先週の日曜日は全国的に大荒れの天気でしたが、22日はいい天気に恵まれました。この日は中山競馬場で関東最初のGⅡ競走・アメリカジョッキーズクラブカップ(AJCC。PPAPではない)、中京競馬場はダート重賞の東海ステークスが行われました。年明けから「最強4歳世代」の活躍が目立っていますが、今週はどうなったでしょうか?
中京メイン・第34回東海テレビ杯東海ステークス(GⅡ・ダート1800m 16頭立て)は、昨年のレパードステークスを制した⑧グレンツェント、チャンピオンズカップ3着①アスカノロマン、シリウスステークス2着⑨ピオネロ、ダート初挑戦⑥ラストインパクト、メンバー唯一のGⅠ馬⑮カゼノコ、他にも⑯ロワジャルダン、⑤インカンテーション、⑩リッカルド、②モズライジンなどが参戦しました。
バラバラのスタートとなったこのレース、リッカルドとインカンテーションが出遅れる。先行争いで⑦ショウナンアポロンと④モルトベーネの2頭が前を行く。さらに出遅れたリッカルドが3番手まで上がってきた。ピオネロは4番手、アスカノロマン6番手、グレンツェントは中団追走。ラストインパクトとロワジャルダンは後方でスタンド前を通過した。
1,2コーナーを過ぎて、ショウナンアポロンが先頭、ピオネロが単独2番手に浮上。3番手にモルトベーネ、4番手リッカルド、③トウショウフリークが5番手。⑪カラクプアが6番手、アスカノロマンは7番手。中団の8番手にモズライジン、グレンツェント9番手、その隣りの10番手にインカンテーション。⑭メイショウウタゲが内側から押し上げる。中団より後ろの集団は、内から⑫マイネルクロップ・ラストインパクト・⑬ロンドンタウンと固まっている。15番手ロワジャルダン、カゼノコがポツンと最後方。
3コーナーを回り、アポロンがスローペースで集団を引っ張り、ピオネロがピタリと2番手キープ。リッカルドとモルトベーネが3,4番手で並ぶ。アスロマは馬群の中にいて、ラスパクとグレンツェントが外から追い上げる。
4コーナーから最後の直線に差し掛かり、ショウナンアポロンがまだ先頭だが、モルトベーネが内を突きにかかる。ピオネロはギアが上がらない。外からグレンツェントが伸びてきた。ラスト100mでモルトベーネが前にでるが、グレンツェントが差し切ってゴールイン!4歳世代はダートでも強いのか!?グレンツェントが直線突き抜けました。
今年最初の中央ダート重賞は、1番人気のグレンツェントが勝利。モルトベーネが2着と健闘し、最内を突いたメイショウウタゲが3着に入りました。モルトベーネは単勝オッズで12番人気、メイショウウタゲは10番人気でした。3連単も「⑧-④-⑭」で465,440円の高配当がつきました。3番人気のピオネロは、直線伸びずに6着。2番人気だったアスカノロマンは8着、初ダートのラストインパクトは9着に終わっております。
勝ったグレンツェントは、前走の師走ステークスに続いての連勝で通算6勝目。重賞勝ちも今回で2勝目となりました。道中は中団の位置でしっかりと折り合いをつけ、最後の直線では外から力強く追い上げ、ショウナンアポロンとモルトベーネを捕らえました。この勝利でフェブラリーステークスの優先出走権も獲得。左回りの重賞で結果を出したし、2連勝と勢いに乗っているから、本番でも有力の1頭となるでしょう。
中山メイン・第58回アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ・芝2200m)は、⑩ゼーヴィント&①ミライヘノツバサの4歳勢2頭、一昨年の菊花賞で3着だった⑬リアファル、昨年のエリザベス女王杯で2着の④シングウィズジョイ、中山金杯2着②クラリティスカイ、まだ頑張るのか⑦ワンアンドオンリー、2年前の勝ち馬⑰クリールカイザー、昨年の春の天皇賞以来の実戦となる⑧タンタアレグリア、⑥ルミナスウォリアー、⑪ナスノセイカンなど17頭が出走しました。
スタートでクリールカイザーがポンと飛び出し、そのまま先手を奪う。リアファルとミライヘノツバサも積極的に前に出る。クラリティスカイ、シングウィズジョイ、ワンアンドオンリーは中団に位置付け、タンタアレグリア12番手、ゼーヴィント13番手でスタンド前を通過した。
1コーナーを回ったところで縦長の展開となり、外回り2コーナー~向正面のところで、クリールカイザーが先頭、リアファルが2番手、ミライヘノツバサが3番手。その後ろの4番手に⑮ヤマニンボワラクテ、クラリティスカイと⑭マイネルフロストが5,6番手で並ぶ。シングウィズジョイは7番手に下がり、8番手に⑫ショウナンバッハ、タンタアレグリアが9番手まで浮上。集団から離れた10番手のところにゼーヴィント、その後ろの11番手にワンアンドオンリー、12番手ナスノセイカン、13番手⑨シルクドリーマー、14番手ルミナスウォリアー。15番手に③マイネルメダリスト、⑤ホッコーブレーヴ16番手、⑯サイモントルナーレが大きく置かれてしんがりを行く。
3コーナーを通過し、先頭のクリカイが後続を引き離しにかかるが、2番手に上がったミラツバが差を詰めようとする。さらに最内からアレグリアが上昇。ゼーヴィントとルミナスも好位に進出し、中団馬群にはリアファルとウィズジョイがいる。
4コーナーのところで、先頭争いはクリールカイザー、ミライヘノツバサ、ショウナンバッハ、ゼーヴィント、ルミナスウォリアーの5頭が横一線。後続ではホッコーブレーヴがシルクドリーマーにぶつけられてバランスを崩し、シングウィズジョイが転倒し、ジョッキーも叩きつけられた。
ラスト200mを切り、ミラツバとゼーヴィントの2頭が競り合うところを、タンタアレグリアが内から抜け出して先頭。ゼーヴィントも外から接近するも、アレグリアがそのまま先頭でゴール。タンタアレグリアが5歳馬の意地で重賞制覇です。
春の中長距離路線を占うAJCCは、単勝7番人気のタンタアレグリアが勝利しました。1番人気のゼーヴィントは、セントライト記念、福島記念に続いての重賞2着。ラジオNIKKEI賞の時から4連対ですが…。3番人気で3着だったミライヘノツバサは、一度は先頭に立ったけど、ゴール前で2頭にかわされました。それでも得意の中山で好走しましたねえ。2番人気だったリアファルは、スタートから2番手を追走したけど、3コーナーから後退し、最後は13着に沈みました…。
なお、最後の直線でシングウィズジョイが転倒して落馬競走中止。鞍上のクリストフ・ルメール騎手は背部打撲と咽頭部挫傷。シングウィズジョイは左上腕骨を骨折して予後不良となりました。昨年秋のエリザベス女王杯で2着になり、今年はもっと活躍するだろうと思われていただけに残念です…。ルメール騎手はこの日、第4レース(サラ系3歳500万円下)でもスタート直後に落馬してしまい、1日で2回も落馬を経験。とんだ災難に遭いましたな…。
重賞初制覇のタンタアレグリアは、過去に青葉賞と阪神大賞典で2着、GⅠでも菊花賞と春天で4着でした。重賞挑戦は今回で9度目ですが、ようやく惜敗続きに終止符が打たれました。8ヶ月も長期休養し、休み明け初戦で快勝するって凄くないか?この先の目標は恐らく春の天皇賞となるんじゃないかと思います。今年こそは同世代のキタサンブラックを倒してGⅠ制覇を果たせるといいですね。