終盤戦に突入している「2014 FIFAブラジルワールドカップ」は、日本時間6日未明に準々決勝2日目が行われました。ベスト4の切符を手にしたのはどこだったのか?
アルゼンチンVSベルギー@ナショナルスタジアム(ブラジリア)
アルゼンチンとベルギーは、ここまで4戦して全勝中。決勝トーナメント1回戦ではどちらも延長戦まで戦い、アルゼンチンは延長後半13分にディマリアの決勝点でスイスに勝利。ベルギーはアメリカに競り勝ち、1986年以来のベスト8入りを果たしました。この試合に勝てば、アルゼンチンは24年ぶり、ベルギーは28年ぶりの4強入りが懸かっていました。
前半立ち上がりからアルゼンチンペースで進み、メッシが左サイドにパスを送り、ディマリアが左足でグラウンダーのシュートを打ったが、ベルギーDFにクリアされる。前半8分、中盤で相手ボールを奪うと、メッシ→ディマリアのパスは相手に当たってコースが変わり、イグアインがダイレクトで右足シュート。直接ゴールネットを揺らし、アルゼンチンが早い時間帯で1点を先制します。
1点ビハインドのベルギーは、13分にデブライネがドリブルで持ち込んでミドルシュートを放ったものの、枠を捉えられず。26分にも再びデブライネがミドルを狙ったが、GKの正面。前半42分、左サイド・ベルトンゲンのクロス→FWミララスが飛び込むも、わずかにゴール左に外れる。アルゼンチンは前半終了間際、ペナルティエリア手前、ゴール正面でFKを獲得。メッシが左足で直接狙うもバーの頭上を越えていった。
後半立ち上がりもアルゼンチンが主導権。後半6分にイグアインが左サイドの深い位置からドリブルでペナルティエリア内に進入するが、シュートは相手に当たる。さらに10分、イグアインがドリブル中央突破からシュートを放ったが、クロスバーに直撃する。ベルギーは後半15分にルカクとメルテンスを立て続けに投入。その1分後、左サイドのクロスにフェライニが頭で合わせるも、枠を捉えることができず。
アルゼンチン1点リードで迎えた終盤、後半40分にベルギー・デブライネのシュートはダメ。後半44分には自陣からのロングボールを前線にいたフェライニが頭で落とし、ファンブイテンがボールに反応するもファウル。逆にアルゼンチンは後半アディショナルタイム、カウンターからメッシが抜け出し、GKとの1対1の場面でシュートを打ったが、飛び出したベルギーGK・クルトゥワに防がれた。そして終了間際の50分、ベルギーはルカクがゴール前で折り返すも、アルゼンチンDFにクリアされ、こぼれ球をビツェルが右足を振りぬいたが、バーを越える。試合はこのまま1-0で終了し、アルゼンチンがベルギーを破って準決勝進出を果たしました。
オランダVSコスタリカ@ アレーナ・フォンチ・ノヴァ(サルヴァドール)
メキシコ戦で劣勢を強いられながらも、終了間際に2点を奪い逆転勝ちを収めたオランダ。準々決勝でまたしても北中米のチームと戦います。今大会一大旋風を巻き起こしているコスタリカは、死のグループCを2勝1分で首位通過、ベスト16戦ではギリシャにPK戦の末に勝利し、初のベスト8入りを果たしました。北中米勢84年ぶりの準決勝進出へ、欧州の強豪から大金星なるか?
試合はオランダが一方的に攻め込む展開。前半22分、右サイドのカイトのグラウンダークロス→デパイ→ファンペルシーがPA左からシュートを放ったが、コスタリカGK・ナバスに阻まれます。さらにこぼれ球をスナイデルがミドルを放ったが、GKの正面。29分にはデパイが左サイドからシュートを放つも、GKに防がれる。さらに39分、ゴール正面でのFKをスナイデルが右足で直接狙ったが、GKナバスが横っ飛びでセーブ!
