勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

早春賦

2006-02-05 22:15:25 | Weblog
 ♪梅は咲いたか 桜はまだかいな~

 立春も過ぎたとはいえ、昨日今日の風の冷たさには春まだ遠しの感、梅の開花も全国的に遅れているという。

 梅も桜も、冬の寒さと春の暖かさが開花の条件だという。
梅は春の暖かさに刺激されやすく、桜は冬の低温がより多く必要なのだそうだ。

 春を告げる花、梅も桜も冬の寒さにじっと耐えたからこそ、美しい花を咲かせる事ができるわけだ。人生と同じという事か?

 春には河岸を美しい桜の花で飾り「春のうららの隅田川・・・」と詠われた隅田川の桜も着実にその蕾を膨らませていた。



      春は名のみの風の寒さや
      谷の鶯歌は思へど
     時にあらずと声も立てず
      時にあらずと声も立てず

     氷解け去り葦は角(つの)ぐむ
      さては時ぞと思ふあやにく
     今日もきのふも雪の空
      今日もきのふも雪の空

     春と聞かねば知らでありしを
      聞けば急(せ)かるる胸の思いを
     いかにせよとのこの頃か
      いかにせよとのこの頃か


 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
 この時期になると必ず歌われる「早春賦」、言葉の美しさと、春を待つもどかしい気持ちが込められた、珠玉の歌として心に沁みる。

 しかしこの歌の本当の意味を知ったのは、かなり大人になってからである。

「春は名のみの(春とは名ばかりで)」これはいいとして、
「葦は角ぐむ」は、アシ・オギ・ススキなどが、角のように芽を出すこと。芽ぐむという意味。
「あやにく」は、生憎と書き、いらだたしく、憎らしく思われるさま。予期に反するさまをいうそうだ。

 そんな意味を噛みしめながらもう一度 早春賦 を歌ってみませんか?

 桜橋から見た、北風の冷たい今日の隅田川です。
 
               大きくすると、向こうに白髭橋が見えます。
2006.02.05