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憲法記念日の5月3日は、京都競馬場で春の最強馬決定戦、第151回天皇賞・春(GⅠ・芝3200m 17頭立て)が行われました。骨折から復帰後2連敗中の⑬キズナ、3度目の春天挑戦①ゴールドシップ、重賞2連勝中の⑰アドマイヤデウス、昨年の菊花賞で2着⑮サウンズオブアース、GⅠタイトルが欲しい④ラストインパクト、さらには昨年の2着馬⑯ウインバリアシオン、3着馬⑥ホッコーブレーヴ、⑫デニムアンドルビー・⑪フーラブライド・⑦トーセンアルニカの牝馬3頭も参戦しました。
単勝の人気は、1番人気がキズナで3.3倍、ゴールドシップが2番人気(4.6倍)、3番人気アドマイヤデウス(5.4倍)、4番人気のサウンズオブアース(6.2倍)までが10倍以下。5番人気以降はラストインパクト、ウインバリアシオン、⑭フェイムゲーム、⑩ラブリーデイ、デニムアンドルビーと続きました。
スタートで⑨クリールカイザーがポンと飛び出し、ゴールドシップとキズナはすぐに後方に下げる。1周目向正面~3コーナーに向かい、クリールカイザーが果敢に行き、2番手⑧スズカデヴィアス、3番手に②カレンミロティック、4番手⑤タマモベストプレイ、5番手ラブリーデイ、6~10番手グループにサウンズオブアース・ホッコーブレーヴ・ウインバリアシオン・③ネオブラックダイヤ・フェイムゲームと固まる。11番手トーセンアルニカ、12番手フーラブライド、アドマイヤデウスは13番手から、14番手ラストインパクト、15番手デニムアンドルビー、キズナは後方2番手、ゴールドシップは最後方を進む。
縦長の状態で正面スタンド前に入り、先頭のクリールカイザーは前半1000mを61秒4で通過。ラブリーデイが4番手になり、アドマイヤデウスがジワッと中団より前まで押し上げ、サウンズオブアース中団待機。ゴールドシップがキズナをかわし、キズナは最後方でスタンド前を通過した。
1,2コーナーを過ぎで2周目の向正面に差し掛かり、クリカイがレースを引っ張り、ミロティックとデヴィアスが2,3番手キープ。ラブリー4番手、ベストプレイ5番手、その後ろの6番手のデウスは折り合いがついていないが大丈夫か?その内側の7番手にサウンズがいる。8~9番手はホコブレ・フェイム・ヴァリアシオンの3頭が固まっている。向正面中ほどのところで、後方にいたゴルシが早くも動き始める!横山典弘がムチを入れ、一気に3,4番手まで浮上。後ろではキズナも徐々にであるが前の馬をかわし、12番手まで上げた。その後ろはフーラ、ブラックダイヤ、デニム、ラスイン、最後方にアルニカという展開。
外回り3コーナーに差し掛かり、クリールカイザーがまだ先頭、ゴールドシップは4番手になり、アドマイヤデウスとサウンズオブアースは中団馬群、後方に控えるキズナはいつものように大外に出した。今度こそ爆発するか?ウインバリアシオンも連れて上昇。
4コーナーのところで今度はカレンミロティックが先頭。最後の直線で2番手以降を引き離しに掛かる。蛯名正義3連覇もあるぞ?2番手からゴールドシップが追いかけ、内からラストインパクト、真ん中からホッコーブレーヴとサウンズも来た。キズナも上がるが苦しそう。ラスト100mでゴルシが粘るミロティックを捉えるが、大外からフェイムゲームが強襲して最後は2頭ほぼ並んでゴールイン!見た目は微妙だったが、ゴール板前の映像でゴールドシップが先着!フェイムはあと一歩届きませんでした…。
天皇賞(春) 全着順&払戻金
1着①ゴールドシップ 3分14秒7
2着⑭フェイムゲーム クビ
3着②カレンミロティック 3/4馬身
4着④ラストインパクト クビ
5着③ネオブラックダイヤ 1/2馬身
6着⑥ホッコーブレーヴ ハナ
7着⑬キズナ 1馬身1/4
8着⑩ラブリーデイ クビ
9着⑮サウンズオブアース 1馬身
10着⑫デニムアンドルビー 1馬身1/4
11着⑪フーラブライド クビ
12着⑯ウインバリアシオン 3/4馬身
13着⑦トーセンアルニカ 3馬身
14着⑤タマモベストプレイ 1/2馬身
15着⑰アドマイヤデウス 7馬身
16着⑨クリールカイザー 2馬身
17着⑧スズカデヴィアス クビ
単勝 ① 460円
複勝 ① 260円 ⑭ 630円 ② 610円
枠連 [1]-[7] 690円
馬連 ①-⑭ 6,060円
馬単 ①-⑭ 8,480円
ワイド ①-⑭ 2,300円 ①-② 2,460円 ②-⑭ 6,010円
3連複 ①-②-⑭ 57,160円
3連単 ①-⑭-② 236,300円
伝統の長距離戦・春の天皇賞は、単勝2番人気のゴールドシップが優勝。2周目向正面で早めに仕掛けて4番手まで順位を上げ、直線残り100mで前を行くカレンミロティックをかわし、フェイムゲームの追撃をクビ差抑えました。2着だったフェイムゲームは最後の最後に逆転かと思われましたが、惜しかったなあ。3400mのダイヤモンドステークスを連覇した実力は伊達ではありませんな。3着のカレンミロティックは直線抜け出したときは、「もしかしたら…」という感じもありました。
1番人気だったキズナは直線伸びきれず7着…。昨年の4着から成績を下げてしまいました。やっぱり距離が長すぎでしょう。京都記念3着、大阪杯で2着と連敗し、「背水の陣」で臨んだはずが、掲示板を外す結果に。走るたびに評価を落としているので、凱旋門賞も正直白紙撤回でしょう。厳しい事を言わせてもらえば、もうキズナも終わりなのかも。
3番人気のアドマイヤデウスは、道中掛かり過ぎて15着と大敗。岩田康誠騎手が必死に手綱を引っ張ってましたね…。個人的には連勝中の勢いを評価して本命にしていたんですが…。なお、12着のウインバリアシオンは、ゴール直後に福永祐一騎手が下馬。左前脚の浅屈腱炎不全断裂で競走能力喪失となりました。
優勝したゴールドシップは、昨年の宝塚記念に次いでGⅠ6勝目。オルフェーヴル、ジェンティルドンナ、ブエナビスタに並びました。鞍上の横山典弘騎手は、10年ぶりの春天制覇で、同レース3勝目。須貝尚介調教師は、春天初勝利。かつては同厩舎のジャスタウェイが2013年の秋天を勝っています。また、ステイゴールド産駒は同レース初制覇です。
ゴールドシップはこれまで2度挑戦し、一昨年は1番人気になりながらも5着に敗れ、昨年はゲート内で暴れたことが影響して7着と見せ場がありませんでした。今年はゲート入りに時間が掛かり、後ろ向きで歩いたり、ゲート前で立ち止まったり、最後は目隠しされた状態でゲートイン。ゴルシが入った瞬間、スタンドからも拍手が沸き起こりました。その場面を見て「今年もダメなんじゃねえか?」と思った方もいたことでしょう。それでも2周目の3コーナー前から追い出し始め、勝っちゃいました。そんなゴルシは、次の宝塚記念で3連覇に挑みます。勝てばJRA史上初の同一GⅠ3連覇、歴代最多タイの7勝目となります。「白い不沈艦」ゴールドシップの挑戦はまだまだ終わりません。
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