

ポルトガルで開催中の「アルガルベカップ」に参戦しているなでしこJAPANは、ノルウェー、デンマークの北欧勢に連勝し、2戦終えて勝ち点6としています。迎えた5日の第3戦は、最大のライバル・アメリカ代表が相手です。昨年7月の女子W杯の決勝以来の対戦となる今回、現在アメリカがB組首位、日本が2位で追います。もし日本がこの試合に勝てば決勝に進出し、引き分けか負けた場合は3位決定戦に回ります。アメリカとの天王山を迎えるなでしこ、宿敵を相手にどう戦う?
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GK 12 福元美穂
DF 2 近賀ゆかり
DF 3 岩清水梓
DF 5 鮫島彩
DF 4 熊谷紗希
DF 14 田中明日菜
MF 8 宮間あや(cap)
MF 6 阪口夢穂
MF 11 大野忍
FW 7 安藤梢
FW 17 永里優季
澤穂希が体調不良で欠場。大事な一戦で精神的支柱を欠く非常事態に陥ってしまった!GKはデンマーク戦に続いて福元が先発。鮫島も先発に復帰すれば、田中明日菜が2試合連続スタメン入り。FWは安藤と永里の海外組2トップ。川澄奈穂美、京川舞、菅澤優衣香はベンチスタート。
アメリカボールで始まった前半、開始2分に宮間が中央からミドルシュートを放つが、ゴール左に逸れます。4分、中盤で大野が右サイドの近賀にパスを出すと、近賀が突破してクロス入れるも、安藤には合わずクリアされた。前半6分、アメリカは中盤でのFKをモーガンが右足で押し込んでゴールかと思われたが、その前にオフサイドがあって先制ならず。日本にとっては危なかった。
日本は9分、永里が前線でボールを奪い、安藤がシュートするもGKの正面。対するアメリカは10分、モーガンがペナルティエリア内から右足を振り抜くが、シュートはバーの上。14分、宮間がミドルを狙ったが、アメリカGKのソロにキャッチされる。17分、左サイド・宮間のクロスに永里が飛び込んだが、わずかに届かない。
アメリカは24分、ワンバックがシュートを打ったが、DFにブロックされる。続くCKでは、福元がパンチでクリア。25分、ワンバックがヘディングシュートするが、福元が正面でキャッチ。26分にはビューラーのロングボールからモーガンがDFラインを抜け出してシュートを放ったが、ボールはポスト直撃。28分、アメリカの波状攻撃を日本DF神がなんとか凌いだ。
日本は前半35分、安藤が相手にひっかけられてエリア手前でFKを獲得。ゴール中央と絶好の位置でのFKを宮間が右足で狙ったが、ゴール右上に外れた。388分、宮間→安藤が右サイドでクロス→永里には合わず。アメリカは40分、左サイドからチャンスを作るが、クロスは日本DFにクリアされる。43分には縦パスからモーガンのシュートを福元の正面。44分、ワンバックがヘディングで落とすと、モーガンがキープ→ワンバックにパスを入れるも鮫島がクリア。結局前半は両チーム無得点で終了。
後半、アメリカは開始からオライリー、コックス 、ラピノーの3人を一斉に投入。日本は開始早々に右サイドのクロスに宮間がボレーを狙うも失敗。後半5分、右サイドのオライリーがシュート性のパスを出すが、福元か押さえる。9分、右サイドのクロス→ワンバックにボールが渡るが、熊谷と岩清水がブロック。日本は11分、右サイドの大野が近賀にパス→近賀クロス→安藤飛び込むも合わず。アメリカは12分、モーガンが抜け出し、福元と交錯した後、シュート打つも左に外れる。さらに13分、左サイドクロス→ヘッドで折り返し→モーガンがボレーシュートも決まらず。再三に渡り危ないシーンが続く。
14分、日本は宮間が左サイドでクロスを上げ、永里が胸で落としてシュートを打つも、GKにキャッチされた。16分、宮間のFKのこぼれ球を安藤が詰めるも、先にGKのソロがキャッチ。アメリカは17分、スルーパスを受けたモーガンがDFをかわして右足でシュート放つもポスト左。
後半19分、日本は安藤→高瀬愛実、大野→川澄、岩清水→宇津木瑠美と一気に3人を入れ替え。交代で流れを変えられるか?対するアメリカは27分、ワンバックが下がり、ルルーが投入される。日本は29分、左サイドのロングボールに高瀬が走り込むもオフサイド。30分、アメリカがカウンターを仕掛け、オライリーが右サイドを突破したが、宇津木がエリア内でクリア。
後半34分、日本はボランチ阪口に代えて菅澤を投入。高瀬がボランチに入る。この策が吉と出るか?36分、ルルーが熊谷が競り合うと、右サイドから折り返すも福元キャッチ。さらにミドルを放たれるが、福元が押さえる。37分、近賀がクロスを上げるが、菅澤には合わず。続く左CKを高瀬が頭で合わせてゴール!遂に均衡が破れ、日本が1点を先制!!さらに39分、川澄が右サイドを突破するもシュートは打てず。その後も日本が攻め続けるが、2点目が入らない。
1点を追うアメリカは42分、ヒースが投入される。43分、宮間のクロスに永里が頭で合わせるもラインを割る。44分、アメリカが反撃を見せるが、DF陣が懸命に守る。45分中央でのFKをラピノーが直接狙うもゴール左。46分、左サイドのクロスにシャノン・ボックスが頭で叩きつけるが、バーを越えて行く。終了間際に田中→伊藤香菜子が投入され、直後にタイムアップ。日本が1-0でアメリカを下しました!!
なでしこJAPAN、宿敵アメリカに90分で初勝利!!今回の試合、何度もチャンスを作りながらもなかなか決められず、後半にはアメリカに押され気味だったので、良くて引き分けかな~と思ったんですが、伏兵・高瀬選手が値千金のゴールを奪い、その後のアメリカの反撃を抑え、1点を守り切りました。澤選手が不在の中で宿敵に勝ち、W杯決勝に続いて連勝するなんて凄いよ!!
決勝点を決めた高瀬選手は、後半19分から途中出場し、ボランチとしてプレーしていた後半39分にCKをヘディングで上手く合わせました。前回のデンマーク戦では何度も決定的なシュートを決める事ができませんでしたが、アメリカとの大一番で凄い仕事をやってのけました。高瀬選手をボランチに下げた佐々木則夫監督の采配が当たりましたね。代表での試合ではなかなか点が取れずにいたけど、大事な試合で結果を残したので大きな自信がつくんじゃないかと思います。
これで日本はグループリーグ3戦全勝、勝ち点9でB組1位通過となり、決勝に駒を進めました。7日の決勝ではA組1位のチームと対戦します。恐らくドイツが相手になるでしょう。ドイツにも90分で勝っちゃったら、ロンドン五輪での金メダル獲得に大きく前進しそうな予感。ここまで来たらアルガルベ杯初優勝を目指して頑張ってほしい!




