どのメーカーにも不遇のギターがある
メーカー側にすれば、
すべてのギターが売れることが願いであり真意だと思う
物の販売はそんなに簡単なものではないと思う
並べておいて売れるような時代は終わっているのだ
”価値ある物を低価格で・・”
というある種の無理難題にメーカーは挑んでいるのだ
努力なき先に栄光はないということ
人気モデルの影に隠れて不遇の時を過ごすギターも少なくない
単純に販売実績という数字だけを見ればパッとしないが・・・
どんなギターにもそれなりにニーズがあることも事実
すべての人が端正な物に惹かれるということはない
足が短く、顔面がおブスな犬を愛おしいと感じる人も多い
我が家の近所にもそんなお宅がある
「何で? どうして?」
という疑問を抱かないように努めているのだ
考えてみれば、私の趣味や行動、好みも他人から見れば奇異に
思えるかもしれない
他人の好みを詮索したり介入するは良くないことなのだ
”悪趣味の内気循環・・・”
こんな喩えで伝わるだろうか?
私の知り合いにレスポールデラックスを買った者がいるのだ
「何でデラックス?」
もう少し追金をすればバーストも買えるのだ
P-90を積んだモデルも買える
そもそも、歴史を振り返れば・・
何故にギブソンはこのモデルを作ったのか?
という謎に至るのだ
ギターの代名詞的な存在のギブソンも過去に不遇なギターを沢山作っている
『ナイトホーク』というギターをご存じだろうか?
名前が間違っていたらゴメンなさい・・
ライバルであるストラトを強く意識したと感じられるギター
正面からのルックスはそこそこレスポール
それ以外の部分は別物
ボディは薄く、コンター&エルボー仕様
ピックアップはハムとシングルを並べた万能スタイル
ピックアップのセレクターはストラトのようなスライド型の5way
万能ギターの走りというスタイルなのだ
私は嫌いではない
しかしながら、時代はそれを求めていなかった
現存しているならば、逆にレアだと思う
機会があれば、現物を見てみたい
一方のストラトもレスポールの材構成で作ったストラトをリリースしている
マホガニーバックにメイプルトップ
ピックアップはハムかシングルが選択できたようだ
このギターもまったく売れなかったようだ
現状で残っていれば、激レア品
希少性でレア度が増すのも真意ではないと思う
日本製の古いギターにもチラホラとそんなギターがあるようだ
当時は不人気で売れなかったことが希少性を生み出しているという
タマ数にしか興味がない層がいることも事実
これはギターだけに限らない
私にはデラックスのコンセプトが見えない
ピックアップ部分以外の部分はバーストと共通している
所謂、プラットフォームの使い回し
思いっきりコンター加工を加える
ボディを激薄で仕上げる
ミニハムの三連
サーキット(配線)の大胆なレイアウト
主要モデルであるバーストとの圧倒的な差別化が必要だった気がする
まったくの別物ならば、それはそれで選択肢になると思う
レスポール好きの中には異常なほどのアンチフェンダー派が存在する
その逆も然り
歩み寄りが見られない
良く言えば、切磋琢磨するような関係性ともいえる
場合によると私のような中途半端なタイプはどちらの派閥からも嫌われる
ストイックなマニア層は八方美人を嫌うのだ
そう言われても・・
私は両方が好きなのだ
デラックスはピックアップが小さいというイメージから非力?
と思われることが多いが・・
実はむしろパワフルなのだ
そういう味付けになっているのだ
あえて音のレンジ(帯域)を絞っているのだ
つまり、購入層を絞って開発されたギターなのだ
パワフルなピックアップを積むという発想は廉価のギターに通じるものがある
演る音楽が決まっているならば潔いギターだといえる
もっとロック系のギタリストに好まれても良いと思うが・・
なにせあのルックスなのだ
サブギターとしてステージに置いているプロはチラホラと見かけるが・・
メインギターとして使っている人を私は知らない
私が知る限りでは存在しない
「他人が使ってないギターがいいんじゃねぇ!?」
プロにはそんな意味不明な選択肢は存在しない
先に述べたようにデラックスが音楽的特化しているならば
黙っていても誰かがそれを使うのだ
そのプレイヤーが名演を残せば、それは自然に伝説になる
もっというならば・・
伝説を作るようなプレイヤーからは好まれないということ
59などと比較すれば若いギター
それでもすでに数十年という時間が経過している
レジェンドやカリスマが出現するには十分な時間なのだ
私の知り合いのおじさんは大幅な値引きとオマケに惹かれたらしい
「でさ 他人と同じギターって嫌じゃね!?」
私は特にそうは思わないが・・・
世の中には色々な考え方の人がいることを知った
他人との差別化は実際の出音で決めれば良いと思う
それこそがギターの醍醐味であり楽しさなのだ
初心者が上手い人の真似をしても同じ音は出せない
ギターは時に優しく、時に厳しい存在なのだ
時計や靴のように買ったその日から誰でも平等に楽しめない
偏屈な表現をするならば・・・
それがギターの楽しさなのだ
初心者の頃は友達をライバル視する
やがて技術に長けてくると視野が広がってくる
究極は自分自身がライバルになってくるのだ
伝わっているのだろうか?
去年の自分、先月の自分を超えていくことで成長するのだ
残念ながら人間は老いていく
年々、身体能力が高まるのはある年齢まで
中年おじさんになると悲しいくらいに劣化してくる
去年よりも今年の方が体が動かない
体が鈍った分だけ経験値は増えている
ギターを見る目も肥えてくる
若い頃の失敗は仕方がない
どうにもならないギターを買ってしまうのはお約束
これは散財ではない
勉強なのだ
私の知り合いのおじさんは30年以上ギター購入を封印(我慢?)
していたそうだ
満を持して買ったギターがデラックスだったのだ
感覚がズレてしまったのだと思う
普通の人が経験することを知らずに一気に駆け抜けてしまったようだ
「何で? 何でこのタイミングにデラックス?」
行きつけの楽器店の他の常連さん達も私と同じ意見なのだ
まぁ、こういう層はメーカーにも販売店に有り難いお客さん
人気の一極集中はやり難い
当ブログでも人気はレスポールとテレキャス
二本被りなのだ
以前はその辺りを強く意識して記事を投稿していた
最近は自由気ままに書いているのだ
ベースを弾きたければベースを弾く
アコギの音に癒やされたければアコギを抱える
レスポールデラックスの話から少し脱線してしまったが・・・
行きつけの楽器店の営業自粛から脱却して営業を再開したのだ
機会を見つけて来店する予定なのだ
新しいレスポールデラックスは入荷しているだろうか?😁