


第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会の決勝戦・鹿島アントラーズVS川崎フロンターレ戦がが1日、市立吹田サッカースタジアムで行われました。元日恒例である天皇杯の決勝戦が大阪府内で開催されるのは実に56年ぶりです。鹿島はJリーグ年間王者との年間2冠に王手。念願の初タイトル獲得まであと1勝の川崎は、この試合が最後となる風間八宏監督が有終の美を飾れるか?
両チームのスタメン
[鹿島アントラーズ]
GK 21 曽ヶ端準
DF 22 西大伍
DF 23 植田直通
DF 3 昌子源
DF 16 山本脩斗
MF 6 永木亮太
MF 40 小笠原満男
MF 25 遠藤康
MF 10 柴崎岳
FW 8 土居聖真
FW 18 赤崎秀平
[川崎フロンターレ]
GK 1 チョン・ソンリョン
DF 6 田坂祐介
DF 5 谷口彰悟
DF 23 エドゥアルド
DF 20 車屋紳太郎
MF 10 大島僚太
MF 14 中村憲剛
MF 18 エウシーニョ
MF 2 登里享平
FW 11 小林悠
FW 13 大久保嘉人
鹿島はエースの金崎夢生が欠場。川崎は大島が先発復帰。
序盤は川崎が主導権を握ります。前半13分、大久保が小林とのワンツーから抜け出し、ふわりと浮かせるようなシュートを放ったが、鹿島GK曽ヶ端に片手でセーブされます。18分、セカンドボールを拾った登里の縦パス→エウシーニョのヒールパス→小林の右足シュートはGKの正面。決定的だったがゴールネットを揺らすことができません…。
前半21分、右サイドでFKのチャンスを獲得した鹿島は、遠藤センタリング→ファーサイドで山本が頭で折り返し、ゴール前で西が飛び込むもDFに阻まれる。36分、左サイドで山本が左足でクロスを上げ、西がスライディングシュートでゴールに押し込んだが、オフサイドで得点ならず。川崎は38分、憲剛のスルーパスに大久保が反応したが、鹿島DFがシュートを打たせない。
前半42分、鹿島は右サイドのCKから山本がヘディングシュート!これがゴール左隅に決まり、鹿島が1点を先制!前半は鹿島が1点リードで折り返します。
後半が始まるところで、両チームとも選手交代。1点リードの鹿島は山本に代わってDFファン・ソッコが入り、川崎は登里を下げてMF三好康児を投入。後半2分、川崎は三好が左サイドを突破し、グラウンダーのクロスを入れるも、GKにキャッチされる。後半8分、右サイドからのボールを小林がスルー→パスを受けた三好が小林にパスを送り、小林がペナルティエリア右から右足シュートをゴールに叩き込む!タイトル獲得を目指す川崎が、1-1の同点に追いつきます!
勢いに乗る川崎は、後半11分に三好がドリブルからシュートまで持ち込むも決まらず。対する鹿島も16分、左サイドで柴崎がスルーパス→抜け出した赤崎が右足でシュートを放つも、川崎GKソンリョンの正面。後半20分、川崎がカウンターを仕掛け、右サイドの小林がドリブルでPA内に進入し、DFをフェイントでかわしてから左足を振り抜いたが、シュートはポスト左を直撃する。これはもったいない!
鹿島は後半22分に吹田スタジアムとの相性が良いFW鈴木優磨を投入。後半29分、永木がミドルを狙うもわずかにゴール左。後半43分にはキャプテン小笠原を下げてMFファブリシオを投入するも勝ち越し点を奪えず。結局、1-1のまま90分が終了。勝負は延長戦に入る。
延長前半2分、自陣でDF植田がロングボールを蹴り込み、PA内でファブリシオが右足シュート。無人のゴールに吸い込まれるかと思いきや、川崎DFエドゥアルドが間一髪でクリアする。その直後の遠藤の右CK→ニアサイドで西が頭で合わせるもクロスバーに当たって川崎DFがクリア。永木がヘディングでパスすると、鈴木も頭で繋ぎ、前線に残った西にボールが通るもシュート打てず。しかし、こぼれ球をファブリシオが右足でゴールネットを突き刺し、鹿島が2ー1と勝ち越しに成功!
