先回に引き続いて、能に関係した漆器です。
縦 33.2㎝、横 24.2㎝、高 8.2㎝。大正―昭和。
先回の鎌倉彫り文庫より一回り小さく、文庫としては標準的な大きさです。
内側には、料紙が貼ってあります。
造りは華奢です。あまり重い物を入れるのには不向きです。
一瞬、分厚い紙を成型したものか、と思いました。が、塗りの剥がれた所には木地が露出していますから、木製です(^.^)
これといって特徴のない一般的な文庫ですが、模様が能がらみなので入手しました(^^;
朱塗の上に、漆絵で、謡曲本(高砂、羽衣)、小鼓、扇が描かれています。
ササッと描かれた漆絵です。大したものではありません(^^;
こちらの文庫には、小鼓の手付け(楽譜)を入れています。
小鼓の手付けはこの何倍もあるので、別の大箱に保管し、さしあたって必要な分を、この品に入れています。
いかにも能専用の文箱といった感じですね(^_^)
この箱の中から、小鼓の楽譜を取り出す際は、「さあ、これから小鼓を打ち始めるぞ!」という緊張感が走るのではないかと思いました(^_^)
結界の役割も果たしそうですね(^-^*)
書道なんかで同じだそうですが、日本のものは、「さあ」という感じで気分を凛と張らないとどうもうまくいかないようです。
それと呼吸。息がはずんでいてはダメですね。
そんなかんなで、こういう小物が増えてしまいました(^^;
まずは環境を整えて、でしょうか。
馬子にも衣装、なら上出来です(^.^)