鳩山由紀夫首相の弟である鳩山邦夫氏が15日、所属していた自民党を離党しました。自民党は野党に転落してからは離党者が続出しておりますが、衆議院議員の離党者は初めてとなります。
鳩山氏は離党する前日の14日に、「自民党は賞味期限切れ」という批判発言で離党を示唆。さらには「4月末の連休前には新党を結成したい」と新党立ち上げに意欲を見せておりました。一夜明けた15日の夕方、党本部にて離党届を提出。その後の会見では「谷垣氏を批判するわけではないが、自民党では限界がある」と語り、新党については舛添要一氏と与謝野馨氏の2人を「結びつけたら最高だ」と連携を明らかに。
また、自民の執行部を批判していた園田博之幹事長代理が同日付で役職を辞任。園田氏は与謝野氏の側近という事で、「与謝野新党」に加わる事も示唆しております。
弟・邦夫氏が離党した事について兄である由紀夫首相は、「自民も苦労されてるなあ」と自民党の現状をぼやいておりました。邦夫氏との「兄弟連携」は、「弟は弟だ。連携は考えていない」と否定しておりました。鳩山内閣はこの日で半年が経過し、現在の内閣支持率は35%と低下、普天間基地移転、小沢幹事長と鳩山首相の献金問題、小林千代美議員の陣営が北海道教職員組合から不正資金を受け取っていた事などが支持率低下の原因といえるでしょう。
自民党は8月の総選挙で野党に転落した後、田村耕太郎議員、長谷川大紋議員、吉村剛太郎議員、山内俊夫議員が相次いで離党。年明けには小野次郎議員、今月初めには松田岩夫参院議員が離党を表明。特に田村議員は自民離党後、小沢一郎氏の要請で民主党に入党しました。そして今回、鳩山邦夫氏が衆議院議員で最初の離党者となりました。新党結成を目論む与謝野氏や舛添氏もいつかは自民を離れるだろうから、自民党所属議員がさらに減っていくかもしれません。
問題だらけの民主党に対して反撃攻勢を仕掛けても決定打が無い、執行部への批判が強まり、議員が続々と離れていく。どれもこれも痛手ばかりです。谷垣禎一総裁も頭を抱えまくりですな。今の自民党だと、今年の夏の参議院選で勝てないかもしれない。最悪の場合議席数で「みんなの党」を下回る恐れもありそうだ。
鳩山氏は「無所属」の間は新党作りに取り組み、早ければゴールデンウィーク中にも「鳩山新党」が結成されると思います。国会党首討論での「由紀夫VS邦夫」の兄弟対決実現、参議院選での戦いぶり、そして渦中の2人(舛添と与謝野)が新党に加わるというような事があるのでしょうか。「鳩山新党」が与党にうまく対抗できればいいのですが…。