リオデジャネイロ五輪開幕まで残り35日となった7月1日、男子サッカーのU-23日本代表(手倉森ジャパン)のメンバー18人が発表されました。1968年のメキシコ五輪以来、48年ぶりのメダル獲得へ、23歳以下の15名+「オーバーエイジ枠」の3名は誰が選出されたのか?
代表メンバーは次の通り。
▽GK
櫛引政敏(鹿島) 中村航輔(柏)
▽DF
藤春廣輝(G大阪) 塩谷司(広島)
亀川諒史(福岡) 室屋成(FC東京)
岩波拓也(神戸) 植田直通(鹿島)
▽MF
大島僚太(川崎F) 遠藤航(浦和)
原川力(川崎F) 矢島慎也(岡山)
中島翔哉(FC東京) 南野拓実(ザルツブルク)
井手口陽介(G大阪)
▽FW
興梠慎三(浦和)
久保裕也(ヤングボーイズ) 浅野拓磨(広島)
今年1月の「U-23アジア選手権」の優勝メンバーが多く選出され、「オーバーエイジ枠」には、ガンバ大阪のDF藤春選手、サンフレッチェ広島のDF塩谷選手、浦和レッズのFW興梠選手の3名が選ばれました。GKには正GKの櫛引選手と中村航輔選手の2人、DFは植田選手ら6人、MFはキャプテン・遠藤選手ら7人、FWは3選手。
また、バックアップメンバーとトレーニングパートナーも同時に発表され、手倉森ジャパンの中心選手だった鈴木選手と野津田選手が18人の枠から漏れて、バックアップに回ることに。練習に帯同する「トレーニングパートナー」には、桐光学園のエースだった小川選手らを選出。
バックアップメンバー
GK杉本大地(徳島)
DF中谷進之介(柏)
MF野津田岳人(新潟)
FW鈴木武蔵(新潟)
トレーニングパートナー
GK杉本大地(徳島)
DF小島雅也(仙台)
MF渡辺皓太(東京Vユース)
MF冨安健洋(福岡)
FW小川航基(磐田)
W杯のようにサプライズ選出があるのかなと思われましたが、今大会はサプライズも無く、順当通りの発表となりましたね。久保選手と南野選手の海外組もいて、オーバーエイジも3人、中島選手や室屋選手といった「負傷者組」も入りました。落選した鈴木選手は、南アフリカとの強化試合でアピールできなかったのが痛かったかな…。
手倉森誠監督は記者会見で「15連勝してメダルを取る。1番上のメダルを目指してやりたい」と金メダル獲得を目標に掲げました。U-23アジア選手権の1次予選で3連勝+グループリーグ3連勝+決勝トーナメント3連勝と、ここまで9連勝中。五輪ではグループリーグ3試合+決勝トーナメント3試合と最大で6試合あり、全勝すれば金メダル獲得できるのですが…。
「リオ五輪は厳しい」と言われながらも、ドーハでの「U-23アジア選手権」では、日替わりでヒーローが続々と生まれ、「手倉森マジック」で本大会出場どころか、決勝で宿敵・韓国を破って優勝。五輪ではナイジェリア、スウェーデン、コロンビアと強豪揃いのグループに入ったので、苦戦必至でしょう。初戦で勝ち点3を獲得したら、グループリーグ突破できるかもしれません…。リオでもミラクル連発の快進撃を期待したいと思います。
さて、この日はリオ五輪の日本選手団の主将と、開会式の旗手も発表され、主将には女子レスリングの吉田沙保里選手、旗手には陸上男子10種競技の右代啓祐選手に決定しました。
吉田選手はアテネ、北京、ロンドンと3大会連続で金メダルを獲得し、今回のリオ五輪で4大会連続の金メダル獲得に挑戦します。旗手を務める右代選手は、10種競技の日本記録保持者(8308点)で、2014年の仁川アジア大会で金メダルを獲得。右代選手にとって今回が2度目の五輪出場となります。
かつては、1994年リレハンメル五輪で橋本聖子さん、2006年トリノ五輪で岡崎朋美さんが日本選手団の主将を務めましたが、夏季五輪で女性選手が主将を務めるのは吉田選手が初めてとなります。五輪での実績も十分あるし、主将として適任ではないかと思います。
日本選手団主将に選ばれて気合満点の吉田選手ですが、少し不安な点が…。「五輪選手団主将は苦戦する」というジンクスがあり、バルセロナ五輪で主将だった古賀稔彦選手が柔道71キロ級で金メダルを獲得したのを最後に、96年のアトランタ五輪から5大会連続でメダルを取れていません。前回のロンドンで主将を務めた村上幸史選手も、男子やり投げに出場して予選落ちに終わっています。吉田選手は選手団主将の重圧と、不吉なジンクスをを跳ね除けて五輪4連覇の偉業を達成できるでしょうか?