自然科学・物理学・化学・文学など様々な分野で功績を残した人物を表彰する「ノーベル賞」で、日本人受賞者が続出しています。5日には北里大学の特別栄誉教授である大村智さんが「生理学・医学賞」を受賞。さらに6日、今度は東京大宇宙線研究所長を務める梶田隆章さんが「物理学賞」に選ばれました。
「生理学・物理学賞」は、大村教授のほかに、アイルランド人のウィリアム・キャンベル氏、「アルテミシニン」という化合物を発見し、マラリアの死亡率低下に大きく貢献した中国人研究者・屠呦呦(ト・ユウユウ)氏が受賞。共同受賞となった大村氏とキャンベル氏は、寄生虫が引き起こす感染症(オンコセルカ症)の予防薬「イベルメクチン」を開発。アフリカや中南米などで約10億人に無償提供し、多くの失明の危機を救ったことが評価されました。
「オンコセルカ症」とは、河川盲目症とも呼ばれていて、回旋糸状虫という寄生虫によってかかる病気で、ブユ(黒バエ)に刺される事で感染し、線虫の幼虫が目に入すると、激しいかゆみ、もしくは失明を引き起こします。
一方、「ノーベル物理学賞」は、梶田隆章さんとカナダ人のアーサー・マクドナルド氏の2人が受賞。梶田さんは、素粒子「ニュートリノ」を観測する装置「スーパーカミオカンデ」で、質量がないと言われていたニュートリノに質量があったことを世界で初めて発見しました。
梶田さんは埼玉県東松山市出身で、川越高校から埼玉大学に進み、東京大学大学院で小柴昌俊教授(2002年物理学賞受賞者)に師事を受けました。1999年に東京大学宇宙線研究所の教授に就任すると、2008年から所長を務めています。
ノーベル物理学賞で日本人が受賞したのは、「青色発光ダイオード」を発明した赤崎勇さん・天野浩さん・中村修二さんに次いで2年連続の快挙となります。
前日は大村さんのノーべル生理学・医学賞受賞に日本中が沸きましたが、今度は梶田さんが物理学賞を受賞。梶田さんに至っては、埼玉出身では初めてのノーベル賞受賞者ですよ。本当に同じ埼玉県民として嬉しいですね。2002年に恩師の小柴さんが取り、それから13年後に教え子がノーベル賞を獲得。師弟で受賞するなんて凄いの一言しか言えません。
これで日本人のノーベル賞受賞者は24人となりました。今後は「ノルウェイの森」、「海辺のカフカ」、「1Q84」でしられる村上春樹さんが「ノーベル文学賞」を受賞できるかが注目されます。毎年候補に挙げられながらも落選続き、今年こそ村上春樹氏、ならびにハルキスト(村上春樹ファンの通称)の願いが届くでしょうか?