防戦一方のコスタリカは、後半20分に右サイドのFKをDFゴンサレスが合わせるも、バーの頭上。オランダも後半30分に左サイドのFKをDFロンフラールがヘッドを放ったが枠外。37分には、PA手前でのスナイデルのFKはポスト直撃。さらに39分、ファンペルシーがPA右からシュートを打ったが、GKナバスに阻まれる。後半終了間際、左サイドの折り返しをデフライ、カイトが飛び込むも届かず。ファンペルシーのシュートはコスタリカDF・テヘダにブロックされた後、クロスバー直撃。90分では決着つかず、延長戦へ。
延長前半4分、オランダはロッベンの右CKをロンフラールが頭でたたきつけるも、GKナバスの好セーブに阻まれる。我慢の時間帯が続いていたコスタリカは延長後半12分にビッグチャンス到来。ウレーニャが中盤からドリブルで仕掛け、DFを2人かわしてからシュートまで持っていったが、オランダGK・シレッセンがゴールを許さない。延長終了間際、オランダは左サイドにいたスナイデルがエリア手前から右足シュートを放つも、クロスバーに嫌われる。さらにこぼれ球をロッベンが左足でシュートするも、味方に直撃。結局120分間戦い、0-0のままPK戦へ。
PK戦に入り、オランダはGK同士が交代。シレッセンOUT→クルルを投入。両チーム1人目ずつ成功して迎えた2人目、先攻のコスタリカ・ルイスがゴール右隅に蹴るが、オランダGK・クルルがセーブ!対するオランダはロッベンが左上にしっかりと決めた。その後、オランダは3人目のスナイデル、4人目のカイトも成功。コスタリカはゴンサレスとボラーニョスが共に成功し、4人目終了時点で4-3とオランダがリード。外せばその時点で負けとなるコスタリカは、5人目にウマニャが登場。ウマニャは右隅を狙ったが、クルルに止められ失敗。オランダがPK戦を制しました。
ベスト4残り2枚の椅子を懸けた試合は、アルゼンチンとオランダが勝利しました。アルゼンチンは前半8分にイグアインが今大会初得点を挙げ、その後はベルギーの反撃を守り切りました。ベルギーもパワープレーで攻め込みましたが、あと一歩およびませんでした。アルゼンチンは1990年のイタリア大会以来となる準決勝進出。タイムアップの瞬間、ベンチにいた選手たちが一気に飛び出していきましたなあ。メッシのブラジルW杯はまだまだ終わりません。
オランダはコスタリカに圧勝すると思われましたが、コスタリカGKのヘスス・ナバスの壁を破れず、決まったかと思われたシーンもたくさんあったし、ポストやクロスバーに3度嫌われました。そんな中、控えのGK・クルルがPK戦で2本止める活躍で勝利に大きく貢献しました。ファンハール監督の交代策がずばり的中。PK要員で出てきた選手が、一夜にしてヒーローとなりましたね。オランダは前回大会に続いてのベスト4入り。ここまで来たからには優勝するしかないはずです。
快進撃が続いていたコスタリカは、ベスト8で終わりましたが、ナバス選手がファインセーブを連発。延長終了間際のウレーニャの個人技が決まっていたら…。今大会はナバスに限らず、ドイツのノイアー、メキシコのオチョア、ブラジルのセザールとGKの活躍ぶりが目立ちますね。
準々決勝4試合も終わり、次は準決勝!第1試合はブラジルVSドイツ(日本時間9日・ベロオリゾンテ)、10日はアルゼンチンVSオランダ戦(10日・サンパウロ)が行われます。2試合とも南米VS欧州の組み合わせ、結果次第では決勝戦は南米対決or欧州同士の対決になることもあり得るでしょう。
ブラジルとドイツがW杯で戦うのは、2002年の日韓大会の決勝以来2回目。ブラジルはネイマールが脊椎骨折で離脱、主将のチアゴシウバが累積警告で出場停止でドイツ戦アウト。攻守の要を欠くブラジルにとって試練の大一番となりそうだ。アルゼンチンとオランダはW杯で4度対戦し、オランダが2勝1敗1分で勝ち越しています。オランダは疲労度高そうだし、アルゼンチンはディマリアの穴がどう影響するのか…。準決勝はどっちも好カードで、どこが勝ち上がってもおかしくないでしょう。こりゃますます楽しみになってきたぁ~!