古馬も３歳戦線も女の戦いは熱い！

東日本大震災発生からちょうど１年を迎えた2012年３月11日、「東日本大震災被災地支援競馬」と題して開催されたこの日は、東西で牝馬の重賞競走があり、中山競馬場では古馬牝馬重賞・中山牝馬ステークス、阪神競馬場では桜花賞トライアルのフィリーズレビューが行われました。


阪神メイン競走・第46回報知杯フィリーズレビュー（GⅡ・芝1400ｍ）は、16頭立てで争われました。阪神ジュベナイルフィリーズで２着だった④アイムユアーズ、クイーンカップ２着の⑯イチオクノホシ、ディープインパクト産駒の⑧アンチュラス、他にも⑦ファインチョイス、⑬ラシンティランテ、②レッドクラウディアなどが参戦。３着までに桜花賞の優先出走権が得られるこのレース、切符を手にするのはどの馬か？
スタートで⑪サクセスセレーネが好ダッシュを見せるが、⑥エイシンキンチェムと⑮レディーメグネイトが激しい先行争いを見せます。アイムユアーズは３番手追走、ファインチョイスは５番手の位置。中団の７番手レッドクラウディア、９番手に⑤ビウイッチアス、イチオクノホシは10番手追走。12番手にラシンティランテ、後方では⑩ダームドゥラック14番手、①サトノジョリー15番手、プレノタートがポツンと置かれて最後方という展開。
縦長の状態で内回り３,４コーナーに入り、キンチェムがレースを引っ張り、３番手のアイムユアーズが２番手のメグネイトに接近。ファインチョイスとクラウディアが４番手集団の中にいて、アンチュラス７番手。４コーナー手前でファインチョイスが大外に持ち出し、イチオクノホシはまだ中団より後ろ。最後の直線に差し掛かり、アイムユアーズが先頭に躍り出ると、最内からビウィッチアスが伸びてきて、イチオクノホシも３番手まで浮上。さらに大外からプレノタートが追い込んでくる。しかしゴール前でアイムユアーズが抜け出して１着でゴールイン！２着争いはビウィッチアスとプレノタートが並んだが、わずかにビウィッチが有利だった。

曇り空の下で行われたこのレース、アイムユアーズが１番人気に応えて快勝し、フィリーズレビューを制しました。２着にビウィッチアス、３着にプレノタートが入り、以上の上位３頭が桜花賞の優先出走権を獲得しました。アイムユアーズは昨年11月のファンタジーステークス以来となる重賞２勝目。道中は３番手追走、直線に入ってからは先頭に躍り出て、ビウィッチアスとプレノタートの猛追を振り切りました。これで通算３勝目となり、うち２勝は1400ｍで挙げております。この馬にとって1400ｍは得意なんでしょうかね？
３つの桜花賞トライアル競走を終え、チューリップ賞ではハナズゴールが２歳女王・ジョワドヴィーヴルを破り、アネモネステークスではディープインパクト産駒のパララサルーが制し、３連勝で桜花賞の切符を掴みました。そしてフィリーズレビューでアイムユアーズ勝利。トライアルを勝った馬達はみんな関東馬。今年は関東勢が牝馬クラシックを盛り上げるのか？しかし桜花賞ではジョワドヴィーヴル、ジェンティルドンナ、ドナウブルーが参戦するだろうし、関西馬の逆襲もあるかもしれません。とにかく桜の決戦は混戦の予感だ！


中山のメインは、第30回ローレル競馬場賞・中山牝馬ステークス（GⅢ・芝1800ｍ）。昨年は震災の影響で阪神競馬場で行われ、中山での開催は２年ぶりとなります。昨年の勝ち馬⑫レディアルバローザ、京都牝馬ステークスを勝った⑭ドナウブルー、昨年重賞３勝の⑤イタリアンレッド、⑮ホエールキャプチャ、⑥アプリコットフィズ、⑪アニメイトバイオ、②アカンサス、⑬コスモネモシンといった牝馬の一線級が集結しました。
ややばらついたスタートで始まったこのレース、スタンド前～１コーナーでの先行争いでレディアルバローザが先手を取り、ホエールキャプチャが２番手につけ、①マイネイサベルと⑨ダンスファンタジアが３番手並走。５番手にドナウブルーと③カルマート、アプリコットフィズが中団より前の７番手で追走し、アカンサスが９番手。10番手に⑯パールシャドウ、11番手④エオリアンハープ。12番手のところに⑩ブロードストリートとアニメイトバイオ。後方ではコスモネモシン14番手、15番手にイタリアンレッド、しんがり追走が⑦オールザットジャズ。
一団で３コーナーに入り、アルバローザが依然として逃げ、ホエールキャプチャ２番手。⑧スピードリッパーが４番手に進出し、アプリコットとドナウブルーはまだ馬群の中。コスモネモシンとアカンサスは後方待機。４コーナーから最後の直線に差し掛かり、レディアルバローザがまだ先頭で逃げ粘り、ホエールとアプリコットフィズ、エオリアンが追い込み、坂を登りきったところでオールザットジャズが急襲するが、レディアルバローザそのまま先頭でゴールイン！
レディアルバローザ中山牝馬ステークス２連覇！同レースの連覇を達成した馬は史上初めてだそうです。阪神開催での昨年は直線で間から鮮やかに抜け出しましたが、今年はスタートからハナに立ち、そのまま先頭を譲らず、影をも踏ませぬ走りで逃げ切り勝ち。福永祐一騎手の騎乗ぶりにも「あっぱれ」ですね。１年ぶりの勝利となったアルバローザ、今度こそGI制覇の夢をかなえられるのか？


来週・18日は注目の重賞レース２本立て！中山競馬場では皐月賞トライアルのスプリングステークス、阪神競馬場では春の天皇賞の前哨戦・阪神大賞典が行われます。スプリングSには、デビュー３連勝で朝日杯フューチュリティステークスを制したアルフレード、共同通信杯で初黒星を喫したディープブリランテ、、現在３連勝中のゼロス、朝日杯＆京成杯２着のマイネブロブストなどが出走予定。そして阪神大賞典には、４冠馬・オルフェーヴルが登場！今年は国内に限らず世界制覇に挑むオルフェ、阪神大賞典で散りこぼすってことは恐らくないですよね。現役最強馬の2012年の初戦を見逃すな！