日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

最強伝説に終止符。ウサイン・ボルト、最後の男子100mは銅メダルに終わる。

2017年08月06日 | Sports

日本時間の今月4日から、イギリス・ロンドンスタジアムで「世界陸上競技選手権2017」が行われていますが、6日未明に男子100mの準決勝と決勝が行われました。この種目には、「人類最速の男」ウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)が登場。100m世界記録保持者&五輪3連覇のレジェンドは、今大会限りでの現役引退を表明。最後の100mレースで金メダルを獲得することができたのか。日本勢からは、サニブラウン・アブデル・ハキーム、ケンブリッジ飛鳥、多田修平の3選手が準決勝に進出。日本人初の9秒台&決勝進出の偉業達成は?



男子100m準決勝第1組には、ケンブリッジの他に、ジャスティン・ガトリン(米国)、フォート(ジャマイカ)、地元イギリスのダサオル、シンビネ(南アフリカ)らが出場。スタートは横一線で、ケンブリッジもいい飛び出しを見せる。しかし、中盤になってからシンビネが抜け出し、5レーンからガトリン、6コースからメイテ(コートジボワール)が追い上げるが、最後はシンビネが10秒05で1着。ガトリンが2着で決勝に進出。ケンブリッジは10秒25で6着に終わり、決勝進出はならず。
続く第2組、サニブラウン、ヨハン・ブレーク(ジャマイカ)、蘇炳添(中国)、クリストファー・ベルチャー(米国)、プリスコッド(英国)らが登場。日本勢初の決勝へ2着以内に入りたいサニブラウンは、低い体勢で飛び出したが、直後にバランスを崩して後退…。レースは序盤で抜け出したブレークが1着、2着争いでは、大外から追い上げたプリスコットが、ゴール前で蘇炳添をかわして2着。3着だった蘇炳添も決勝に進出。サニブラウンは10秒28で7着に終わった。
最終第3組、ボルトと多田が同組に入り、クリスチャン・コールマン(米国)、ジミー・ビコ(フランス)、チジンドゥ・ウジャ(英国)も出場。レースは多田がロケットスタートを決め、50mあたりまで先頭を走る。だが、後半に入ってコールマンが多田をかわして先頭。ボルトも2番手に上がってきたが、コールマンがそのまま先頭でゴール。ボルトは2着で決勝進出。コールマンは9秒97、ボルトは9秒98と2人とも9秒台をマーク。前半見せ場を作った多田は、10秒26で5着フィニッシュ。結局、日本勢は3選手ともに決勝進出を逃し、夢の9秒台はまた次に持ち越しとなりました。



迎えた決勝、ボルトは4レーン、準決勝全体トップのコールマンは5レーン、シンビネが6レーン、ブレークが7レーン、ガトリンが8レーンに入った。ボルトには場内から大歓声が上がる一方で、ガトリンにはブーイングが浴びせられる。
注目のスタートは一発で決まり、コールマンが好スタートを決め、ボルトが少し出遅れる。40~50m辺りでコールマンがリード。ラスト30mで内からボルト、外からガトリンが追い上げる。そしてゴール前、ガトリン、ボルト、コールマンの3人がほとんど並んだ状態でフィニッシュ!微妙な状態だったが、僅差でガトリンが金メダル、コールマンが銀メダル、ボルトは3位で銅メダルとなりました。

男子100m 決勝結果
金メダル ジャスティン・ガトリン(米国) 9秒92
銀メダル クリスチャン・コールマン(米国) 9秒94 
銅メダル ウサイン・ボルト(ジャマイカ) 9秒95


世界最強スプリンターの座を守り続けてきたウサイン・ボルト選手が、最後の100m走で敗戦。ジャスティン・ガトリン選手が、ゴール前でコールマン選手を差し切って金メダルを獲得。アメリカに10年ぶりの100m金メダルをもたらしました。コールマン選手も2着に入り、アメリカ勢が1,2位を独占しました。ボルト選手は3位に終わり、世界陸上3連覇はなりませんでした。
ボルト選手は後半に結構追い上げたんですが、スタートでの出遅れが大きく響きました。準決勝でもスタートが決まらず、コールマン選手に先着を許しました。決勝で金メダルを獲得し、最速と最強のまま引退してほしかっただけにとても残念です。コールマン選手はスタート後の飛び出しも素晴らしかったし、先行力も抜群。再来年の世界選手権、3年後の東京五輪では金メダルの有力候補となるでしょう。
優勝したガトリン選手は、2004年のアテネ五輪で金メダル、2005年のヘルシンキの世界陸上で金メダルを獲得しましたが、2006年にドーピング違反により4年間の出場停止。このままフェードアウトして行くのかと思われましたが、30代で再び世界の舞台に戻ってきました。2015年の北京大会では0.01秒差で銀メダル、昨年のリオデジャネイロ五輪でもボルト選手に惜敗。ラストチャンスとなった今回のロンドン大会、ついにボルト選手を破りました。12年ぶりに世界陸上で金メダルを獲得。しかし、表彰式でもガトリン選手へのブーイングが発生。一度ドーピングを犯したからという理由でブーイングをしているけど、35歳で再び世界一に輝いたのだから、そこは勝者を称賛すべきだと思います。

100mで金メダルを逃したボルト選手は、この後男子4×100mリレーに出場します。リレーにはガトリン選手も出るし、スタートでミスを犯したサニブラウン選手も汚名返上に燃えていると思います。昨年のリオ五輪では、日本がジャマイカを追い詰め、史上初の銀メダルを獲得。あの感動をもう一度見たいものです。



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