東日本大震災から1年、新生侍JAPANがWBC3連覇へ向けて始動。プロ野球の国際親善試合「東日本大震災復興支援ベースボールマッチ 日本代表VS台湾代表」が10日、東京ドームで行われました。今年から常設化される「侍JAPAN」の記念すべき最初の試合となるこの試合、福岡ソフトバンクホークスの秋山幸二監督が指揮を執り、代表メンバーたちが「底力」を大いに発揮しました。
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1(二)本多雄一(ソフトバンク)
2(中)糸井嘉男(日本ハム)
3(左)内川聖一(ソフトバンク)
4(指)中村剛也(西武)
5(一)栗原健太(広島)
6(三)中島裕之(西武)
7(右)長野久義(巨人)
8(遊)坂本勇人(巨人)
9(捕)嶋基宏(楽天)
(投)田中将大(楽天)
昨季パリーグMVPの内川が3番に入り、4番には「おかわり君」こと中村が起用されました。先発投手は楽天のエース・田中投手が登板。
初回、日本の先発・田中は、台湾の先頭打者・張正偉を1塁ゴロに打ち取りますが、続く潘武雄にストレートを狙われ、レフトへの大きな打球は左翼手・内川の頭上を越えてそのままスタンドへ。いきなりホームランを浴び、先制点を許してしまいました。この後林智勝にセンター前ヒットを許しましたが、林泓育をスライダーで空振り三振に仕留めるなど後続を抑えました。
1点を追う日本はその裏、台湾先発・林英傑の立ち上がりを攻め立て、本多内野安打&盗塁、糸井の四球で無死1,2塁、内川のレフトフライの間に本多が3塁まで進みます。1死1,3塁と一打同点のチャンスに中村がレフト前タイムリーを放って同点に追いつきます。なおも2死1,2塁の場面で中島がセンター前ヒット。2塁から糸井が生還して勝ち越し。中村&中島の西武コンビの活躍で2-1と日本が逆転に成功しました。
日本1点リードの3回、日本の2番手・内海哲也(巨人)がきっちりと3者凡退に抑えると、日本はその裏に2死から中村がヒットを放ち、2死1塁で栗原が台湾2番手・王鏡銘の直球を完璧に捉え、レフトスタンドに飛び込む2ラン本塁打!栗原の豪快な一発で4-1とリードを拡げます。
日本打線の勢いは中盤になっても止まらず、4回に坂本の四球、嶋の2塁打で1死1,3塁の場面で、本多の代打・渡辺直人(横浜DeNA)がライトへの犠牲フライで5点目を挙げると、5回には中田翔(日本ハム)と中島の連続ヒットで1死1,3塁のチャンスに、長野の代打・新井貴浩(阪神)のレフト犠牲フライで6点目。
6回、1死から坂口智隆(オリックス)、内川の連打で満塁。絶好の大チャンスに中村が3塁ゴロ→三塁手がファンブルしてエラー。ラッキーな形で1点を追加。なおも満塁で中田が3塁線を破るレフト前タイムリーを放ってさらに2点追加。この回満塁から3点を奪い、9-1と台湾を突き放しました。
投手陣は、4回から吉見一起(中日)が2イニング無失点、6回に斎藤佑樹(日ハム)が2塁打を許すも無失点。7回には沢村拓一(巨人)が先頭打者に一発を浴びるも台湾の反撃を1点に留め、8回に平野佳寿(オリックス)が3者凡退、最後は浅尾拓也(中日)がしっかりと3人で締めて試合終了。日本代表が台湾に9-2で完勝しました。
復興支援試合 2012/03/10(土)
日 本-台 湾 1回戦 (日本1勝、東京ドーム、18:27、35505人)
台湾 100 000 100 2
日本 202 113 00x 9
【投手】
(台湾)林英傑、王鏡銘、沈イー傑、曽兆豪、林其緯、耿伯軒、許銘チェ-高志綱、鄭達鴻
(日本)田中、内海、吉見、斎藤、沢村、平野、浅尾-嶋、細川、炭谷
【責任投手】
(勝)田中
(敗)林英傑
【本塁打】
(台湾)潘武雄、林泓育
(日本)栗原
東日本大震災の復興支援試合は、侍JAPANが13安打9得点の猛攻で台湾に快勝という結果に終わりました。初回にいきなり先制点を許しましたが、日本がすぐさま逆転し、3回には山形出身の栗原選手の完璧な一発が飛び出しました。栗原選手の一発は被災者に希望を届けるアーチになったんじゃないかと思います。
先発で登板した田中投手は、日本のエースとして素晴らしいピッチングを期待を寄せておりましたが、2回を投げて2安打1失点とまずまずの内容。プレッシャーからか立ち上がりにまさかの一発を浴びましたが、2回は3者凡退で立ち直りました。来年のWBCでは今回の借りを返すようなピッチングを見せてほしいですね。
打線の方は、4番に座った中村選手が5打数2安打1打点をマーク。ドデカい一発は出なかったけど、タイムリーで4番の責任を果たしかな。途中出場の中田翔選手は2安打2打点の活躍で勝利に貢献。最初の打席では内野安打、2打席目では満塁の場面で2点タイムリーを放ちました。
常設化最初の試合を白星で飾り、来年開催される第3回WBC制覇へ幸先のいいスタートを切った侍JAPAN。国際親善試合は今回だけではなく、今年中にもう1試合くらい開催してほしいものです。来年のWBCでは日本野球の底力を世界に見せつけて、3連覇できるよう頑張ってほしいと思います。