遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

李朝箪笥バンダチ

2021年09月04日 | 古陶磁ー高麗・李朝

今回は、バンダチとよばれる李朝箪笥を紹介します。

幅 101.8㎝ x 奥行 45.5㎝ x 高 83.4㎝cm。李朝時代。

今から35年程前、ガラクタ集めにのめり込んでしばらくして入手した品です。当時、韓国経済が勢いをつけ始めた時期で、高麗、李朝の品がだんだん値上がりを始めていました。実際、骨董屋で、韓国人バイヤーを見かけることもしばしば。自国の古い品を買い戻しにやって来ていたのです。今、大挙してやって来るのは、中国人バイヤー。でも、韓国人のバイヤーは、どこかはにかんだところがあり、中国人バイヤーのように、根こそぎごっそりということはなかったです。

さて、李朝箪笥の特徴は、

豪壮華麗な飾り金具(鉄)と、

味わいのある箱板(松)です。

この二つの要素に時代が加わって、価値(値段)が決まります。

使う時には、上側の前板を手前に開きます。

開けてみれば、ただの大きな木箱。

ここで、大抵の人は、なあんだという顔になります。が、日本でも朝鮮半島でも、そして、多分、中国やヨーロッパでも、箪笥の原型は箱です。日本でいえば、長持ちに相当します。その後、移動用(火災時が主)に車をつけた車箪笥が登場します。現在のような引き出し型の箪笥が一般的になったのは、明治に入ってからです。

面白いことに、朝鮮半島の箪笥には、足(5㎝程)がついています。

冬場、オンドルで床の温度が高くなります。その時、熱が箱内に伝わり難くするためです。

李朝の鍵は、極めて単純な造りです。これは、おまけで付けてもらった現代の品(^^;

 

せっかくですから、李朝の青磁象嵌壷を飾ってみました。

ワシものせてくれ、と李朝の片岡◯太郎がつぶやいています(^^;

いつか、何かの役に立つかも、と買った後、例によってしまったままになっていた裂き織りを出してみました。

オバサマのテーブルセッティングのように敷いてみると、

まあまあいける感じ(^.^)

以前、箪笥資料館なる所を訪れたことがあります。創作総桐箪笥をウリにしていた和箪笥屋さんがやっていました。当然、古い和箪笥がズラッと展示してあると思ったのですが、ほとんど李朝箪笥なのには驚きました。

ま、事の次第はさておき、李朝箪笥が和のティストに合うのは確かです。これだけの飾り金具を付けながらも、嫌みな感じがしません。でしゃばり感が薄いのです。中国物になると、そうはいきませんね。

大陸人に較べて、半島人と島国人とは、メンタリティが近いのでしょう。韓流ドラマにはまる女性が多いのも、宜なるかな(^.^)

 


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8 コメント

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裂き織りがぴったり♪ (越後美人)
2021-09-04 10:36:22
李朝箪笥はこんな風になっていたんですね。
板にも金具にも時代色がついて綺麗です。
和物では仙台箪笥が有名ですが、この李朝の箪笥が原型だったのでしょうか?

その上にシックな裂き織りがぴったりでしたね。
和風にも洋風にも使えそうで素敵です♪
どちらの織物か興味があります。
ちょうど私はラオスの織物を紹介しようと思っていました。
雰囲気は違いますが、お時間ありましたら覗いてみて下さいね。
今日の15時までにはアップ出来ると思います(^_-)-☆
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遅生さまへ (くりまんじゅう)
2021-09-04 12:39:29
越後美人さまが言われる仙台箪笥かと思いましたがこちらが先に
出来ていたのですね。艶が良く 李朝の青磁の花瓶が似合っています。

以前NHKで観た北前船に載せていた引手・鍵穴らの金具が重厚な
船箪笥かと思いましたが これは長持ちなんですね。
うちにも明治時代の 祖母の嫁入り道具の長持ちがあります。
それを子孫はお米入れにしています。
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越後美人さんへ (遅生)
2021-09-04 12:46:33
仙台箪笥も金具が見事ですね。李朝箪笥を手本にしたのかどうかはわかりませんが、雰囲気は似ていますね。

この裂き織りは東北の品だと思います。刺し子もそうですが、こういうものを造り出す女性の力には頭が下がります。
外国の布のことはよくわかりませんが、やはり女性のドラマが織り込まれているのでしょう。どんな布か、楽しみにしています。
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くりまんじゅうさんへ (遅生)
2021-09-04 14:30:18
松ですから、布でこまめに拭いてやると松脂で良い具合に光ってきます。が、ほかってあるので、所々に、吹き出た松やにが溜まっています(^^;
船箪笥は、帳場箪笥を頑丈にしたもので、江戸時代の引き出し箪笥としては一番大きい物だと思います。その他、印籠箪笥、鍔箪笥、菓子箪笥などがありますが、衣裳用は基本的に長持ちです。それを米びつに活用するとは、立派なアイデアですね(^.^)
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遅生さんへ (Dr.K)
2021-09-04 19:23:41
やはり、李朝箪笥も持っていましたね。

これには、「豪壮華麗な飾り金具」が付いていますね。絢爛豪華です!
飾映えがしますね!
それに、高麗青磁等の朝鮮半島の物が一緒に活躍してくれてますね(^_^)
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Dr.Kさんへ (遅生)
2021-09-04 20:36:20
これを買ったのは、勢いですね。今なら、とても力が出ません(^^;

本来なら粗大ゴミ中の粗大ゴミなのですが、なぜか風当りは弱いです。大きい割には、でしゃばらないからでしょうか。女性に受けるヒントが潜んでいそうです(^.^)
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遅生さんへ (酒田の人)
2021-09-04 20:49:32
「李朝箪笥」なんですね
私にとっては畑違いの品ですが、とても勉強になります
箪笥と言えば、酒田も船箪笥の産地として有名でありまして
何年か前に、酒田箪笥を復活させて工房の方が、川に投げ込んで沈むかどうか試したことがありました
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酒田の人さんへ (遅生)
2021-09-05 06:12:42
多数の李朝箪笥が日本に来ています。
良い李朝箪笥を探すなら、韓国より日本の方がいいそうです。
只、新しい物は論外ですが、古い材料を使ったリメイク品が多いです。我々には、ちょっと見分けがつきません。
船箪笥の実験、浮いたかどうか、興味あります。中にお金がどっさり入っていると難しい?(^^;
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