五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

猫の○○

2008年06月02日 | 第2章 五感と体感
「生き甲斐の心理学」の勉強会では、いろいろな問いかけをしていきます。
特に、五感については、そこから自分の成育史が蘇り、改めて気づきを得ることも少なくありません。
一つのことに囚われていると、その奥に潜むもっと大きな大事なものが見えなくなっている場合が多いのです。これは、私自身言えることで、人の性質でもあると思います。

最近、我が家の周辺に見知らぬ猫が数匹出入りしています。
家の周りをくるくる回り、時には我が家のテラスや門柱で日向ぼっこをしたりしています。
季節がらそうなのでしょうか。
猫の行動範囲が広くなっているように感じます。

今日、朝目覚めて、二階の寝室から一階の居間に降りたところ、懐かしい香りがするのです。

私の母の実家は、中央線の早稲田通りにほど近い杉並区の住宅密集地。古い家も多く、私が生まれる前から今に至るまで、古いまんまの家が、まだあります。
猫が堂々とのんびり暮らせる住宅地でもあるのであちらこちらで主のような顔をした猫が居ついています。

香り。懐かしい香り。。。
祖父母の家の、あの匂いを嗅ぐと「おばあちゃんの家にきた!」という気持ちになり、わくわくしてくるのです。
カビくさいような、ドクダミの香りのような、ニカワや油絵の具の香りに混じって香ってくるものです。決して新しい香りではありません。

記憶の襞の表に出てはいましたが、この懐かしい香り、わかりました。

猫のおしっこの臭い。

決していい匂いではないのですが、この香りは、まさしくおばあちゃんの家の香りなのです。

祖父が生きていた頃の、あの摩訶不思議なアトリエと一緒に、知らない人が出入りする賑やかな食卓の風景が蘇ってきました。

ふるさとの香りは猫のおしっこの臭い。あまり美しい話ではありませんが、私の愛の原型のひとつであることは間違いありません。

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