春分の日の21日は、中山競馬場で皐月賞トライアルのスプリングS、阪神競馬場では春の天皇賞の前哨戦・阪神大賞典が行われました。スプリングSには昨年の2歳王者・ローズキングダムが登場、皐月賞に向けて負けられない一戦を制して4連勝の期待がかかりましたが…。
阪神のメイン競走・第58回阪神大賞典(GⅡ)は、3000mの長丁場に14頭が出走。2007年の菊花賞馬で昨年の優勝馬⑭アサクサキングスを始め、日経新春杯の勝ち馬⑪メイショウベルーガ、中長距離で安定した走りを見せ、昇級して即初重賞の⑥ジャミール、阪神大賞典5度目の挑戦となる⑬トウカイトリック、有馬記念以来約3か月ぶりとなる①イコピコ、他にも⑦ベルウッドローツェ、⑩ホクトスルタンといったステイヤーも参戦しました。
スタートと同時にホクトスルタンが飛び出していき、⑫ゴールデンメインが2番手に。アサクサキングスは3番手と早めの競馬。イコピコ、メイショウベルーガ、ベルウッドローツェ、トウカイトリック、ジャミールといった有力馬は中団の位置を取る。1周目3,4コーナーから正面スタンド前の直線に入り、先頭のホクトスルタンは前半1000mを61秒台で通過。アサクサ3番手、ベルウッド5番手、レガーロ6番手、イコピコとトリックが7番手争い、その後ろにジャミール9番手でゴール板通過。
2コーナーから向正面で、マイペースで逃げるスルタンは2番手に2馬身のリード。2番手にアサクサとゴールデンメインが並走。4番手の位置にベルウッドローツェ、メイショウベルーガは単独7番手、トウカイトリックとイコピコが8番手争い、ジャミールは10番手、④テンシノゴールド最後方。
内回り3コーナーを過ぎても縦長、差が縮まったような気がする。2番手争いではゴールデンメインが後退してベルウッドが浮上してきた。③シグナリオも虎視淡々と前をうかがう。ベルーガはまだ7番手のまま。イコピコ、トリック、ジャミールはまだ中団のまま直線に入る。ホクトスルタンが逃げ粘るが、残り200mでアサクサキングス、メイショウベルーガ、さらにジャミールが追い込んできた!アサクサが一旦先頭に立ち、大外のベルーガとジャミールが並びかけるが、残り100m~ゴール前でトウカイトリックが間から突き抜けて先頭でゴールイン!2着争いはメイショウベルーガとジャミールがほとんど同時入線だったが、僅差でジャミールが2着に入りました。1番人気のメイショウベルーガは3着、3番人気のホクトスルタンは5着、前回の勝ち馬・アサクサキングスは4着、2番人気のイコピコは9着でした。
トウカイトリックが5度目の挑戦でようやく阪神大賞典を制しました。過去4年は2着→3着→4着→5着と掲示板を確保、8歳になって遂に勝つ事ができました。陣営もホッとされていたかもしれません。重賞勝ちは2007年のダイヤモンドステークス以来3年ぶり2勝目、春の天皇賞ではベテランステイヤーが花開くかどうか?ジャミールは大健闘の2着、長距離戦線に新星が出てきました。同世代のフォゲッタブル、ロジユニヴァースもうかうかできないかも。
中山のメイン競走は、第59回フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)。3着以内に入れば皐月賞の優先出走権が得られるこのレースは、3連勝中の③ローズキングダムに注目が集まりました。ライバルのヴィクトワールピサが弥生賞で勝利、ローキンにとっては前哨戦で落とすわけにはいかない、勝利以外にも内容が問われる大事な一戦でした。ローキン以外では、共同通信杯で3着に敗れた関東の期待⑤アリゼオ、デビュー2連勝の⑪サンライズプリンス、1800mで2勝を挙げた⑥バシレウス、4か月ぶりの⑫サンディエゴシチーが2歳王者に挑みました。
スタートで15頭が綺麗に揃い、ローズキングダムは好スタートを見せます。先行争いでは⑨カワキタコマンドと⑧バーディバーディが鼻を奪うが、1コーナーでアリゼオが先頭に立ちます。向正面でアリゼオがペースを握り、カワキタコマンド2番手。バシレウスの後ろの7番手にローズキングダムがいる。サンライズプリンス9番手、サンディエゴシチーは13番手と後方待機。④スティルゴールドと⑭サクラエルドールは集団から大きく話された恰好。
残り800mでアリゼオが積極的に逃げ続け、ローズキングダムは中団馬群の中にいて現在8,9番手。400mを切って最後の直線に入り、アリゼオがまだ先頭キープ。ローキンが追い上げて来たが前が詰まっている。2番手には②ゲシュタルト、バシレウスが3番手。ローキンは内側に入って3番手に上がるが、アリゼオには届かない…。先頭のアリゼオは最後まで逃げ続けて1着ゴール!ローズキングダムはゴール手前でゲシュタルトと並ぶも、アタマ差の3着でフィニッシュ。
ローズキングダム4戦目でまさかの初黒星!アリゼオが無敗の2歳王者に初めて土をつける逃走劇でスプリングステークスを制しました。10番人気の伏兵・ゲシュタルトが2着、ローズキングダムは3着に終わりました。以上の3頭が皐月賞の優先出走権を獲得しました。3番人気のサンライズプリンスは4着。
アリゼオは前回の共同通信杯では初めての1800mで距離不足もあって3着に敗れましたが、今回は1800mを悠々と逃げ切って見せました。これで通算4戦3勝、中山コースでは2勝を挙げているから皐月賞も逃げで勝負してくる事でしょう。ローズキングダムはデビュー4連勝に期待しておりましたが、3着という結果に。3か月の休み明けも影響したし、直線で前が開かずに詰まってしまったのが敗因だったかもしれません。
来週は中京競馬場で春のスプリント王決定戦・高松宮記念が行われます!昨年の最優秀短距離馬・ローレルゲレイロがドバイ遠征、王者不在で激戦の予感。重賞3連勝中と絶好調のキンシャサノキセキ、シルクロードステークスを制したアルティマトゥーレ、スプリンターズステークスで2着惜敗のビービーガルダン、阪急杯優勝のエーシンフォワードなどが登録しております。中京競馬場は28日が2010年最後の開催、中京開催のフィナーレを飾る大一番を制するのは一体どの馬か?
その前日の27日は中山競馬場で日経賞、阪神競馬場で毎日杯があります。日経賞には昨年のダービー馬・ロジユニヴァースが約10カ月ぶりに復帰、昨年の春の天皇賞馬・マイネルキッツも出走予定。毎日杯にはルーラーシップ、リルダヴァル、ザタイキ、ダノンシャンティが登録。リルダヴァルは2連勝の後に骨折、春クラシック絶望と言われていましたが、直前になって復帰しました。ルーラーシップも皐月挑戦を目指して負けられません。
そして27日の深夜は、ドバイミーティングがあります!前哨戦で勝利したレッドディザイアがドバイワールドカップで世界一に挑めば、ブエナビスタがシーマクラシックに参戦。他にもローレルゲレイロがゴールデンシャヒーン、グロリアスノアがゴドルフィンマイルに挑戦します。来週末は競馬ファンにとって熱い2日間になりそうだ!