22日は皐月賞と春の天皇賞の2つの前哨戦が行われ、中山競馬場では皐月賞トライアル・スプリングステークス、阪神競馬場では阪神大賞典がありました。
中山のこの日のメイン競走・スプリングステークスは、3着以内に入れば皐月賞の優先出走権が与えられます。過去にはナリタブライアン、シンザンの歴代3冠馬が優勝し、ネオユニヴァース、ミホノブルボン、メイショウサムソンもこのレースを制した後に皐月&ダービーの2冠になりました。今年は3戦2勝の⑫アンライバルド、武豊騎手との初コンビとなる②フィフスペトル、中央入りの⑥イグゼキュティヴ、きさらぎ賞2着の①リクエストソングが出走しました。
レースはスタート後に⑦レッドスパーダ、1コーナーを回る時に⑤リスペクトキャットが先頭に立つ展開。リクエストソングが5番手付近、アンライバルドは10番手の位置、隣にはイグゼキュティヴ、12番手集団には⑭サンカルロとフィフスペトルがつける展開。前半1000m通過時に62秒台とスローペース、一団の状態の中でアンライバルドが追い上げて外に持ち出して最後の直線へ。直線に入ると、アンライバルドが先頭の馬をかわしてトップに立ち、フィフスペトルが大外から追い上げてくるも3番手まで。アンライバルドが1着でゴール、2着・レッドスパーダ、3着・フィフスペトルまでの3頭が皐月賞の優先出走権を獲得です。
アンライバルドがスプリングステークスを制して重賞初勝利を飾りました。これで通算成績が4戦3勝、うち3勝は岩田康誠騎手とのコンビということになります。岩田騎手との息はピッタリだから、皐月賞でも期待できる一頭といえるでしょう。アンライバルドのお父さんはネオユニヴァースということは、ロジユニヴァースとのネオユニ産駒同士の直接対決となりますね!よくよく考えてみれば面白そうな組み合わせだ。
これで皐月賞のトライアルレースは全て終わりました。弥生賞のロジユニヴァース、ミッキーペトラ、モエレエキスパート、若葉ステークスのベストメンバー、トライアンフマーチ、スプリングステークスのアンライバルド、レッドスパーダ、フィフスペトルの合計8頭が皐月賞に参戦することがほぼ決まりました。中でもロジはここまで4戦無敗と皐月賞馬に一番近い存在ですが、本番ではアンライバルドとリーチザクラウンとの3強争いになりそうな予感。3強対決での決着になるかもしれないから、番狂わせなんて絶対あり得ないでしょう。ロジが5連勝で皐月賞をかっさらうのか?それとも無敗馬に土をつける馬が現れるのか?牡馬クラシック第1戦から目が離せません。
阪神では、春の天皇賞に向けた重要な一戦・第57回阪神大賞典が行われました。今年は昨年の菊花賞馬・⑫オウケンブルースリ、ジャパンカップ優勝馬・⑩スクリーンヒーローの他にも、⑦アサクサキングス、⑤デルタブルースの歴代菊花賞馬、④テイエムプリキュアのGI馬5頭が出走。雨で重馬場の阪神3000mを12頭で争われました。
スタートで⑥ゴーウィズウィンドが立ち遅れ、先行争いではテイエムプリキュアが飛び出して先頭をキープ。デルタブルースが2番手、スクリーンヒーローが3番手、アサクサキングスが5番手争いを形成。オウケンブルースリは7番手で1周目のゴール板を過ぎていきます。ゴール板を過ぎると、テイエムプリキュアが2番手以降をどんどん離して行き、15馬身以上まで拡げて一人旅をする展開に。大きく離された2番手以降は、⑧ヒカルカザブエが3番手に浮上、オウケンブルースリは6番手、アサクサキングスが7番手。その後ろには⑪ナムラクレセントがいるような感じ。
3コーナーに入ってもテイエムプリキュアと2番手以降との差が変わらないことで、場内がどっと沸いて日経新春杯でのサプライズが再現されるかと思いましたが、残り600mを切ったところで差がみるみると縮まっていき、最後の直線でアサクサとカザブエがプリキュアをかわしたのでした。その先頭争いは、6枠の2頭によるマッチレース、スクリーンヒーローとオウケンブルースリは手が動いて先頭に届きそうにない。大外からナムラクレセントがスクリーンをかわして3番手に浮上。先頭争いでは、アサクサとカザブエが並ぶような態勢でゴールしましたが、わずかにアサクサキングスが先着。ヒカルカザブエは2着惜敗。スクリーンヒーローは4着、1番人気・オウケンブルースリは7着に敗れました。
アサクサキングスが重賞2連勝で阪神大賞典を制し、春の天皇賞の有力候補に名乗りを挙げました。昨年はGI競走に多く参戦しましたが、古馬の壁に跳ね返されるレースが続き、有馬記念では最下位で終わりました。今年に入ってからは京都記念で久々の勝利を挙げると、今回の阪神大賞典で2連勝。3000mクラスのレースでは3戦2勝と結果を出しているので、天皇賞もチャンスといえそうです。
2着に入ったヒカルカザブエは、初めての3000mで2着と健闘。ナムラクレセントは直線で伸びて3着。オウケンブルースリは重馬場と雨に泣いて7着に終わりましたが、本番のコンディションが良好なら上位争いしてくるかもしれません。もしかしたら、5歳世代より4歳世代の方が強そうだ…。
来週は中京競馬場で短距離GIレース・高松宮記念。昨年のスプリンターズステークスを制したスリープレスナイトは短距離GI秋春連覇の期待がかかれば、ファイングレインは同レース連覇を目指して参戦。ビービーガルダン、アーバニティ、アーバンストリートといった重賞勝ち馬、キンシャサノキセキ、サープラスシンガー、コスモベル、ローレルゲレイロといった馬も登録されています。昨年はフジキセキ産駒のワンツーフィニッシュでしたが、今年はスリープレスナイトが強さを見せつけることができるのか?