5日のアメリカ戦を1-0で勝利し、グループリーグを3戦全勝で1位通過を果たし、決勝戦に進出したなでしこJAPAN。ポルトガルで行われている女子サッカー国際大会「アルガルベカップ」、7日の決勝戦ではA組首位のドイツと対戦しました。ドイツはグループリーグで日本と同様3戦全勝、しかも無失点で勝ち進んできました。アメリカ戦以上に厳しい戦いになるかもしれないこの試合、ドイツのパワーに屈せず、アルガルベ杯制覇なるか?
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GK 1 海堀あゆみ
DF 3 岩清水梓
DF 5 鮫島彩
DF 15 有吉佐織
DF 13 宇津木瑠美
MF 8 宮間あや(cap)
MF 9 川澄奈穂美
MF 6 阪口夢穂
MF 11 大野忍
FW 7 安藤梢
FW 17 永里優季
澤穂希が前回の試合に続き体調不良で欠場。GKには海堀が3試合ぶりに出場し、DFは宇津木がセンターバック、右サイドは近賀ゆかりではなく有吉佐織、宮間がボランチに入り、川澄が3試合ぶりのスタメン。FWは安藤&永里の”ブンデスリーガコンビ”。アメリカ戦で値千金の決勝点を挙げた高瀬愛実、18歳の京川舞はベンチスタート。
立ち上がりからドイツのペースで進み、前半6分に左サイドのグラウンダークロスにオコイノダムバビがシュートを打とうとしたが、宇津木がブロックします。14分には左CKをシュミットが頭で合わせるが、GK海堀にキャッチされる。日本は17分、大野のロングパスからカウンターとなり、永里が相手DFを振り切り右足シュートを放ったが、GKのセーブに阻まれ、惜しくも先制ゴールを奪えず。
前半20分、ドイツは右サイドのベーリンガーがラインぎりぎりの位置でクロスを上げ、最後はマロジャンが右足で合わせてゴール。1点を先制したドイツはその2分後、左CKをオコイノダムバビが頭で決めて2点目。なでしこ、2分間で2点を失ってしまった。
日本も30分過ぎからペースを掴み、33分に永里のスルーパスに大野が抜け出すも届かず。35分、中央の安藤のパス→川澄が左サイドを突破し、ペナルティエリア内でDFをかわし、右足シュートを決めて1点を返します。前半42分、左サイドで宮間がクロス→抜け出した永里が右足シュートを放つが、GKの正面。結局前半は2-1でドイツが1点リードで折り返しました。
後半、日本は鮫島に代えて近賀、安藤→田中明日菜、岩清水→熊谷紗希と一気に3選手を投入。ドイツは後半4分、シュミットが右サイドを突破すると、折り返しをオコイノダムバビが狙うも日本DFがブロック。日本は後半9分、田中ヘッド→永里縦パス→川澄が抜け出すもクリアされてCK。続くCKを宮間がショートで繋ぎ、川澄グラウンダークロス→永里シュート→こぼれ球を田中が押し込んでゴール!なでしこJAPAN、2-2の同点に追い付いた!
流れに乗る日本は後半15分、左サイド宮間のクロス→永里が中央で落とし、大野がエリア手前からシュートを放つもGKにキャッチされる。17分には川澄がFKを獲得し、FKを宇津木が左足で狙うもDFに当たる。後半24分、ドイツの右サイド・ポップの低いクロスをGK・海堀がファンブルしてしまうが、ゴール前で熊谷がクリア。なんとかピンチを凌いだ。26分にはフートが熊谷のパスを奪い、ドリブルからシュートに持ち込むも海堀にキャッチされる。後半33分には右サイドのスローイン→クロス→ポップが頭で合わせたが、ゴール前で近賀が間一髪でセーブ。対する日本は34分、CKを阪口がヘッドで狙うも決まらない。
2-2のまま終盤を迎えた後半42分、有吉がペナルティエリア内でシュミットを倒してしまいPKを献上。ドイツはこのPKをオコイノダムバビが左隅に決めて3-2と勝ち越し。追い込まれた日本は高瀬を投入し、その直後に高瀬がクロスを入れ、ドイツGKがファンブルし、こぼれ球を永里が押し込みゴール!土壇場で追い付き3-3。ところがその1分後、ドイツはベーリンガーのロングボールからオコイノダムバビが抜け出し、GKをかわしてそのままゴール。オコイノダムバビはこれでハットトリック。終了間際の1点が決勝点となり、ドイツが4-3で勝利しました。
両チーム合わせて7発のゴールが生まれたこの試合、ドイツが激しい点の取り合いを制してアルガルベ杯の優勝を果たしました。ドイツが立て続けに2点を奪うと、日本は川澄選手と田中選手のゴールで2点ビハインドを追い付き、流れは日本ペースだ正直思っていました。後半40分過ぎからの攻防は激しくて、オコイノダムバビのPK、ロスタイムに永里選手が同点弾を決めたんだけど、最後の最後でまたもやオコイノダムバビに決められました。
ドイツの力強い攻撃、オコイノダムバビ一人にやられたなあという印象でした。それにしてもドイツはロンドン五輪を逃したのに、相変わらず強かった…。日本も粘りで女王の意地を見せたんだけど、あと一歩及ばず準優勝に終わりました。澤選手の不在は痛かったし、その穴は大きかったです。
今回のアルガルベ杯を振り返って、当落線上にいる若手選手が奮闘しました。菅澤優衣香選手がデンマーク戦で代表初ゴールを挙げ、高瀬選手がアメリカ戦でゴールを決めると、決勝戦のドイツ戦でも3点目をアシストしました。田中選手も決勝で2点目のゴールを決め、結果を残しました。GKでは明暗が分かれ、福元選手が無失点だったのに対し、海堀選手が5失点。ロンドンの正GK争いでは、福元選手が今のところリードしているか?
守備面では大きな課題を残しました。連携ミスでピンチになる場面も相次いだし、決勝ではサイドを破られたり、PKを献上、ロングボールに対応できなかった事が失点に繋がり、終わってみれば4失点を喫しました。これはまずいですね。
アルガルベカップで準優勝に終わったなでしこJAPAN、今後の日程は4月に国内で親善試合2試合が行われ、1日にユアテックスタジアム仙台でアメリカ代表と、5日はホームススタジアム神戸でブラジル代表と戦います。この2チームは五輪でも戦う可能性があるので、4月の2連戦は大事な前哨戦となるでしょう。ロンドン五輪での金メダル獲得を目指すなでしこの挑戦は続く。