プロ野球の日本一を決める「2015 SMBC日本シリーズ」が24日に開幕。今年の対戦カードは、2年連続日本一を狙う福岡ソフトバンクホークスと、14年ぶりの日本シリーズ出場となる東京ヤクルトスワローズが激突。強力打線と磐石の中継ぎ陣を擁する両チームなだけに、第7戦まで縺れ込む可能性もあります。ホークスの本拠地・福岡ヤフオクドームで行われた24日の第1戦、先に白星を挙げたのはどちらなのか?
両チームのスタメン
ソフトバンク 東京ヤクルト
1(左)川島慶三 (左)比屋根渉
2(二)明石健志 (三)川端慎吾
3(中)柳田悠岐 (二)山田哲人
4(指)李大浩 (一)畠山和洋
5(三)松田宣浩 (右)雄平
6(右)中村晃 (指)バレンティン
7(一)吉村裕基 (遊)大引啓次
8(遊)今宮健太 (中)上田剛史
9(捕)谷裕亮 (捕)中村悠平
(投)武田翔太 (投)石川雅規
決戦前にホークスに緊急事態発生。レギュラーシーズン開幕時から不動の4番を務めていた内川聖一選手が、左第7,8肋骨骨折により欠場決定。内川を欠いたホークスは、昨季途中にヤクルトから移籍した川島が1番レフトに入り、イデホが4番に座り、松田が5番、中村晃が6番に座ることに。第1戦の先発ピッチャーは、ソフトバンクは今季13勝を挙げた武田翔太、ヤクルトは左のエース・石川雅規が登板しました。
1回、ホークス先発・武田が1死から川端にセンター前ヒットを浴びると、2死後に4番・畠山にライト前ヒットを打たれ、2死1,3塁のピンチを招きます。しかし、雄平を2塁ゴロに打ち取り、立ち上がりのピンチを0点に抑えます。
ホークスはその裏、川島と明石の1,2番が倒れて2死となった後、柳田がヤクルト先発・石川からレフト前ヒット、続くイデホがライト線への2塁打を放つ。さらに松田が四球を選び、2死満塁と先制のチャンスを作ったんですが、中村晃が遊撃ゴロに倒れて3者残塁。先制点を奪うことができません。
初回にヒット2本を許した武田は、2回は10球で3者凡退に抑えると、3回は1番・比屋根に四球を与えますが、川端を2塁ゴロ併殺打に仕留めます。4回、この回の先頭打者・山田に高めのスライダー右中間へ弾き返され、打球は大きく伸びてホームランかと思われたが、中堅手・柳田がフェンス手前でキャッチ。その後、畠山を三振に切り取ると、雄平もレフトフライに退け、ヤクルトのクリーンナップを3者凡退に封じました。
ホークス打線は2回と3回もヤクルト・石川の前に無得点。4回裏、イデホが倒れて1死の後、松田が石川の4球目のシンカーを振り抜く!左中間への大きな打球は、スタンドへと吸い込まれた!松田のソロホームランでホークスがまず1点を先制!
