五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

見えないものの価値

2008年06月13日 | 第1章 意識と知覚
私は、大まかに分けると二つの事柄を同時進行しながら生活しています。

ひとつは、表装。
これは、職人的な技術を要する仕事です。目で見て、身体を使い、作業するものです。そうはいっても、作品をいかに生かすか、という精神的な作業はとても大切。
作品を生かすも殺すも表装次第です。
先日の表装展で、「その精神性の緊張感や思索の時間にこそ、値段の価値がある。」とおっしゃった方の言葉が印象に残っています。
確かに、預かった作品と自分との相性と裂く地の取り合わせ、形式、それらの思索の時間にものすごく時間がかかります。

かといって、私自身、技術的に優れているわけではありません。職人ではないので、あいまいな立場です。どちらかというと芸術と工芸の狭間のスタンスで納まっています。
とはいえ、仕上げるものに関しての責任と精神性は職人と同じだと思っています。

そして、二つ目は、
カウンセリングの教育事業。

目に見えるものは「人」。それに「共に過ごす時間」があって初めて成立するものです。
しかし、時間を共有する他人から生み出すものは、物ではありません。
心の世界は、目にみえません。でも、見据えることはできます。

この二つのことを考えると、「見えるものの価値」と「見えないものの価値」は、双方、一体化しているのです。どちらかに重きを置くと、たちまちバランスが崩れます。

見えるものの価値に気を取られ、見えないものの価値をおざなりにすると、本当の意味で貧しくなるように思います。

見えないものの価値をそろそろ「心のインフラ整備」として、動きだす時期に来ているように感じています。
「できることをやっていく」私のスタンスが、このところ、ちょっと過剰気味です。でも「見えないものを見据えるようにする」ことに私の働く意味があるのだと思うと、この時期は逃せません。

見えないものの公共事業を実現すべく、もう少し、がんばります。
いつもの皆様の応援、さらによろしくお願いします。

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コメント (1)
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