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2009年秋のGIシリーズが遂に開幕!秋のスプリント王決定戦・第43回スプリンターズステークス(GI)が4日、中山競馬場で行われました。このレースは「グローバルスプリントチャレンジ」の第6戦であり、中山1200m・フルゲート16頭で争われました。
前回の覇者・スリープレスナイトが引退、新短距離王を決める一戦となった今年は、前哨戦のセントウルSを制した②アルティマトゥーレ、春の高松宮記念で優勝した⑬ローレルゲレイロ、サマースプリントシリーズV2馬⑫カノヤザクラ、1200mで6勝&2着3回と安定した成績を誇る⑨ビービーガルダンが参戦しました。他にも3歳馬の⑥グランプリエンゼル、昨年2着で三浦皇成騎手との新コンビで挑む③キンシャサノキセキ、③トレノジュビリー、⑤マルカフェニックスなどが出走。そして海外でGI3勝、「グローバルスプリントチャレンジ2009」で総合トップの⑦シーニックブラストがオーストラリアから参戦。世界最強の短距離馬が日本でも勝利なるか?
直前の単勝オッズでは、アルティマトゥーレが1番人気(3.7倍)、ビービーガルダンが僅差で2番人気(3.8倍)、3番人気にはシーニックブラスト(6.9倍)、4番人気のキンシャサノキセキ(9.6倍)まで10倍以下を切るオッズを出しました。以下、グランプリエンゼル、ローレルゲレイロ、トレノジュビリーと続きました。
スタートで⑩ソルジャーズソングとカノヤザクラが立ち遅れ、先行争いではローレルゲレイロが好スタートを切るとすぐに先頭に立つ。2番手にアルティマトゥーレがつけ、ビービーガルダン、キンシャサ、トレノジュビリーの3頭が5番手争い。中段にはグランプリエンゼル、シーニックブラストが9,10番手で並走。カノヤザクラは残り600mで後方2番手から徐々に進出していく。
3,4コーナー中間地点で、シーニックブラストがバランスを崩し、何とか持ち直すも後退してしまう。そして残り400mを切り、ゲレイロが単独の先頭で直線に入り、依然として逃げ粘り続ける。2番手争いはアルティマ、ガルダン、⑮アーバニティの3頭横一線。残り200mでアルティマが内から突っ込もうとするも届かない、外からガルダンが接近!逃げ粘るゲレイロをゴール前で捕らえ、2頭が並んでFINISH!3番手争いではカノヤザクラが大外から猛追し、アルティマなどを一気にかわして3着に入線。ローレルゲレイロが逃げ切って春秋連覇か、ビービーガルダンが最後にかわしてGI制覇か?長い写真判定の結果はこうなりました!
最終成績&払戻金
1⑬ローレルゲレイロ 1:07.5
2⑨ビービーガルダン ハナ
3⑫カノヤザクラ 1.1/4
4⑧アイルラヴァゲイン クビ
5②アルティマトゥーレ アタマ
6③トレノジュビリー アタマ
7⑮アーバニティ ハナ
8⑤マルカフェニックス ハナ
9⑭サンダルフォン アタマ
10⑩ソルジャーズソング 1/2
11⑪プレミアムボックス クビ
12④キンシャサノキセキ ハナ
13⑥グランプリエンゼル クビ
14⑯アポロドルチェ クビ
15①ヤマニンエマイユ 1/2
16⑦シーニックブラスト 3
単勝 13 1,380円
複勝 13 430円 9 150円 12 470円
枠連 5-7 1,580円
馬連 9-13 2,140円
馬単 13-9 5,630円
ワイド 9-13 910円 12-13 3,020円 9-12 1,260円
3連複 9-12-13 11,660円
3連単 13-9-12 66,890円
約15分に渡る写真判定の末、ローレルゲレイロが僅かに先着し、ハナ差の逃げ切り勝ちでスプリンターズステークスを制しました。大接戦を制した事により、短距離GI春秋連覇達成です。2番人気のビービーガルダンは、ゴール前で並びかけましたが惜しくも2着。1番人気のアルティマトゥーレは5着、3番人気のシーニックブラストは3,4コーナーでのアクシデントが響き、直線で失速して最下位の16着に終わりました。なおこのレースでシーニックブラストが躓いた事により審議がありましたが、降着馬は無く、到達順位での確定となりました。
開幕戦からもの凄いレースとなりましたね~。ハナ差でその差が僅か1cmという最少決着、13年前の96年(フラワーパークVSエイシンワシントン)と全く同じ差ですよ!ガルダンに騎乗した安藤勝己騎手は、優勝した気分でいるのか検量室前で喜んでいたんだけど、1cm差で2着になると「悔しい」と漏らしていました。テレビのスローVTRを見た時、ゲレイロが先にゴールしているのが微妙にわかりました。たった1cmの差で天国と地獄が決まる…、競馬って何が起こるか分からないスポーツだ。
優勝したローレルゲレイロは、今年の高松宮記念以来のGI制覇。鞍上の藤田伸二騎手は今季GI2勝目、スプリンターズSでは初勝利を飾りました。短距離GIの春秋連覇は96年のフラワーパーク、2001年のトロットスター以来史上3頭目の快挙です。高松宮記念を制して以降、安田記念で15着、セントウルSで14着と2ケタ順位が続いたので、春のGI制覇はマグレじゃないかと思いました。今回は単勝6番人気と人気面でイマイチでしたが、レースではいきなり好スタートを決めると、最後まで逃げ粘って先頭を譲らず、ガルダンに並ばれるもなんとかハナ差で勝利。GI馬の意地を見せて逃げ切りV、2度の凡走から復活を遂げたのでした。春秋連覇で最優秀短距離馬は決まり、次は12月の香港スプリントで海外GI制覇に挑みます。
1番人気で5着に敗れたアルティマトゥーレは、最後の直線で上り坂に苦しめられ、セントウルステークスで見せた末脚が炸裂せず。今年最高の「上がり馬」で勢いに乗ってGI奪取も期待されていたんだけど、中山コースと大舞台の経験不足が露呈、1番人気の重圧もあったと思います。シーニックブラストは3,4コーナーでつまづき、直線で失速して最下位。「久々に強い外国馬が来たなあ」と思いつつ、「世界最強の短距離馬」の走りに注目していたんですが、ビリという結果にガッカリしました。あのアクシデントさえなければ、優勝の可能性があったのに…。勝つために日本に来たはずが、屈辱の最下位。この悔しさは決して忘れない、借りは香港で返せるか?
来週からは東京競馬場と京都競馬場に開催が移ります。11日は東京で毎日王冠、京都では京都大賞典と東西で天皇賞の前哨戦が行われます。毎日王冠には女帝・ウオッカが4か月ぶりにターフに戻ってきます。秋緒戦で快勝し、秋の天皇賞連覇に弾みをつけられるか?他にもスマイルジャック、カンパニー、ヤマニンキングリー、ヒカルオオゾラが出走予定。京都大賞典では、春の天皇賞馬・マイネルキッツ、昨年の菊花賞馬・オウケンブルースリのGI馬が参戦予定となっています。
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