秋の中距離王者決定戦・第148回天皇賞・秋(GI・芝2000m 17頭立て)が27日、東京競馬場で行われました。台風27号が接近していて、当日はもしかしたら悪天候になる恐れもありましたが、この日は快晴で良馬馬まで回復。現役最強馬・ゴールドシップ、春天覇者・フェノーメノが不在の今年の秋天は、春の巻き返しを狙う女傑⑨ジェンティルドンナ、重賞3連勝中の上がり馬⑪トウケイヘイロー、昨年の勝ち馬⑥エイシンフラッシュ、2011年の勝ち馬⑩トーセンジョーダン、京都大賞典で波乱を演出した⑧ヒットザターゲットと⑬アンコイルド、宝塚記念でジェンティルに先着した⑯ダノンバラード、出走メンバー中唯一の3歳馬①コディーノ、オールカマーを勝った⑰ヴェルデグリーンなどが参戦しました。
レース直前の単勝のオッズは、1番人気がジェンティルドンナ(2.0倍)、2番人気トウケイヘイロー(4.4倍)、エイシンフラッシュが3番人気(4.7倍)。4番人気以降はコディーノ、ジャスタウェイ、ダノンバラード、ヴェルデグリーン、アンコイルド、④トゥザグローリーと続きました。
1コーナー奥ポケットからのスタートで、ジェンティルドンナが好スタートを切ったが、すぐにトウケイヘイローが予想通り鼻を切って向正面へ。ジェンティルは2番手でトウケイの背後につける。その内側の3番手に③ダイワファルコンが続き、⑮レッドスパーダが4番手。5番手集団にはダノンバラード、コディーノ、アンコイルドの3頭が並走。中団の8番手の位置にフラッシュとジョーダンが並んでいる。少し離れた10番手に②ナカヤマナイト、11番手にジャスタウェイ、トゥザグローリー12番手。後方は13番手にヒットザターゲット、⑭オーシャンブルー14番手、その後はヴェルデグリーン、⑫フラガラッハ、最後方に⑤レインスティックが追走という展開。
先頭を行くトウケイヘイローは、前半1000mを58秒4のハイペースで通過。府中の長い直線がこの後待ち構えているが、このまま最後まで逃げ切れるか?ジェンティルドンナ・ファルコン・スパーダ・バラードの2番手集団も差を詰める。4コーナーから最後の直線に差し掛かり、まだトウケイが逃げ粘り、ジェンティルが必死に追いかける。さらにはコディーノ、アンコイルド、さらに馬場の真ん中からジャスタウェイが襲いかかる!エイシンフラッシュは馬群から抜け出せず一苦労。残り200m付近でジャスタウェイがジェンティルとトウケイを一気にかわして先頭に躍り出て、あとはジェンティルドンナ、フラッシュらを突き放し、圧勝でゴールイン!直線で突き抜けたジャスタウェイ、大一番で大金星!
天皇賞・秋 全着順&払戻金
1着⑦ジャスタウェイ 1分57秒5
2着⑨ジェンティルドンナ 4馬身
3着⑥エイシンフラッシュ 2馬身
4着⑬アンコイルド クビ
5着①コディーノ 1馬身1/4
6着②ナカヤマナイト 2馬身
7着⑧ヒットザターゲット クビ
8着⑰ヴェルデグリーン 3/4馬身
9着⑫フラガラッハ 3/4馬身
10着⑪トウケイヘイロー 1馬身1/4
11着⑩トーセンジョーダン 3/4馬身
12着④トゥザグローリー クビ
13着⑭オーシャンブルー 3/4馬身
14着⑤レインスティック 1馬身3/4
15着③ダイワファルコン 3/4馬身
16着⑯ダノンバラード クビ
17着⑮レッドスパーダ 9馬身
単勝 ⑦ 1550円
複勝 ⑦ 240円 ⑨ 110円 ⑥ 150円
枠連 [4]-[5] 1110円
馬連 ⑦-⑨ 1190円
馬単 ⑦-⑨ 4510円
ワイド ⑦-⑨ 410円 ⑥-⑦ 590円 ⑥-⑨ 210円
3連複 ⑥-⑦-⑨ 1400円
3連単 ⑦-⑨-⑥ 14310円
昨年の年度代表馬、過去2年の秋天勝ち馬、連勝中の上がり馬などが参戦した今年の秋の天皇賞は、単勝5番人気だったジャスタウェイが直線の馬場の真ん中からトウケイヘイローとジェンティルドンナをまとめてかわすと、一気に引き離して最後は2着に4馬身差をつける圧勝劇で優勝しました。1番人気のジェンティルドンナは2着、連覇を狙ったエイシンフラッシュが3着。ジェンティルはスタートダッシュを決め、トウケイを捉えたかと思ったら、ジャスタウェイにかわされてしまいました。休み明けの影響もあったと思うけど、宝塚記念に続いての完敗です。2番人気だったトウケイヘイローは、前半はハイペースで逃げたものの、直線でズルズルと馬群に沈んで10着に終わりました。府中2000mを逃げ切るのは難しいですね…。
優勝したジャスタウェイは2012年のアーリントンカップ以来約1年8か月ぶりの勝利で通算3勝目。重賞も今回で2勝目です。鞍上の福永祐一騎手は、先週の菊花賞に続き2週連続でGI勝利。天皇賞は春秋通じて初勝利となります。須貝尚介調教師も天皇賞初勝利です。ジャスタウェイの父は、2005年の有馬記念馬&2006年のドバイシーマクラシックを勝ったハーツクライですが、同産駒がGIを勝ったのはこれが初めてです。
ジャスタウェイは重賞競走に何度も出走し、人気を背負いながらも勝ちきれないレースが続き、今年6月のエプソムカップで2着を皮切りに、関屋記念でも2着、前走の毎日王冠も2着に終わり、「シルバーコレクター」と呼ばれるようになりました。しかし、今回の天皇賞でこれまでの悔しさと鬱憤を爆発させ、切れ味鋭い末脚で見事に勝利。惜敗続きにピリオドを打ち、古馬の頂点に登り詰めました。次は有馬記念を目標にしているみたいですが、ジャスタが2500mを走れるのか疑問なので、距離を考えるとマイルチャンピオンシップがベストなんじゃないかと思います。秋天&マイルのGI連覇も見たいですなあ。
来週の11月3日の文化の日は、東京競馬場でアルゼンチン共和国杯、京都競馬場ではダート重賞のみやこステークスが行われます。「アルゼンチン」には2連勝中のエックスマーク、ニューダイナスティ、ハーツクライ産駒のメイショウナルトとアドマイヤラクティ、さらには目黒記念を勝ったムスカテール、ルルーシュが登録。みやこSにはケイアイレオーネ、インカンテーション、ナイスミーチュー、グレープブランデー、ベストウォーリア、ローマンレジェンドが出走を予定しています。
さらに11月4日の振替休日には、金沢競馬場で地方競馬の祭典「ジャパンブリーディングファームズカップ(JBC)」が開催されます。メインの「JBCクラシック」を始め、ダート短距離王決定戦「JBCスプリント」、ダート女王決定戦「JBCレディスクラシック」と1日でGI競走が3レースもあります。これは見逃せませんね~。