2014年の3歳ダート王決定戦・第16回ジャパンダートダービー(JpnⅠ・ダート2000m)が9日、東京・大井競馬場で行われました。今年はJRA勢から6頭、地方勢7頭、合わせて13頭の3歳馬が集結。その中でも昨年の全日本2歳優駿覇者で、羽田杯&東京ダービーを制した⑨ハッピースプリントが、「南関東3冠馬」の偉業達成なるか注目されました。JRA勢からは、ダート3連勝中の⑩カゼノコ、兵庫チャンピオンシップ2着の④ランウェイワルツ、2連勝中の⑧フィールザスマート、⑤メイショウパワーズ、⑪マキャヴィティ、⑥ノースショアビーチが参戦。地方勢は東海ダービー馬で目下6連勝中の①ケージーキンカメ(金沢)、兵庫ダービー馬⑬トーコーガイア、九州ダービー栄城賞を勝った⑫オールラウンド(高知)などが出走しました。
単勝オッズは、ハッピースプリントが単勝1番人気(1.4倍)、カゼノコが2番人気(5.1倍)、3番人気ランウェイワルツ(7.9倍)までが10倍以下。4番人気以降はメイショウパワーズ、ノースショアビーチ、フィールザスマートと中央勢が続きました。
正面スタンド前でのスタートは、13頭揃って飛び出し、トーコーガイアが好スタートを切る。先行争いで⑦エスティドゥーラがハナを奪い、ノースショアビーチ、ハッピースプリント、マキャヴィティの3頭が2番手集団で固まり、メイショウパワーズ5番手、ケージーキンカメ中団の位置、カゼノコはしんがりでゴール板を過ぎて行った。
1・2コーナーから向正面に差し掛かり、エスティドゥーラが先頭、ノースショアビーチが単独2番手、ハッピースプリントは3番手につける。4番手集団はメイショウパワーズ、ランウェイワルツ、マキャヴィティの3頭。中団の7番手にフィールザスマート、8番手にトーコーガイア、ケージーキンカメと②ドバイエキスプレス(船橋)が9,10番手で並走。後方は③ワタリキングオー(川崎)、カゼノコ12番手、オールラウンドが最後方という展開。
外回り3コーナーのところで、今度はノースショアが先頭、2番手のハピスプが迫っている。ランウェイ3番手、後方からはガイアとカゼノコも追いかける。4コーナーから最後の直線に入り、ノースショアビーチが内で粘るが、真ん中のハッピースプリントが抜け出しに図る。さらに大外からカゼノコとフィルスマも上がってきた。残り200m~100mでハピスプが先頭に立つが、カゼノコが襲い掛かり、最後は2頭並んでゴールイン!ハッピースプリントが3冠達成か?それともカゼノコが最後の最後に捉えたか?
ジャパンダートダービー 全着順&払戻金
1着⑩カゼノコ 2:03.9(稍重)
2着⑨ハッピースプリント ハナ
3着⑧フィールザスマート 1/2馬身
4着⑥ノースショアビーチ クビ
5着④ランウェイワルツ 1/2馬身
6着②ドバイエキスプレス 5馬身
7着⑪マキャヴィティ 5馬身
8着⑫オールラウンド 4馬身
9着⑤メイショウパワーズ 1馬身1/2
10着⑬トーコーガイア アタマ
11着①ケージーキンカメ クビ
12着⑦エスティドゥーラ 大差
13着③ワタリキングオー 大差
単勝 ⑩ 510円
複勝 ⑩ 130円 ⑧ 100円 ⑧ 200円
枠複(6)-(7) 320円
枠単(7)-(6) 930円
馬複 ⑨-⑩ 350円
馬単 ⑩-⑨ 980円
ワイド ⑨-⑩ 170円 ⑧-⑩ 520円 ⑧-⑨ 270円
3連複 ⑧-⑨-⑩ 820円
3連単 ⑩-⑨-⑧ 4,920円
降りしきる雨の中で行われた今年のジャパンダートダービーは、1番人気・ハッピースプリントと2番人気・カゼノコの叩き合いとなりましたが、写真判定の結果、カゼノコが1着となりました。ハッピースプリントはハナ差の2着に敗れ、南関東3冠達成ならず。一旦先頭に立ったときは「三冠来たか!」と思いましたが、最後に差されてしまいました。久々にダートGⅠで地方馬が勝つチャンスだっただけに、とても残念です。3番人気のランウェイワルツは5着、地方勢はドバイエキスプレスが6着、オールラウンドが8着に入りました。
優勝したカゼノコは、ダート重賞初挑戦でGⅠ初制覇。鞍上の秋山真一郎騎手はダートGⅠ初勝利。管理する野中賢二調教師もGⅠ初勝利となりました。カゼノコはデビュー5戦目まで芝のレースを使い続けるもなかなか勝てず、8戦目にして初勝利をマーク。毎日杯で10着の後、500万下で2勝目、前走の鳳雛ステークスでは中団から追い上げ、逃げるアスカノロマンを捉えて差し切り勝ち。今回のJDDでは、最後方スタートから徐々にポジションを上げ、前走同様鋭い末脚を伸ばして優勝。500万の条件戦から3連勝で3歳ダート王者に上り詰めました。これで通算成績は12戦4勝、ダート戦に限れば6戦4勝。今後もその馬名通り、ダート界に旋風を巻き起こすか注目したい。