今回は、春慶塗の小皿、5枚です。
春慶塗は各地で作られていますが、この小皿は、飛騨の春慶塗です。
春慶塗特有の透明感のある木皿に、墨で絵付けがなされています。絵は木に直接描かれていて、その上に透明漆が塗られています。いずれの皿も、非常に薄く、縁で1㎜強の厚さしかありません。また、轆轤引きの木皿は通常、底厚なのですが、今回の品は、縁よりもわずかに分厚い程度です。さらに、5枚とも、微妙に厚さが異なっています。
5枚、それぞれ絵柄が違います。
梅:
径 14.5㎝、高 1.4㎝。重32g。明治―戦前。
蘭:
蒲公英(タンポポ):
水仙:
木に鳥(八咫烏?):左端に、小さく国山の銘有り。
春慶塗は、木の素地を黄か赤で着色し、透明漆をかけた漆器です。木肌の味わいが特色ですから、ほとんどの春慶塗は無地です。
ところが、明治以降、この木地をキャンバスにして墨で絵を描き、透き漆処理をした春慶塗が作られたことがあります。尾張の絵師が絵付けを行った飛騨の春慶塗です。赤黄色の背景に描かれた山水や植物は、独特の雰囲気をもっていて、一風変わった春慶塗です。
この春慶塗にお菓子をのせて出すと、ほとんどの人は皿を手にとってしげしげの眺めます。会話がはずみます。
この皿には、疵があります。元々あった木地の疵です。他にも小さな難点がいくつかあります。今の春慶塗なら不良品としてはねられ、決して市場に出ることはありません。今回の品は昔の春慶塗なので、こんな物もありなのですね。本来の漆器には、こういう大らかさがあったのではないでしょうか。
漆器の高級品は、使うには躊躇する場合が多いです。その点、春慶塗は値段もお手頃で、普段使いに向いています。多少傷が入ってもそれほど気になりません。民芸品の強みですね(^.^)
また、我が家には、それ以外にも、少し、春慶塗の小皿があります。
手軽に使える漆器として、各家庭では、春慶塗を重宝しているかもしれませんね(^_^)
もっとも、我が家にある春慶塗は安物ですが、これは、薄作りで、出来の良いものですね(^-^*)
あの~、5枚のうちの1枚の絵が「鳥」であることは分かるのですが、それが「八咫烏」ということは、どうして分かるのですか、、、?
鳥の絵に関しては、全くの当てずっぽうです(^^;
ちょと断定しすぎですので、ブログを訂正しました。ただ、こういう黒く描かれる鳥の絵は、八咫烏が多いです。それとガサツイタ羽根。足が3本なら完全にそうなのですが、絵でははっきりしません(^.^)
テレビを見ていたら、家康のころ、スペインは日本の産物は銀と漆しかないと認識していたようです。漆はやはりそんなに素晴らしいのですね。
子供の頃手伝いで、漆器は3度すすいで最後は熱いお湯を潜らせて、拭くのも最後は絹で、と手順がすごく面倒でした。だから漆器は敬遠しています。
日常品でなく工芸品ですね。
ところが、昔の品なら、メチャクチャに安いです。これなら絹で拭きあげなくても許されます(^^;
ですから、ふんだんに、普段使いにできます。その代表格が春慶塗だと思います。もう少し値ははりますが(それでも安価)、輪島塗ならかなり丈夫です(^.^)