今回は、漆絵の小皿、5枚です。
径 12.4㎝、底径 5.5㎝、高 1.7㎝。大正ー昭和。
先回の品と異なり、轆轤引きの典型的な小皿で、縁は2㎜弱の厚さですが、底の分厚さは6-7mmあります。
現代の品でないことは確かですが、正確な時代はわかりません。ただ、絵柄は、大正ー昭和初期のモダンデザインを思わせます。個人的には、昭和初期頃の品ではないかと思っています。
碁笥底をすかして見ると、年輪が浮かんで見えます。こんな小さな品では、珍しい木どりです。
皿の表には、色漆で、波に千鳥の絵が描かれています。いわゆる漆絵の漆器です。
漆絵とは、顔料を混ぜた色漆で漆器の表面に直接、絵を描いた物です。漆器の技巧の中では、最も歴史が古く、特に江戸時代には広く使われました。
伊万里焼でいえば、先回の墨絵春慶塗が染付の皿(釉下彩)、今回の品は、古九谷や柿右衛門(上絵)に相当します。
残りの4枚も含め、同一の絵柄だと思っていたのですが、今回よくよく眺めてみたら、5枚とも、微妙に異なっていました。
例によって、お暇なら、違い探しをどうぞ(^.^)
陶磁器になぞらえますと、前回の墨絵春慶塗が釉下彩としますと、今回の漆絵は上絵に相当するわけですね。
技法が違いますね。
漆製品としては、どちらの製品が多いのでしょうか、、?
違いはいっぱいあるようですね(^_^)
それぞれに手描きなものですから、むしろ、同じ物はないようですね(^-^*)
絵付けは同一人物が行っていると思うのです。その際、どういう所に違いが出やすいか、興味持って見ています^.^)
何も考えず、ただ無心に同じ絵をひたすら描いたときの揺れのようなものですね。
全く同じものを描こうとすると筆がチビてしまうし、意識して違えようとすると、どうしても偏りができてしまいます。