延長前半8分、鹿島に再びセットプレーのチャンスを迎え、遠藤の右CK→ファブリシオがヘディングシュートを放ったが、ポスト左に当たって追加点ならず。入っていればダメ押しの1点だった。12分にはファンソッコの縦パス→ファブリシオの右足シュートはGK正面。
1点を追いかける川崎は、延長後半にFW森本貴幸を投入。後半30秒過ぎに三好がミドルを狙うもゴール右に逸れる。後半10分にはPA付近で森本→憲剛→右サイドのエウシーニョがクロスを上げるが、ゴール前で鹿島DFにクリアされる。続くCKでGKソンリョンも攻撃に参加するが、同点ゴールを奪えず。試合は2-1で鹿島の勝利に終わりました。
延長戦まで縺れ込んだ今大会の決勝戦は、鹿島アントラーズが川崎フロンターレを下し、6年ぶり5度目の優勝を果たすと共に、Jリーグとの2冠を達成しました。2得点はいずれもセットプレーというか、コーナーキックからの得点。1点目は山本選手の完璧なヘディングシュート、2点目は途中出場のファブリシオ選手がゴールを挙げました。先月は公式戦7試合(JリーグCS、クラブW杯4試合、天皇杯2試合)を戦い、疲労度もかなりあったと思うけど、それでも勝ちきりましたね。チームもこれで「国内19冠」を達成し、あと1つタイトルを獲得すれば「20冠」となります。
決勝点を挙げたファブリシオ選手は、今年7月にポルティモネンセ(ポルトガル)からレンタル移籍した選手。リーグ戦では出場機会が少なく、8試合出場して1得点に留まりましたが、この日は自らゴールを奪ってチームの優勝に貢献することができました。そんなファブリシオ選手はこの試合を最後に退団することが決定的。鹿島での最後の試合で最高の思い出ができたに違いない。
今季2冠を達成した鹿島アントラーズは、来季に向けて積極補強を敢行中。ヴィッセル神戸からペドロ・ジュニオール選手、アルビレックス新潟からレオ・シルバ選手を獲得。さらには金森健志選手(アビスパ福岡)、三竿雄斗選手(湘南ベルマーレ)も加入します。選手層をさらに厚くして、リーグ連覇&ACL制覇を目指します。
川崎はまたしても鹿島の前にクラブ初タイトルの夢を阻まれました。前半に惜しい場面が何度がありながらも先制できず。三好選手が入った後半に小林選手が後半7分にゴールを決めたものの、次の1点が取れませんでした。後半20分の小林選手のシュートが決まっていれば、試合結果も変わっていたと思います。今季はリーグ戦で年間2位になりがらも、チャンピオンシップ準決勝敗退。天皇杯でも優勝を逃し、タイトル獲得は来季以降に持ち越し。「無冠の歴史」はいつピリオドが打たれるのだろうか…。
天皇杯の結果を受けて、2月18日に日産スタジアムで行われる「FUJI XEROX SUPER CUP 2017」の対戦カードは、2冠王者・鹿島アントラーズVS浦和レッズ(リーグ準優勝)に決定。浦和は昨年のCS決勝のリベンジとなるでしょうか?、
「AFCチャンピオンズリーグ2017」は、鹿島、川崎、浦和の3チームが本大会の出場権を獲得し、J1年間4位のガンバ大阪がプレーオフに出場します。鹿島はグループステージでE組、浦和はF組に入りFCソウルと同組。川崎が入ったG組は、広州恒大と水原三星がいます。川崎は死の組だな…。




