遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

青磁象嵌竹梅柳葦水禽昆虫紋梅瓶

2021年09月03日 | 古陶磁ー高麗・李朝

高麗青磁白黒象嵌梅瓶です。

最大径 15.5㎝、口径 5.6㎝、底径 12.6㎝、高 30.5㎝。高麗時代(?)。

非常に透明度の高い青磁釉が掛かった品です。

肩に連弁紋、下方に雷紋、胴には三方に植物紋が描かれ、その間に、昆虫と水禽が、それぞれ3匹ずつ配置されています。

最初の写真には、竹と梅が大きく描かれ、上方に昆虫、下方に水禽が描かれています、ほとんどが、白、黒象嵌で模様が描かれていますが、水禽の下の波紋は陰刻です。

反時計回りに120度回転すると、

柳と葦(ススキ)が描かれています。上方には昆虫、下には水禽がいます。

さらに120度回転すると、

葦(ススキ)が大きく描かれ、上方に昆虫、下方に水禽がいます。

水禽下の波紋は陰刻。

ミズスマシ?  でも、空中を飛べないし・・(^^;

先回のブログで、非常に気泡の多い青磁釉の大壷を紹介しました。大壷では、白象嵌が浮き上がって見えました。そのことは、目視でも、顕微写真でも同じでした。

今回の品の青磁釉は非常に透明度が高く、白象嵌、黒象嵌で描かれた模様はいずれも、器肌表面に直接描かれているかのように見えます。

拡大写真(昆虫の羽根部分)をみても、白象嵌が浮き上がって見えることはありません。青磁釉中の気泡はわずかです。

やはり、白象嵌がぼやっと浮き上がって見えるのは、青磁釉の気泡の影響のようです。

今回の品は、口に金直しがあり、底の窯疵は銀直しされています。いずれもプロによる修理です。大切にされてきたのでしょう。

「前所有者はかなりの金額で購入してます。うんと勉強しましょう。いい品だからぜひ・・」などと、いつもの甘言にのせられ、骨董屋を出たのです(^^;

その後、本棚の一冊に・・・

青磁象嵌梅竹水禽文瓶(東博)『世界陶磁全集18 高麗』(小学館)

今回も、真赤なコピー品で大恥かき?(^.^)

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅生さんへ (Dr.K)
2021-09-03 18:48:08
これにも本歌があるんですね。
これが何時作られたのか分かりませんが、これだけの物を作るのは大変でしょうね(^-^*)
一生懸命作っていることが伺われますね(^_^)
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Dr.Kさんへ (遅生)
2021-09-03 21:24:46
いよいよ、わからなくなりました(^^;
基準がないです。骨董屋は自信がない。こちらは金がない(^^;
まるで手探り状態で、つぎ込んだ諭吉さんはこの品が一番😂
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