リオデジャネイロ五輪開幕まで約2週間に迫りましたが、ここに来て大問題が起きています。ロシアが国家ぐるみで「組織的ドーピング」の疑惑が浮上し、ロシア選手団がリオ五輪に参加できなくなる可能性が出てきました。そんな中で迎えた21日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が、陸上競技のロシア代表チームの参加を認めないという判決が下され、陸上チームのリオ五輪出場が消滅となりました。
この裁判は、国際陸上競技連盟(IAAF)から国際大会に出場できないことに不服とした68人の選手たちが、「処分を取り消して、五輪に出られるようにして欲しい」とCASに申請。しかし、CASが「ロシア陸連は資格停止中だから」とロシア側の訴えを却下し、国際陸連の決定を支持しました。
今回の結果を受け、女子棒高跳びの世界記録保持者であるエレーナ・イシンバエワ選手がSNSで「陸上競技を葬り去った」とCASを痛烈に批判。「わたし達がいないところで、ニセの金メダルを取ればいい」と綴りました。
今回、スポーツ仲裁裁判所に申請した選手は、リオ五輪でもメダル獲得が期待される選手がほとんどで、その人たちは禁止薬物に手を出していないかもしれません。特にイシンバエワ選手に至ってはリオ五輪に出られなかったら引退すると公言していたので、このままだと現役引退が確実になるかも…。
ちなみに、女子走り幅跳びのダリア・クリシナ選手は、アメリカを活動拠点としているとして、「個人資格」での五輪出場が認められております。
また、ロシア不参加により、男子1600mリレーで「補欠1番手」だった日本チームが、繰り上がりで出場権を得られることか確実になりました。
ロシアのドーピング問題は、今月18日に世界アンチドーピング機構(WADA)が2014年のソチ五輪でロシアが国家ぐるみでの組織的ドーピング違反を認めたことがきっかけ。モスクワ反ドーピングセンター内で、全ての競技に及ぶ選手の尿が入った検体を、別のものにすり替えるという隠蔽工作をおこなっていたことや、FSB(ロシア連邦保安庁)が関与していたことも明らかになりました。
WADAの調査によると、ソチ五輪だけでなく、2012年のロンドン五輪、2013年のモスクワ世界陸上、2015年のカザンでの水泳世界選手権でも不正が行われていたということです。
国が主導してドーピング違反を実施していたという事実を知ったときは、「なんて汚い国するんだ」と思いました。初めの頃はロシア陸連での問題だけかと思いましたが、かなり深刻な問題になりましたね。女子テニスのマリア・シャラポワ選手もドーピングに引っかかって、リオ五輪に行けないところか、2年間も出場停止を受けました。違反を逃れるために検体をすり替えるという、ロシアのやり方は悪質で、犯罪レベルですよ。
国際オリンピック委員会(IOC)は24日に緊急理事会を開き、ロシアのリオ五輪参加可否を決めるとのこと。このままでは陸上競技と同様に、全ての競技から締め出される可能性もありそうです。ロシア選手団はリオの地を踏めるのか?