連日熱い戦いが続いている「2014 FIFA ブラジルワールドカップ」も佳境に突入。日本時間9日早朝、ベロオリゾンテの「ミネイロン・スタジアム」で、準決勝第1試合・ブラジル代表VSドイツ代表の試合が行われました。地元開催での優勝を狙うブラジルですが、準々決勝のコロンビア戦でエースのネイマールが脊椎を骨折すると、キャプテンのチアゴ・シウバが累積警告2枚で出場停止。攻守の要を欠く状態で大一番を迎えました。対するドイツは、フランス戦では1点を守り切って4大会連続のベスト4進出。W杯で両国が対戦するのは、これが2回目。決勝進出をかけた一戦は、まさかの展開となりました。
両チームのスタメン
[ブラジル代表]
GK 12 ジュリオ・セザール
DF 4 ダビド・ルイス
DF 6 マルセロ
DF 13 ダンテ
DF 23 マイコン
MF 5 フェルナンジーニョ
MF 11 オスカル
MF 17 ルイス・グスタボ
FW 7 フッキ
FW 9 フレッジ
FW 20 ベルナルド
[ドイツ代表]
GK 1 マヌエル・ノイアー
DF 4 ベネディクト・ヘーベデス
DF 5 マッツ・フンメルス
DF 16 フィリップ・ラーム
DF 20 イェロメ・ボアテング
MF 6 サミ・ケディラ
MF 7 バスティアン・シュバインシュタイガー
MF 8 メスト・エジル
MF 18 トニ・クロース
FW 11 ミロスラフ・クローゼ
FW 13 トーマス・ミュラー
ネイマールとチアゴシウバを欠くブラジルは、DFのダンテ、FWベルナルド、MFルイス・グスタボの3人が先発出場。ダビドルイスがゲームキャプテンを務めました。一方のドイツは、フランス戦と同じメンバーで臨みます。
ドイツボールのキックオフで始まったこの試合、前半3分、ブラジルはマルセロがペナルティエリア手前から左足シュートを放ったが、ゴール右に逸れてしまう。ドイツも7分、PA左にいたエジルのクロス→ケディラが狙うも見方に直撃。前半11分、ドイツは右からのCKをクロースがセンタリング→ファーサイドでフリーになっていたミュラーが右足で合わせてゴール!ドイツが早い時間帯で先取点を奪います!
1点をリードしたドイツですが、20分過ぎから怒涛のゴールラッシュ。まず23分、右サイドのパスを受けたクロースが縦パスを入れると、ミュラーのポストプレー→クローゼのシュートはブラジルGK・セザールに防がれたが、こぼれ球をもう一度クローゼが流し込んで2点目。その1分後の24分、右サイド・ラームのグラウンダークロス→ミュラーがスルー→クロースの左足シュートが決まり3点目。さらに26分、クロースが敵陣で相手ボールを奪うと、ケディラの折り返し→クロースが冷静に流し込み4点目。ドイツの勢いは止まりません。29分にもケディラがドリブルで持ち込むと、エジルがラストパス→ケディラのゴールが生まれた。なんと23分から29分までの6分間で4点を追加。前半だけで5-0と大きくリードしました。
開催国として、サッカー王国としての意地を見せたいブラジルは、フェルナンジーニョとフッキを下げ、パウリーニョとラミレスを後半開始から投入。後半7分、ブラジルに反撃のチャンスが生まれ、マルセロ→ラミレスと繋いで、オスカルがシュートを放つも、ドイツGK・ノイアーに防がれる。さらに後半8分、味方の縦パスをに反応したパウリーニョのシュートはノイアーに阻まれ、こぼれ球をもう一度パウリーニョが狙うも、またもノイアーの正面。
ドイツは後半14分、クローゼに代えてシュールレを投入。後半16分、ノイアーがPA手前から左足ミドルを放ったが、セザールのファインセーブの前にノーゴール。後半24分、右サイドでケディラ→ラーム→最後はシュールレのワンタッチゴールで6点目。ブラジルを突き放します。ドイツの流れるような攻撃にブラジル守備陣も立ち尽くすしかなかった。後半34分、左サイドでミュラーがクロスを上げると→シュールレがDFラインの裏へ抜け出してから、左足でゴールネットを揺らして7点目。さらにリードを拡げた。
1点も取り返せないままでは終われないブラジルは、後半終了間際にオスカルがPA内でDF1人をかわしたあと、右足シュートを決め、ようやく1点を返したが、これが精一杯でした。試合は7-1でドイツの大勝に終わりました。
事実上の決勝戦とも言われていた「ブラジルVSドイツ」の試合は、黄金カードに相応しい名勝負になるかと思われましたが、信じられない結果となりました。ドイツが驚異のゴールラッシュで、ブラジルの地元優勝の夢を打ち砕き、3大会ぶりの決勝進出を果たしました。前半に5点を奪って勝負を決定付けると、後半は2点を加え、終わってみれば7得点。守護神・ノイアーを中心とした守備陣も安定し、ブラジルの反撃を1点に抑えました。先制シーンは会場からブラジルサポーターの悲鳴が上がりましたが、その後は沈黙が続き、大人も子供も大泣きしてしまいました…。リアルタイムで見ていた私も、「こんな弱いブラジルを見たのは初めてだ…」とショックを受けてしまいました。本当に悲劇を通り越して大惨事でした。
完全アウェーの中で圧勝したドイツは、先制点を決めたミュラーが今大会5得点目で得点ランキング単独2位に浮上。2点目を挙げたクローゼ選手は、W杯通算16ゴール目を挙げ、元ブラジル代表のエース・ロナウドが持っていた15得点を抜いて歴代1位に躍り出ました。ガーナ戦でロナウド氏の記録に並び、この一番で新記録を樹立させるのは運命を感じます。クローゼはやはり大舞台に強い!正しくドイツのレジェンドです。他にもクロースも先制点をアシストしたり、2分間で2得点。途中出場のシュールレも2得点の大活躍を見せました。ドイツはチームが上手くまとまってるし、安定した強さがある。24年ぶりのW杯優勝も夢ではありません。
ホームで歴史的惨敗を喫したブラジルは、やはりネイマール&チアゴシウバの不在がモロに響きました。はっきり言って負けすぎです!6分間で4失点されるのはひどすぎます。先制されたときも、みんなニアサイドに固まっていて、誰もミュラーについてない。4失点目のときはフェルナンジーニョがボールを取られてからでした。最後の失点のときもシュールレに抜け出されましたね。攻撃陣もフッキやフレッジも使えない、オスカルが意地の1点を返すも遅すぎた。自国開催での優勝が無くなったブラジル、3位決定戦でサッカー王国の意地を見せたいところだが、大敗のショックから立ち直るには時間がかかりそうだ。
日本時間10日早朝は、準決勝第2試合・オランダVSメキシコ戦が行われます。オランダとアルゼンチンはここまで全勝をキープ。オランダはファンペルシーが試合直前に腹痛を起こし、アルゼンチンはベルギー戦で負傷したディマリアの欠場が決定しています。オランダが勝てば2大会連続決勝進出、南米最後の砦となったアルゼンチンは24年ぶりの決勝進出がかかっています。もし「ドイツVSオランダ」だと南米開催で初のヨーロッパ対決、「ドイツVSアルゼンチン」だと、1990年イタリア大会の決勝の再現となります。注目の一戦は午前5時キックオフ!