東京競馬場のGⅠ5連戦も残すところあと1つ。6月4日は春のマイル王決定戦・第67回安田記念(GⅠ・芝1600m 18頭立て)が行われました。GⅠ3連勝中のクリストフ・ルメール騎手は、⑧イスラボニータで史上初の「4週連続GⅠ制覇」に挑戦。さらには、昨年の優勝馬⑯ロゴタイプ、京都金杯を勝った⑧エアスピネル、京王杯スプリングカップを制した⑥レッドファルクス、東京新聞杯覇者⑪ブラックスピネル、大阪杯2着⑱ステファノス、久々のマイル挑戦④アンビシャス、5連勝中の新星⑦グレーターロンドン、重賞3勝⑰ヤングマンパワー、マイル重賞の常連⑭サトノアラジン、さらには香港から⑫ビューティーオンリー&⑤コンテントメントの2頭が参戦しました。
単勝の人気は、1番人気がイスラボニータ(3.5倍)、2番人気エアスピネル(5.9倍)、3番人気レッドファルクス(7.9倍)。4番人気以降は、ステファノス(8.1倍)、アンビシャス(9.1倍)、グレーターロンドン、サトノアラジン、 ロゴタイプ、ビューティーオンリーと続きました。
スタートでグレーターロンドンが出負けし、アンビシャスも後方から。先行争いで、①トーキングドラム・②ディサイファ・③サンライズメジャー・ロゴタイプの4頭の競り合いから、ロゴタイプが先頭に立つ。サンライズメジャー2番手、ブラックスピネルが3番手につける。4番手グループには、ディサイファ・コンテントメント・ヤングマンパワー・イスラボニータの4頭が並ぶ。その後ろの8,9番手の位置に⑩クラレントとトーキングドラム、外側10番手にステファノス。11番手ビューティーオンリー、12番手から⑬ロジチャリス、グレーターロンドンは13番手追走。14番手レッドファルクス、15番手サトノアラジン、16番手にエアスピネル、17番手アンビシャス、最後方に⑨ロンギングダンサーという展開。
3,4コーナー中間を過ぎ、前の方ではロゴタイプとサンメジャの2頭が並び、ブラスピが3番手に浮上。すぐ後ろにはヤングマンとコンテント、ボニータは7番手に控える。ステファノスとグレーターは中団待機、アラジンは外に出し、エアスピとアンビシャスはまだ後方。
18頭が一団の状態で4コーナーを回り、最後の直線コースへ。逃げるロゴタイプが後続を離しにかかる。外からはステファノス、ヤングマンパワー、ビューティーオンリー、サトノアラジンが追い込んでくる。イスラボニータは前が詰まって抜け出せない。ゴール残り200mでロゴタイプがまだ先頭、今年もまた逃げ切ってしまうのか?2番手争いでは、グレーターロンドンが馬群を割って追い上げ、アラジンが2番手に浮上。大外からはファルクスもやってきた。ラスト100mを切り、アラジンがロゴタイプとの差を詰め、ゴール前でロゴタイプを捕らえてゴールイン!末脚弾けたサトノアラジン、悲願のGⅠ初制覇!
安田記念 全着順&払戻金
1着⑭サトノアラジン 1分31秒5
2着⑯ロゴタイプ クビ
3着⑥レッドファルクス クビ
4着⑦グレーターロンドン クビ
5着⑧エアスピネル クビ
6着⑫ビューティーオンリー
7着⑱ステファノス
8着⑮イスラボニータ
9着⑩クラレント
10着⑤コンテントメント
11着⑨ロンギングダンサー
12着③サンライズメジャー
13着②ディサイファ
14着⑬ロジチャリス
15着③アンビシャス
16着⑰ヤングマンパワー
17着①トーキングドラム
18着⑪ブラックスピネル
単勝 ⑭ 1,240円
複勝 ⑭ 380円 ⑯ 440円 ⑥ 340円
枠連 7⃣-8⃣ 590円
馬連 ⑭-⑯ 10,480円
馬単 ⑭-⑯ 20,410円
ワイド ⑭-⑯ 2,870円 ⑥-⑭ 2,730円 ⑥-⑯ 2,720円
3連複 ⑥-⑭-⑯ 43,500円
3連単 ⑭-⑯-⑥ 283,000円
東京競馬場の5週連続GⅠ開催のラストを飾る安田記念は、単勝7番人気のサトノアラジンが、ゴール手前でロゴタイプを差し切り優勝しました。ロゴタイプはスタートから逃げ続けたけど、あと数メートルで連覇を逃して2着。昨年と同様、ロゴタイプには驚かされました。3着のレッドファルクスは、マイルの距離不安を一掃。大外からグイッと伸びましたねえ。4着のグレーターロンドンは、スタートで後手を踏みながらも上位に入ってきました。GⅠどころか重賞初挑戦で良い内容を見せたから、秋以降が楽しみだ。2番人気のエアスピネルは5着、1番人気のイスラボニータは8着に終わり、ルメール騎手の4週連続GⅠ制覇はならず。香港勢はビューティーオンリーが6着、コンテントメントは10着でした。2頭とも輸送で大幅に馬体重を減らしたからな…。
サトノアラジンは7度目のGⅠ挑戦で初勝利。昨年10月のスワンステークス以来の勝ち星で通算8勝目、重賞も3勝目を挙げました。鞍上の川田将雅騎手は安田記念2勝目で、昨年の日本ダービーのマカヒキ以来、1年ぶりのGⅠ勝ちとなりました。アラジンを管理する池江泰寿調教師と馬主の里見治さんは同レース初勝利。池江調教師は今回の勝利でJRA・GⅠで18勝目を挙げ、父・泰郎さんの通算17勝を上回りました。
サトノアラジンは昨年のマイルチャンピオンシップで1番人気になりながらも5着、12月の香港マイルで7着、前走の京王杯SCでも9着に敗れました。前走の結果を受け、この日の単勝の人気も7番人気に留まりました。レースでは、中団より後ろを追走し、直線で大外に持ち出すと、持ち前の末脚が爆発し、ゴール前で逆転しました。前走は内枠と重馬場で良い所がなかったけど、今回は外枠と良馬場で1着。運が良かったとしかいえません。
サトノ軍団といえば、サトノダイヤモンドがこの秋の凱旋門賞に挑戦を予定しています。アラジンもサトダイと一緒にフランスに行ってほしいなと思っています。「ジャックルマロワ賞」の優先出走権も獲得したし、「ムーラン・ド・ロンシャン賞」や「フォレ賞」といった1400~1600mのGⅠ競走にもチャレンジしてほしい。