遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

大皿・大鉢・壷28 唐津刷毛目平鉢(水盤?)

2022年01月22日 | 古陶磁ー大皿・大鉢・壷

唐津焼の平鉢です。

水盤かも知れません。

径 25.3㎝、高台径 17.1㎝、高 5.2㎝。江戸時代中-後期。

先のブログで紹介した、発掘品、現川焼茶碗を補修した後、とにかく完品が欲しいと思い(^^;、入手したのがこの品です。

現川焼にこんな大きな品があるのかなあ、というのが素朴な疑問です。

まあ、唐津焼のどこかの窯で焼かれたとするのが妥当でしょう。

刷毛目模様が見事です。

中央の櫛目紋は、よく見ると渦巻きになっています。

白泥で同心円を多数描いたた後、すぐに、内から外に向かって、櫛状のヘラで渦を描いていったと思われます。これは難しい。度胸がいりますね(^.^)

渦の最後に、ヘラを止めた跡が残っています。

外縁の櫛目紋は、右から左へぐるっと一周して、写真上部で止めてあります。模様がキッチリとつながっています。

外側にも同じ櫛目模様。

裏面には、非常に低く(2㎜)幅広い(3.1㎝)高台があります。

この品が、平鉢なのか水盤なのか、判断がつきません。両方を兼ねている?(^.^) 

時代が変わって、昔の品物の多くは不要になりました。その中で、陶磁器は、断捨離で、真っ先にやり玉にあがる品です。特に水盤は、どこにも転がっています。故玩館にも、御先祖様たちが残した巨大な水盤などがドサッとあって、どうしたもんかと、考えアグネスチャンの毎日です(^^;

今さら水盤でもないかと、あらためてこの皿を眺めてみると不思議な事に気が付きました。ブログを書くまで、この品は尺越えの大物だとばかり思っていました。ところが、寸法を測っていみると、25cmしかありません。おかしいと思い、何度測り直しても同じです。中皿ほどの大きさしかないのです。

駆け出しの頃、「良い品は大きく見える」と先輩から教わりました。骨董の見かた第一号。 これによれば、今回の品物は、断捨離をまぬがれそうです(^.^)

一度、この刷毛目唐津に、花を活けてみたいと思います。

 


コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 現川焼茶碗 | トップ | 大皿・大鉢・壷29 絵唐津... »
最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kinntilyann)
2022-01-22 13:54:53
こんにちはでございます(^^)/

良い品は大きく見える

なるほど!!!
すごくよくわかる感覚です(^^)v
本日も学びました。
いつもありがとうございます。

良い午後でありますように(^^)/
返信する
kinntilyannさんへ (遅生)
2022-01-22 14:42:03
まあ、骨董の人生訓みたいなもんです。
それから、古いものは新しく見える、というのもありました。
人為的に汚したりして古く見せている新物(偽物)より、本物は輝きがあるということでしょうか。
何だか、物より人間に当てはまりそう(^^;
返信する
Unknown (pada)
2022-01-23 07:27:18
素晴らしいものですね。
この手は茶碗皿ぐらいで、この手のものは見たことがあるか?なんて思ったんですが、あるんですね。
この刷毛目~なかなかできるものではないです。
かなりの熟練者で思い切りもいいですね。窯場が気になるところです。
返信する
Unknown (mash1125(世界の街角))
2022-01-23 08:35:43
う~ん。職人の熟練の技ですね。
返信する
padaさんへ (遅生)
2022-01-23 08:47:36
唐津系は範囲が広すぎて、私のような門外漢にはチンプンカンプンです。
まあ、ごく一部を除けば日常雑器ですから、民芸陶器の上等な物ではないでしょうか。そう考えると、少し気が楽になります(^^;
これまで紹介してきた唐津系陶器は、いずれも、鉄分の濃い土です。一方で、白っぽい品もあるので、一口に唐津といっても千差万別ですね。入り込むとなかなか出られない世界のようです(^.^)
返信する
mash1125さんへ (遅生)
2022-01-23 09:00:19
唐津の刷毛目白模様にもいろいろあります。その中で、フリーハンドの櫛目模様は、印花象嵌や円に較べて、熟練とセンスが必要だと思います。先日の現川茶碗の金継ぎの時、自然な線を引く難しさをいやというほど思い知らされました(^.^)
返信する
遅生さんへ (Dr.K)
2022-01-23 10:36:03
私は、唐津焼はよく知りません。
現川焼ではないのかもしれませんね、、?

それにしても、その大きさと櫛状のヘラ描きは見事ですね。
尺以上に見えますね(^-^*)
「良い品は大きく見える」を地で行ってますよね(^_^)
ヘラ描きも、熟練の技を感じさせますね(^-^*)
最後をピタリと終わらせていますよね。なかなか、こうは、うまくまとまりませんよね(^-^*)

物は、時代の変化とともにその用途を変えますね。
今では、水盤として、その活用の道が開けるのかもしれませんね。
是非、これに花を活けてみてください(^_^)
返信する
Dr.kさんへ (遅生)
2022-01-23 11:35:30
私も唐津焼はよくわかりません。
江戸時代、唐津焼は中部地方のない陸地までは来なかったようです。どの骨董屋に聞いても、唐津、丹波はうぶで出たことがないと言います。ところが、備前は結構あるのです。陶磁器の流通も、興味深いですね。
刷毛目からすれば、この品は上手に入りますね。その点から、現川の名が出たのかも知れません。
これくらいの大きさなら、今の時代の花生けにピッタリですね。でも、さあ活けるぞとの気合いが・・・・(^^;
返信する
こんなところに。。。 (マンマ♪)
2022-01-26 22:16:29
アグネス・チャンが出てくるとは思ってもいませんでした。

いつもながらにいい味だしてますね〜。
骨董もなかなかいいですけど。
返信する
マンマさんへ (遅生)
2022-01-27 05:23:40
骨董とといて、オヤジギャグととく。
そのココロは?

他人はシラーっとする自己満足の世界(^.^)
返信する

コメントを投稿