む速度からすると、比重は1.1以上ありそうです。
水中から、恨めしそうにこちらを見ています。
水から上がった貌は、
不気味さがいっそう増しています。
この虚ろな表情は、他に類をみません。
所有者の特権で、テキトーに名称を考えました。
名付けて、「死霊面」。
眉間の皺は怒りの痕跡か?
小さな耳と奥まった眼窩。
飛び出た頬と低い鼻。
異界を彷徨いながら、何かを言いたそうな口。
異形の貌にもかかわらず、表面は非常に丁寧に磨かれています。
特に裏側はスベスベで滑らか。
紐通し穴が開いているので、これは明らかに人が被る面です。
こうなったらもう、後へは引けません。被ってみるしかありませんね(^.^)
我ながら、怖い(^^;
こんなのがぬッと現れたら、人は腰を抜かすでしょう。
でも、顔に張り付いて取れなくなるといけないので、早々に外しました(^.^)
やはり、トイレ美術館の壁にいてもらうのが良いかと(^.^)
沈むということはそうとう硬い木ですよね!?
削るのが大変だったろうなあと思います。
被って出てこられたらびっくりしますが、私はこのお面は目が可愛く思えてしまいます。
見る側の感じ方に関してもお面は多様性があり面白いですね(^^)
やはりその人の内面的なものがいろんな見え方にしてしまうんですかね!?
目と目の間が開いているように見えますが 遅生さまがかぶって 両目の穴の位置で見えますか?
『死霊面』の名前の通り不気味ですね。頬の縦の疵は部族の習慣で入れたタトーでしょうか。
2-3年前にこちらの歴史民俗資料館で世界のお面が紹介され見に行きましたが
お面の知識がないため メキシコのルチャリブレの面か?と思いました。
その時の展示品は彩色されたものが多かったです。
色のないお面が より怖さが増しますね。
世界中でこれだけ多くの面があるのは、やはり、自分でない自分に変身したいという願望があるからでしょうね。
この面は、初め、「土着のフランケンシュタイン」と名付けてみました。でも、フランケンシュタインは新しくつくられたキャラクターなので、ちょっと重みに欠けるので、「死霊」にしました。
いつものように、みなさんから呼称を募集すればよかったですね(^.^)
こんな品が一体どこで、何のために作られたか謎です。
確かに、額の彫りは、タトーにも見えますね。
ズシッと重いので、長くつけていると首が疲れるでしょうね。動きの激しい舞踊では、200gくらいの重さの面が使われます。その5,6倍もあります。
私は右目を失明しているので、左目だけの視野になります。それも大分欠けてきているので、面をつけると世界はかなり狭いです。
仮面にしては重いですよね。しかも、紐通し穴もありますから、被って実用にしたものだとわかりますよね。
不気味さの極致のような面ですから、それなりのいわれがありそうですね。
シャーマンが使う小道具かも(^.^)
確かに被ったら取れなくなりそう(楳図かずおの恐怖漫画のように)で
被るには勇気がいりますよね。(さすが!)
悪霊を持って悪霊を退散させる、みたいな感じでしょうか。
死の国からの迎え人?
それとも、死者をよみがえらす力をもった超能力者な?
やはり、酒田の人さんの説のように、悪魔を祓う悪魔なのでしょうね。