バンクーバー五輪もいよいよ大詰め。大会16日目の28日は、スピードスケートの女子団体追い抜きが行われ、日本が銀メダルを獲得しました!
団体追い抜き戦は前回のトリノ五輪から採用された競技。3人でチーム編成し、2チームが対角から同時にスタートし、先に最後尾がゴールしたチームが勝利となります。女子の部は400mリンクを6周滑走、つまり2400mも走るんです。一人でもペースダウンしたり、転倒すれば負けに繋がる、メダルを獲るためにはチームワークが一番重要とされます。今大会は8か国が出場し、トーナメント形式で行われました。日本からは小平奈緒、田畑真紀、穂積雅子の3選手が出場し、パシュートメンバーの高木美帆選手は補欠でした。
日本は27日の1回戦で格下の韓国と対戦。1周目は韓国が0.23秒リード。日本は2周目に田畑・小平と先頭をスムーズに入れ替え、3周目の半分を過ぎたところで韓国と並び、残り3周時点で逆転。4周目には約1.5秒差リードになると、韓国の3番手が遅れ出し、約2秒以上まで差を広げていく。日本は終始列を崩さない滑りを見せ、最後は横一線で余裕のゴール。3分2秒89のタイム、韓国に4.5秒差をつける快勝でベスト4進出。
勝てばメダル確定となる準決勝は、世界ランク9位のポーランドと対戦。日本は最初の半周でリードを奪う好スタートを切ると、1周目を終えた時点でポーランドとは0.47秒差リード。準決勝でも選手交代がスムーズ、2周目には0.8秒、残り3周時点で1秒、先頭を走る穂積・小平の好走もあり、残り1.5周で約1.5秒とポーランドとの差を広げる。ファイラルラップでポーランドに追い上げられるも、3分2秒73で先着し、0.19秒差で勝利。ポーランドを破って決勝進出、そして日本の銀メダル以上が決まった!
迎えた決勝戦、日本の相手は準決勝でアメリカを破ったドイツ。世界ランク3位VS4位とほぼ互角、順位的には日本が上回っているが…。ドイツがメンバーを入れ替えたのに対し、日本は小平・田畑・穂積の3人と変わらず。金メダルを懸けた運命の一戦、日本はまず穂積が引っ張り、最初の半周は日本が0.08秒、最初の1周を33秒69で通過し、ドイツに0.6秒差でリードする。2周目に日本は1分02秒05、ドイツは1分03秒50で通過、その差は1.45秒に広がる。途中ドイツの選手がバランスを崩したことで、2周半で1.5秒以上、あと3周で1.6秒と差が広がっていく!日本の動きに変化なし、金メダルが見えてきた!
後半に入りドイツのペースが上がり、日本との差を縮め続ける。ドイツの猛追を振り切れるか?そして金メダルまで残り1周!ドイツとの差は1.14秒!ペースメーカー・穂積に疲れの表情、大丈夫か?残り半周で0.74秒差まで詰まってきたが、日本のリードは変わらず。勝負の行方は最後の直線勝負、日本は横一列、ドイツは縦一本でほとんど同時フィニッシュ!ゴール通過タイムは日本が3分02秒84、ドイツが3分02秒82!ドイツがわずか0.02秒差で逆転金メダル!最後に抜かれた日本は銀メダルでした!
最終成績
金メダル:ドイツ(アンシュッツ、ベッカート、マットシェロト、フリージンガー)
銀メダル:日本(小平奈緒、田畑真紀、穂積雅子)
銅メダル:ポーランド(バフレダクルス、ボズニアク、ズロトコフスカ)
4位:アメリカ(レイニー、ロドリゲス、ルカード)
うわぁ~惜しい!4コーナーまで日本がリードしていたのに、ゴール前で逆転されて銀メダル。金メダルまであと少しでしたよ…。100分の2秒差でメダルの色が変わるなんて…。小平選手、田畑選手、そして穂積選手、3選手ともいい滑りをしました。スピード・スタミナ・3人のチームワーク、総合力で手にした銀メダルだったと思います。出番の無かった高木選手も先輩たちの滑りを見て「4年後も頑張ろう」という気持ちになったんじゃないでしょうか。ソチ五輪の時は19歳で社会人か大学生、日本のエース格に成長するはずです。
スピードスケートは全日程が終了し、日本は男女合わせて3個のメダルを獲得。男子は500mで長島圭一郎選手が銀メダル、加藤条治選手が銅メダル獲得。女子は団体追い抜きでメダルを獲得した事により、全種目入賞を達成しました。小平選手は1000mと1500mの2種目、長距離のエース・穂積選手は3000mと5000mで入賞しました。女子の場合は個人のメダルが無かったけど、最後の団体で獲得できてよかったですね。金メダル獲ってほしかったんだけど、本当におめでとうございます。