WBC(ワールドベースボールクラシック)は、日本時間15日から第2ラウンドが開幕しました。東京ラウンドを2位で通過した野球日本代表は、2組(サンディエゴグループ)で韓国・キューバ・メキシコと同組。連覇を目指す日本にとっては厳しい組み合わせであることは間違いありません。侍ジャパンの初戦となる16日は、B組1位のキューバと対戦。初戦から強敵を迎え撃つ侍JAPAN、ここで白星を飾れば今後に勢いがつくでしょう。
初戦のスタメン
日本 キューバ
1(右)イチロー (中)セスペデス
2(遊)片岡易之 (三)エンリケス
3(中)青木宣親 (左)セペダ
4(三)村田修一 (指)ペラザ
5(指)小笠原道大 (二)グリエル
6(一)内川聖一 (右)デスパイネ
7(中)福留孝介 (一)アンデルソン
8(捕)城島健司 (捕)ペスタノ
9(二)岩村明憲 (遊)パレ
(投)松坂大輔 (投)チャップマン
第1ラウンドと同様日本の4番は村田、中島裕之が体調不良のためこの試合欠場、代わりに片岡が2番・ショートで初スタメン。両チームの先発投手は、日本がエースの松坂大輔、対するキューバはMAX164キロの剛速球左腕・チャップマンが先発しました。
試合は初回、イチローが遊撃ゴロ、片岡の2塁ゴロで2死の後、青木が四球を選んで出塁すると、4番・村田の場面で盗塁を決めて2死2塁とチャンスを迎えます。村田はチャップマンのグラブを弾く当たりを見せますが、3塁ゴロに倒れて先制ならず。その裏、マウンドに上がった松坂は、1死から連打を浴びて1死1,2塁のピンチを招きます。しかし、ペラザをレフトフライ、グリエルにはセンターフライに打ち取って何とか無失点に抑えました。
日本は2回、小笠原が四球で出塁するも内川の場面で牽制死、内川も盗塁するときに1,2塁間に挟まれてタッチアウトと走塁面のミスを連発。3回、城島がセンター前ヒットでチーム初安打、続く岩村もレフト前ヒット。チャップマンから連打を見せて無死1,2塁のチャンス。この場面でイチローが犠打、しかしチャップマンが3塁に送球して城島を封殺。イチロー犠打失敗で1死1,2塁となりますが、片岡のレフト前ヒットで満塁の大チャンス。ここでキューバはチャップマンが降板、2番手にゴンザレスが登板します。絶好の先制チャンスを迎えた日本は、青木の場面でゴンザレスが暴投。なんとも意外な形で日本が先制します。なおも2,3塁と追加点のチャンスに、青木が右中間へのタイムリーヒットで1点を追加。この後村田の犠牲フライでさらに1点を追加し、この回キューバから3点を奪いました。
3点の援護を貰った松坂はその直後、先頭打者を見逃し三振に仕留めた後、2本のヒットを浴びて2死1,3塁とピンチを迎えます。一発が出れば同点の場面でしたが、ペラダをカーブで見逃し三振に仕留めてピンチ脱出。この回の3つのアウトは全て三振という好投を見せました。
4回、日本は1死後、城島の平凡なライトフライのはずが、キューバの右翼手・デスパイネがボールを見失ってしまうというポカで2塁打。相手のミスでチャンスをつかむと、岩村も内野安打で1,3塁。このチャンスの場面でイチローが2塁ゴロ。岩村が2塁封殺の間に城島が生還して1点を追加します。5回には村田の死球と小笠原のライト前ヒットで1死1,3塁。内川がキューバ3番手・ヒメネスからセンター前タイムリーを放って1点追加。この後満塁となり、ビッグイニングの可能性がありましたが、城島と岩村が倒れて3者残塁。日本は5回までにキューバとの差を5点に広げました。
攻撃陣の追加点が続くことで、松坂も勢いが増していきます。4回にはこの試合2度目の3者凡退に仕留めれば、5回には先頭打者を許すも、次の打者を併殺打に仕留めて無失点。6回には3度目の3者凡退に抑えた松坂は、6回86球で無失点とキューバの強力打線をシャットアウト!7回は2番手に岩隈久志が登板。先頭打者にヒットを浴びますが、後続に対しては2奪三振の好投で見事なリリーフを見せました。3番手・馬原孝浩も1死からのランナーを併殺打に仕留め、キューバの反撃を許しません。
打線は6回以降キューバ中継ぎ陣の前にヒットが生まれず。3~5回の勢いから静まる中で迎えた9回、代打で登場した川崎宗則がセンター前ヒットを放ちます。青木の犠打の後、村田がセンター前ヒットを放ち、2塁から川崎が生還して6点目。ダメ押し点ともいえる追加点を奪った日本はその裏、守護神・藤川球児がしっかりと抑えて試合終了!6-0とキューバに快勝した侍JAPAN、ベスト4進出に王手をかけました。
2009/03/15(日) キューバ-日本 (ペトコ・パーク、13:00 日本時間:16日 5:00)
JPN 003 110 001 6
CUB 000 000 000 0
【投手】
(日)松坂、岩隈、馬原、藤川-城島
(キ)チャプマン、N・ゴンザレス、ヒメネス
Y・ゴンザレス、マヤ、ウラシア、ガルシア-ペスタノ、メリーニョ
【責任投手】
(勝)松坂1勝
(敗)チャプマン1敗
苦戦するだろうと思われたキューバ戦でしたが、終わってみれば6-0で完封勝ちを果たしました。キューバ先発・チャップマンを3回でKOし、直後に3点を奪ってみせると、4回と5回に1点ずつ加えていきました。結果的には3回の3点がかなり効きました。チームも12安打で6得点、1次ラウンドで全く打てなかった岩村と小笠原が2安打放てば、村田は犠牲フライと9回のタイムリーの2打点と4番の役割を果たしました。
投手陣では、先発の松坂投手が6回まで打者22人に対して86球、5安打・8奪三振・無四球・無失点の好投を見せ、今大会2勝目を飾りました。そしてキューバ戦では3戦負けなし、まさにキューバキラーです。初回と3回に2本のヒットを浴びてピンチの場面でも、キューバの打者をねじ伏せました。中継ぎ陣も東京での好調が続き、3本柱の一角・岩隈が2奪三振、藤川も2つの三振を奪いました。ということは、全体で12個の三振を奪ったということですね。1次ラウンドで爆発しまくったキューバ強力打線を完全に沈黙させたんだから、日本の投手力は凄いわ。
この試合はソフトバンクの選手が途中から出場し、8回に3番手で登板した馬原投手は無失点、9回に代打で出場した川崎選手はWBC初打席でヒットを放ちました。川崎さんは好守で調子がよさそうなので、次戦以降はスタメンで起用してほしいところです。
キューバに快勝した日本代表の次戦の相手ですが、日本戦の後に「韓国VSメキシコ」が行われ、8-2で韓国が完勝しました。リュ・ヒョンジンが先発すれば、7回にはキム・グァンヒョンが中継ぎで登板。打線はチーム全体で3本塁打の一発攻勢を見せれば、7回は4得点を奪いました。ペトコ・パークはホームランが出にくい球場と言われていますが、韓国は3本もホームランが飛び出してますね。これは相当やばい。次の日韓戦はダルビッシュとグァンヒョンの投げ合いになるんかな?とにかく18日の日韓戦で勝てば、ロサンゼルス行きの切符が手に入ります。東京では1勝1敗の五分、3度目は絶対に勝ってくれることを祈っています。