魂を裏返して
中のさねを食おうとする
そうすれば
永遠の神にもなれると思うのだ
もう何もしなくていい
あほうだと言われ
馬鹿にされることもない
言いようのない不安に濡れ
馬鹿なことをして
つらい思いをすることもない
何もかも
他人の魂にやらせればいいのだ
食ってしまった
だれかの魂を馬鹿にして
永遠の支配下において
なにもかもをそいつにやらせればいいのだ
おれのための阿呆が
ひとりいれば
おれは神になれる
エデンの園に生えていたと言われる
知恵の木の実とは
そういうものかもしれぬ
馬鹿な知恵を回せば
人間の苦しみから逃げられるという
愚かな知恵だ
食うても苦しむだけなのだが
人は食べてしまった
何もかも
人のせいにすればいい
自分の影も
人の影にすればいい
そして自分は
永遠に
だれかの中にいる
神になればいい
あほうというやつは
そういう生き方ばかりを追いかけて
とうとう
エデンの東の東から
追い出されたのだ