夏競馬もいよいよ終盤へ。20日は札幌競馬場で夏競馬唯一のGⅡ競走・札幌記念、小倉競馬場ではサマースプリントシリーズ第4戦・北九州記念がおこなわれました。
小倉メイン・第52回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ・芝1200m 18頭立て)は、函館スプリントステークス2着⑬キングハート、目下3連勝中の⑨ダイアナヘイロー、今シリーズ3度目の出走②アクティブミノル、昨年の覇者⑯バクシンテイオー、他にも⑧ファインニードル、⑤エイシンブルズアイ、⑦アルティマブラッド、⑭ツィンクルソード、⑮ミッキーラブソングなどが参戦しました。
スタートで⑱ラインスピリットがいい飛び出しを見せたのに対し、⑥ナガラオリオンが出遅れる。前の争いで、アクティブミノルが先手を取ると、ダイアナヘイローが2番手、アルティマブラッド3番手。その後ろの位置にラインスピリットと④オウノミチが追走し、6番手にファインニードルが控える。内側7番手に①ラヴァーズポイント、外側8番手⑫ナリタスターワン、9番手⑩ダイシンサンダー、10,11番手の位置に③トウカイセンスとキングハートが並ぶ。12番手グループには、エイシンブルズアイ・ツィンクルソード・ミッキーラブソング・バクシンテイオーの4頭が固まる。後方は、16番手ナガラオリオン、17番手⑰プレイズエターナル、⑪ポメグラネイトがしんがり。
3,4コーナー中間点を過ぎ、先頭争いはアクティブとダイアナの2頭が並び、ライスピ,スターワン,キンハーの3頭も先頭集団に迫る。ニードルとアルティマは中団より前の馬群。
最後の直線コースに差し掛かり、アクティブミノルが内で逃げ粘るが、ダイアナヘイローがかわしにかかる。外からはラインスピリット、ナリタスターワン、キングハートも追い込む。ゴール残り100mでダイアナが抜け出すと、2番手に上がったナリタスターワンが前との差を詰めようとするが、ダイアナヘイローが先頭でゴールイン!ダイアナヘイロー、4連勝で重賞初勝利を飾りました。
スプリント界に新たなヒロインが現れました。単勝3番人気のダイアナヘイローが、道中2番手追走から、直線でアクティブミノルと競り合い、ゴール前抜け出して快勝しました。2着には12番人気のナリタスターワンが入り、3着のラインスピリットは15番人気。伏兵2頭が馬券に絡み、「⑨-⑫-⑱」の3連複で244,450円、3連単でも1,078,270円の高配当決着となりました。2番人気だったキングハートは4着、1番人気のファインニードルは5着に終わっております。
4連勝を果たしたダイアナヘイローは、父・キングヘイロー、母・ヤマカツセイレーン、母の父・グラスワンダーという血統。今年6月3日の戎橋特別(500万下)で勝利を挙げてから快進撃が始まり、同月25日の皆生特別(1000万下)、前走の佐世保ステークス(1600万下)で1着。500万下から3連勝でオープン入りを果たすと、連勝中の勢いそのままに重賞まで勝利。もしスプリンターズステークスに出るとしたら、おそらく上位人気に入るはずだ。
鞍上の武豊騎手&福島信晴調教師のコンビは、20年ぶり2度目の北九州記念制覇。20年前はダンディコマンドで勝利し、武豊騎手もJRA重賞競走で100勝目を挙げました。福島調教師も来年で停年を迎えるので、引退前に管理馬が重賞レースに勝ったので喜びも一入だと思います。
札幌のメイン・第53回札幌記念(GⅡ・芝2000m 13頭立て)は、重賞5勝の③ヤマカツエース、ルメール騎手との新コンビで挑む⑬エアスピネル、「マジックマン」ジョアン・モレイラ騎手が騎乗する⑤マウントロブソン、2年前の札幌記念覇者⑨ディサイファ、中山金杯覇者⑧ツクバアズマオー、ドバイシーマクラシック以来のレースとなる⑦サウンズオブアース、さらには函館記念2着⑥タマモベストプレイ、⑪アングライフェン、④ロードヴァンドールなどが参戦しました。