ようやく石川を打ち砕いたホークス打線は、中村晃のレフト前ヒット、吉村の3塁内野安打で1,2塁の後、今宮がセンター前ヒット。2塁から中村晃が本塁を突いたが、ヤクルト中堅手・上田の好返球&キャッチャー・中村悠のブロックに阻まれて本塁アウト。キャッチャーがボールをこぼすシーンがあったが、判定は覆らず。2死1,3塁に変わり、9番・高谷が低めの球を叩き、3塁への当たり損ねの打球はそのままフェアゾーンに残り内野安打。3塁走者・吉村が生還し、ホークスがラッキーな形で追加点を奪う。なおもランナー2人置いて、1番・川島がセンター前へのタイムリーヒットを放ち3点目!松田の先制弾から打線が繋がったホークス、6連打で3点を奪い、ヤクルト先発・石川をノックアウトしました。
さらに追加点が欲しいホークスは6回、先頭の今宮がレフト前ヒットで出塁、続く高谷が送りバントでつなぎます。川島三振で2死後、2番・明石がヤクルト3番手・中澤雅人からレフトオーバーのタイムリー2塁打。これで4-0とヤクルトを突き放します。7回には2死から代打・長谷川勇也の内野安打、今宮の死球で満塁のチャンスを得るも、高谷が倒れて無得点に終わりました。
武田は中盤以降もヤクルト打線を寄せ付けず。5,6,7回も3者凡退に抑え、2回から7回までノーヒットに抑えます。8回、1死から大引に2塁への内野安打を許しますが、後続を打ち取り得点を与えず。8回まで投げて無失点の快投。
9回、完封をかけてマウンドに上がる。1死から味方のエラーでランナーを背負ったが、山田をライトフライに打ち取り2アウト。完封まであと1人。しかし、4番・畠山にストレートを打ち返され、レフトホームランテラスへの2ラン本塁打を浴びてしまう…。最後の最後に2点を失い完封を逃した武田だったが、次の雄平を2塁ゴロに打ち取りゲームセット。日本シリーズ第1戦は、ホークスが4-2で勝利しました。
SMBC日本シリーズ 2015年10月24日 (土)
ソフトバンクVSヤクルト 第1戦
(ソフトバンク1勝 ◇ヤフオクドーム◇観衆35,732人)
YS 000 000 002 2
SH 000 301 00X 4
勝利投手 [ソ] 武田(1勝)
敗戦投手 [ヤ] 石川(1敗)
本塁打 [ヤ] 畠山 1号(9回表2ラン)
[ソ] 松田 1号(4回裏ソロ)
日本シリーズ初戦は、武田投手と石川投手が3回まで無失点に抑えていたので、投手戦になるのかなと思われました。しかし、4回にホークスが松田選手の先制ソロホームランなど6連打で3点を挙げると、6回には明石選手のタイムリー2塁打が飛び出しました。ホークスはこの試合、ヤクルト投手陣から15本のヒットを放ち、先発全員安打をマークしました。投げては武田投手が9回2失点の完投勝ちを収めました。投打でヤクルトを上回ったホークス、日本シリーズ連覇へ上々のスタートを切りました。キャプテン内川選手が不在でも、やっぱりホークスは強いです。このあとの試合も、内川選手の分まで頑張ってほしいです!
先発の武田投手は、9回まで120球を投げ、被安打4・1奪三振・1四死球・2失点という内容。初回に2本のヒットを浴びながらもゼロに抑え、2回以降は強力なストレートと落ちるカーブを武器に強力ヤクルト打線を翻弄し、打たせて取るピッチングで凡打の山を築きました。要注意人物の山田選手とバレンティン選手を無安打に抑えたのはよかったけど、畠山選手に完封目前のところで一発を貰ったのは正直もったいなかったなあ。クライマックスシリーズでは5回途中で降板し、先発の役目を果たせませんでしたが、この日はエースの風格を漂わせる快投でした。武田投手は昨年の日シリでも勝ち投手となり、2年連続での白星ゲットです。
先発全員安打で15安打の打線は、ヒーローに選ばれた松田選手が本塁打を含む2安打1打点、イデホ選手は3安打の猛打賞。松田選手はCSでは3試合でヒット1本しか打てませんでしたが、この初戦でチームに勢いをもたらす一打を放ちました。ちなみに松田選手、日本シリーズは今回で3度目の出場ですが、ホームランを打ったのは初めてです。今宮選手は打っては2安打、守備でも3回にファインプレーが2度もありました。古巣相手に燃えていた川島選手もタイムリーヒットを放ち、内川選手の穴を埋める活躍をみせました。
ホークス先勝で迎える25日の第2戦、先発予想はソフトバンクが「無敗男」のバンデンハーク投手、ヤクルトは「和製ライアン」こと小川泰弘投手が登板すると思われます。バンデンハーク投手はヤクルトとは初対戦、本拠地・ヤフオクドームでは7戦5勝(CS含む)と相性抜群。ホークス打線は5月の交流戦で小川投手と一度対戦し、4本塁打・7得点で小川投手をKOしております。ホーム・ヤフオクドームで連勝して、良い形でアウェー・神宮球場での3連戦を迎えられることを期待したい。