受胎というものは
性交のみによって起こるのではない
人間の縁によって起こるのです
自分が何をしたかによって
新たな実を結ぶ木が
この世界に生えてくるのです
男も女も
常に何かを孕んでいる
産む時が来るまで
それは自分の中でうずき続ける
いにしえの記憶を種にして
自分の中で育っている
胎児がいる
それが
遠い未来の自分だと言うことに
気付いている人は少ない
いや
いないかもしれない
遠い昔
ベツレヘムに不思議な星が灯ったという
その十月十日前
誰かが乙女の家を訪れ
神の子を受胎したと告げたらしい
それは現象的事実から言えば
まったくの嘘ですが
人間の因果の因子としては
実におもしろいことを言い当てている
セックスをしたわけでもないのに
いつの間にか孕んでいる
それはなぜなのか
わからなければなりません
それは遠い昔に
あなたが神の目を避けたつもりのところで
憎い敵を馬鹿にしたという
小さな事実なのだ
それを
あなたは自分の人生に植えたのです
美しい女になりたいのなら
美しいことをせねばならない
それを教えたにかかわらず
あなたは従わなかった
美しい女を妬んで殺し
その皮をかぶって
美しい女になってしまった
それが
あなたが受胎した日に
起こったことです
もうそろそろ産まねばなりません
あの日
あなたを孕ませたのは
神ではない
あなた自身であることを
知るために
その子が
確かに自分の子であることを
明らかに知るために
もう産まねばなりません