3月14日のホワイトデーは、東西で牝馬の重賞競走が行われました。この日の注目レースは桜花賞トライアルのフィリーズレビュー。昨年の全日本2歳優駿を制して地方競馬の年度代表馬に選ばれたラブミーチャンが桜花賞の切符を目指して中央に殴り込み!笠松が誇る無敗のアイドルがクラシックの夢を叶えられるか?
でもその前に、中山のメインレース・第28回中山牝馬ステークスから参りましょう。古馬牝馬の重賞競走であるこのレースは16頭で争われ、2008年の桜花賞馬⑦レジネッタ、昨年の桜花賞&オークス3着の⑧ジェルミナル、ヴィクトリアマイル2着で前走は交流重賞を勝った⑭ブラボーデイジー、これが現役ラストランとなる⑯ザレマ、目下2連勝中の⑮ブライディアパルス、1800mでは3勝している④コロンバスサークル、③ニシノブルームーンや⑤レインダンス、①チェレブリタ、⑬アルコセニョーラといった牝馬重賞の常連組も集結しました。
ほぼ揃ったスタートからの先行争いで、②ウエスタンビーナスが好ダッシュを見せるが、すぐに⑫ショウナンラノビアとブライディアパルスが前に出て、ザレマとブラボーデイジーも先行策を取る。1コーナーから2コーナーに入るところでブライディアが先頭に立つと、2番手以降を引き離しにかかる。離れた2番手にショウナンラノビア、ザレマ4番手、ブラボー5番手、⑩ウェディングフジコが6番手、中団には③ニシノブルームーン、ジェルミナル、チェレブリタ、⑨マイネレーツェル、レインダンスがつけ、その後ろに④コロンバスサークルが11番手、その外側に⑬アルコセニョーラがいる。後方では⑪リビアーモとレジネッタが並走。
縦長で3コーナーに入りブライディアと2番手以降との差は10馬身以上ありましたが、残り600mを切ったところでその差がみるみる縮まった。残り400mから直線に入ると有力馬たちが追いつき、ブラボーデイジー、フジコ、リビアーモが接近してくる。残り200を切ってもブライディアパルスがまだ逃げ粘るが、ゴール前でウェディングフジコ、チェレブリタ、ニシノブルームーンが抜け出し、ブルームーンが差し切ってゴールイン。
ニシノブルームーンが最後のゴール前の混戦を抜け出して優勝、5度目の重賞挑戦で嬉しい初制覇となりました。これで通算成績は16戦6勝、うち4勝が中山コースで挙げたものになります。中山とは本当に相性がいいですねえ。1番人気のコロンバスサークルは4着、2番人気・ジェルミナルは9着、3番人気のザレマは12着に敗れて有終の美を飾れず。結局上位人気3頭は総崩れとなってしまいました。メンバー唯一のGI馬・レジネッタは5着。レジネッタも桜花賞を制して以降は勝てませんな。
阪神のメインは、第44回報知杯フィリーズレビュー(GⅢ)。このレースは3着以内に入れば桜花賞の優先出走権が与えられます。⑭ラブミーチャンに注目が集まっておりましたが、阪神ジュベナイルフィリーズ以来約3か月ぶりのレースとなる⑮ラナンキュラス、3戦2勝の②ロジフェローズ、阪神1600mで2勝している③レディアルバローザ、デビュー2連勝で重賞初挑戦の⑬ハニーメロンチャン、函館2歳S優勝馬⑧ステラリードなどが参戦しました。桜花賞の最後の切符をかけた一戦、ラブミーチャンの運命は…?
スタートでロジフェローズが一歩出遅れ、ラブミーチャンはスタートから一気に先手を取ってみせます。先頭に立った瞬間場内から歓声が沸き上がった。⑫エリモエポナが2番手、⑥テイラーバートンが3番手、アルバローザ4番手、ハニーメロンチャンは5番手から。中団にはラナンキュラス、⑦カレンチャン、ステラリードが集団の中にいて、後方にロジフェローズが15番手、①アマフェソンしんがりで3コーナーへ。
残り600m時点でラブミーチャンは依然として先頭キープ。メロンチャンが3番手まで進出し、アルバローザとラナンキュラスも好位につけてきた。最終コーナーから直線に入ってもラブミーチャンが先頭。このまま逃げ切るかと思われたが、残り200mを切ったところで失速。代わってラナンキュラス、大外急襲の⑤サウンドバリアー、レディアルバローザ、⑪ニシノモレッタが激しい先頭争い。さらに間からロジフェローズがやってきて、5頭が横一線でゴール!外側の2頭が先着し、サウンドバリアーがハナ差で1着、ラナンキュラスは2着でした…。
こちらも大混戦となったフィリーズレビュー、9番人気の伏兵・サウンドハリアーが初の重賞で見事勝利し、桜花賞の有力候補に名乗りを挙げました。1番人気のラナンキュラスは惜しくも2着。3着のレディアルバローザまでが桜花賞の優先出走権を獲得しました。地方・笠松から参戦したラブミーチャンは終盤失速して12着に敗れ、桜花賞出走は絶望的となりました。サウンドバリアー騎乗の渡辺薫彦騎手は、実に4年ぶりの重賞制覇となりました。先週は通算300勝達成、今週は久々の重賞勝ちと波に乗ってるような気がします。
ラブミーチャンは期待されながらも、馬群に沈んで12着惨敗。15年前に旋風を巻き起こした笠松の先輩であるライデンリーダーの再現はなりませんでした。初めての芝コース、浜口楠彦騎手は中央の重賞初体験と何もかも初めてづくし…。スタート前のゲート入りの時はスムーズにいかず、一度立ち止まったり、尻っ跳ねといったナーバスなところがありました。笠松の元カリスマ・安藤勝己騎手が乗っていたら…。桜花賞の道が立たれた事で、今後の方針も大きく転換する事になるでしょう。3歳のダート重賞・ユニコーンステークス→ジャパンダートダービーという路線がベストだと思う。コスモバルクも勝てない、ラブミーチャンもダメ…、地方馬がクラシック競走を制するのは到底無理かもしれません。
次週は中山で皐月賞TRのスプリングステークス、阪神は春の天皇賞の前哨戦・阪神大賞典が行われます。スプリングSには2歳王者・ローズキングダムが出走予定。朝日杯フューチュリティステークス以来3か月ぶりとなりますが、休み明けも関係なく4連勝するでしょう。ライバルのヴィクトワールピサが弥生賞で快勝したので、ヴィクトワール以上の勝ちっぷりが求められるかもしれない。打倒ローキンの有力候補はアリゼオとサンディエゴシチーの2頭か?21日は春分の日、3連休で多くの競馬ファンが駆けつけると思います。