スタートは13頭横一線。正面スタンド前の先行争いで、ロードヴァンドールが鼻に立ち、タマモベストプレイ・サウンズオブアース・⑫マイネルミラノの3頭が2番手争い。①サクラアンプルール6番手、ヤマカツエースとエアスピネルは中団より後ろのポジション、マウントロブソンは後方の位置でスタンド前を通過していった。
1,2コーナーを回り、向正面に差し掛かったところで、ロードヴァンドールが単騎で逃げ、マイネルミラノが2番手、3番手にタマモベストプレイ、エアスピネルが4番手に浮上する。5番手にヤマカツエース、6番手サウンズオブアース、ディサイファとサクラアンプルールが7,8番手並走。9番手②ナリタハリケーン、10番手ツクバアズマオー、マウントロブソンは11番手に控える。12番手⑩サングラス、最後方にアングライフェンという展開。
3コーナーに入り、ヴァンドールがマイペースの逃げで先頭をキープするが、ミラノが差を詰めようとする。エアスピがベストプレイをかわすと、5番手からヤマエスが追い出し始める。6,7番手のところにサウンズとアンプルールがいて、ロブソンはまだ後方でもがく。
4コーナーで先頭争いはヴァンドール・ミラノ・エアスピ・ヤマエス・アンプルールの5頭が横一列。ラストの直線コースでサクラアンプルールが大外から先頭に躍り出る。ヤマカツエースとエアスピネルも食い下がるが、ラスト100mで突き放す。ナリタハリケーンが勢いよく脚を伸ばして2番手に上がり、アンプルールに襲い掛かるが、アンプルールが押し切ってゴールイン!最後はノーマークの2頭による1着争いでしたが、サクラアンプルールが勝利しました。
重賞勝ち馬7頭が集結した今年の札幌記念は、単勝6番人気のサクラアンプルールが直線突き抜けると、外から襲いかかったナリタハリケーンの追撃を首差で凌いで優勝しました。2着のナリタハリケーンは12番人気。小倉に続き、ナリタの馬が波乱を演出しました。結果的には函館記念組が1,2着を独占し、枠連「①-②」で22,390円、馬連で37,670円、馬単は69,510円とみんな万馬券でした。
1番人気だったヤマカツエースは3着、昨年の有馬以来8か月ぶりの国内でのレースだったサウンズオブアースは4着、2番人気のエアスピネルは5着。武豊騎手からルメール騎手に乗り替わっても結果が出ず、4コーナー辺りで先頭集団にいたけど、あまり伸びませんでした。3番人気のマウントロブソンは8着。「モレイラマジック」不発です…。モレイラ騎手は香港やドバイのGⅠで日本馬を勝利に導いているけど、意外にもJRAの重賞競走では未勝利…。なぜだ?
優勝したサクラアンプルールは、キャリア20戦目で重賞初制覇。中央でデビューしながらも、一度は地方に移り、中央に復帰しても500万や1000万でくすぶり続けていましたが、6歳になってようやく花を開きました。そういや今年3月の中山記念でも、8番人気で2着に入って波乱を起こしたよなぁ…。鞍上の蛯名正義騎手は2001年のエアエミネム以来、16年ぶりの札幌記念制覇となりました。
来週は札幌競馬場でスプリント重賞のキーンランドカップ、新潟競馬場は「新潟2歳ステークス」が行われます。
新潟2歳ステークスの方は、ダイワメジャー産駒のフロンティア、新潟マイルの新馬戦を勝ったオーデットエール、福島1800mのレースで勝利したグランデウィーク、キボウノダイチ、マイネルサイルーン、テンクウ、ムスコローソなどが登録。
キーンランドカップの方は、UHB賞を勝ったイッテツ、ヴィクトリアマイル5着ソルヴェイグ、函館SSでの惨敗から巻き返したいシュウジとブランボヌール、バーデンバーデンカップ優勝のフミノムーン、京阪杯を勝ったネロ、モンドキャンノ&メイソンジュニアの3歳勢2頭が登録しております。夏休み最後の思い出に競馬観戦はいかがですか?ただし、子供は馬券を買っちゃダメ。