今週から秋のGⅠシリーズが開幕!その第1弾となる4日は、中山競馬場で秋の最速王決定戦・第49回スプリンターズステークス(GⅠ・芝1200m)が行われました。当初はフルゲート16頭立ての予定でしたが、⑩マジンプロスパーが出走取消のため(屈腱炎)、15頭立てで争われることに。サマースプリントシリーズ覇者⑦ベルカント、スプリント路線で開花した⑫ウリウリ、春のヴィクトリアマイルを勝った②ストレイトガール、3年連続出走⑧ハクサンムーン、2014年の高松宮記念を勝った⑮コパノリチャード、今年の高松宮記念で3着だった⑬ミッキーアイル、さらにはセントウルステークスで先輩牝馬を撃破した3歳馬⑨アクティブミノル、函館スプリントステークスを勝った⑯ティーハーフ、キーンランドカップを制した⑥ウキヨノカゼ、香港馬①リッチタペストリーなどが参戦しました。
単勝のオッズは、ストレイトガールが4.4倍で1番人気、ベルカントが4.6倍で2番人気、3番人気はウリウリで5.0倍。4番人気のミッキーアイル(6.5倍)までが10倍以下。5番人気以降は、ハクサンムーン、リッチタペストリー、ティーハーフ、アクティブミノル、ウキヨノカゼと続きました。
スタートは16頭綺麗に揃い、その中でもミッキーアイルが好スタートを切る。先行争いでアクティブミノルとベルカントがダッシュをつけるが、ハクサンムーンが2頭をかわして先手を奪う。スピリッツミノルが2番手につけ、ミッキーアイルは3番手だが、掛かり気味だ。ベルカントは4番手に下げ、④サクラゴスペル5番手。6番手集団にはリッチタペストリー・⑪レッドオーヴァル・ストレイトガールの3頭が固まっている。中団の9番手にコパノリチャード、10番手③リトルゲルダ、その後ろの11番手にウリウリ、内側には⑤スギノエンデバーがいる。後方はウキヨノカゼ、ティーハーフ、⑭フラアンジェリコと続く。
3,4コーナー中間点を過ぎ、先頭のハクサンは前半600mを34秒0で通過したが、アクティブとアイルがハクサンに追いつく。しかし、4コーナー手前でアイルはまた3番手に下がる。ベルカントはまだ4番手、その外側にオーヴァルが浮上。ストガーとウリウリは中団馬群のまま。最後の直線に入り、ハクサンムーンとアクティブミノルが競り合うと、ミッキーアイルは外から接近。後続からはサクラゴスペルとレッドオーヴァル、ウリウリ、ストレイトガール、ウキヨノカゼが追い込む。その一方でベルカントはズルズルと後退…。ゴール残り100mでアイルが前に出るが、馬群の中からタペストリーが突っ込み、ゴスペルとストガーも襲い掛かり、ゴール前でストレイトガールが抜け出してゴールイン!マイル女王ストレイトガール、念願のスプリントGⅠ勝利です!
スプリンターズステークス 全着順&払戻金
1着②ストレイトガール 1分08秒1
2着④サクラゴスペル 3/4馬身
3着⑥ウキヨノカゼ クビ
4着⑬ミッキーアイル アタマ
5着⑫ウリウリ クビ
6着①リッチタペストリー アタマ
7着⑪レッドオーヴァル 1/2馬身
8着⑤スギノエンデバー 1馬身1/2
9着⑨アクティブミノル クビ
10着⑯ティーハーフ 1/2馬身
11着③リトルゲルダ ハナ
12着⑧ハクサンムーン クビ
13着⑦ベルカント クビ
13着⑮コパノリチャード 同着
15着⑭フラアンジェリコ 1馬身3/4
取消⑩マジンプロスパー
単勝 ② 440円
複勝 ② 180円 ④ 610円 ⑤ 490円
枠連 [1]-[2] 3,170円
馬連 ②-④ 5,550円
馬単 ②-④ 9,090円
ワイド ②-④ 1,650円 ②-⑥ 1,520円 ④-⑥ 4,280円
3連複 ②-④-⑥ 23,020円
3連単 ②-④-⑥ 106,170円
秋のスプリント王を決める一戦は、ゴール前で大混戦となりましたが、1番人気のストレイトガールが差し切って優勝しました。2着には11番人気のサクラゴスペル、3着に9番人気・ウキヨノカゼが入り、3連単で10万6170円の高配当がつきました。4番人気のミッキーアイルは一旦は先頭に立ったものの、ゴール前でかわされて4着。3番人気のウリウリは後方から脚を伸ばすも5着まで。香港から参戦したリッチタペストリーも伸ばしたけど、6着でした。2番人気・ベルカントは直線で馬群に沈み13着。アイビスサマーダッシュと北九州記念は平坦な馬場で快勝したけど、坂のある馬場では厳しかったか…。
優勝タイムは1分08秒1ですが、スプリント戦にしてはスローな決着。その前に行われた中山10Rの勝浦特別でキャレモンショコラが出した「1分08秒0」より下回りました。GⅠ競走なのに1000万下の条件戦より時計が遅いということは、スプリント戦線のレベルの低さを感じます。
優勝したストレイトガールは、今年5月のヴィクトリアマイルに次いでGⅠ2勝目。スプリントとマイルのGⅠ制覇は史上7頭目。過去にはストガーの祖父・タイキシャトルも97年のマイルCSとスプリンターズSを勝っています。鞍上の戸崎圭太騎手、管理する藤原英昭調教師は同レース初勝利です。
ストレイトガールは1200m戦で通算8勝を挙げていますが、GⅠはこれまで4度挑戦し、2014年の宮記念で3着、昨年のスプリンターズで2着、香港スプリントで3着と、あと一歩のところで勝利を逃しました。今回はスプリントGⅠ5度目の挑戦であるとともに、日本国内での最後のレース。道中は中団の位置につけ、最後の直線で一瞬の切れ味を発揮し、念願のスプリントGⅠのタイトルを手にしました。この勝利で「最優秀短距離馬」はほぼ確実、「最優秀4歳以上牝馬」争いでも一歩リードといったところか。国内で有終の美を飾ったストガーは、次走の香港スプリントで現役ラストランに臨みます。
来週からは東京と京都開催が開幕。11日は東京競馬場で毎日王冠、12日・体育の日は京都競馬場で京都大賞典が行われます。
毎日王冠はGⅠ級の豪華メンバーが揃い踏み。昨年の皐月賞馬・イスラボニータ、オーストラリアGⅠを勝ったリアルインパクト、昨年の天皇賞馬・スピルバーグ、3歳馬・アンビシャス、エプソムカップで逃げ切り勝ちを収めたエイシンヒカリ、札幌記念を勝ったディサイファ、安田記念2着・ヴァンセンヌ、七夕賞で復活勝利を挙げたグランデッツァなどが登録しています。
京都大賞典の方は、宝塚記念馬・ラブリーデイが秋初戦に挑み、昨年のダービー馬・ワンアンドオンリー、ラキシス、サウンズオブアース、カレンミロティックも参戦予定。東西のスーパーGⅡがどんな結果になるのかとても楽しみです。