ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

1編成(10両)しかなくなった東急8590系(8090系)

2019年02月11日 01時30分40秒 | 写真

 日本最初のステンレスカー:東急5200系。

 日本最初のオールステンレスカー:東急7000系(初代)。

 日本最初の軽量オールステンレスカー:東急8000系のデハ8400形。

 そして、日本最初の本格的なオールステンレスカーが東急8090系です。

 よく、8090系は東急線から完全に引退したと書かれています。これは、厳密に言えば誤りです。たしかに、8090系の先頭車であるクハ8090形は、2013年5月に大井町線の運用から外れ、東急線から消えました。しかし、東横線から田園都市線に移った8590系の8694Fおよび8695Fの中間車は、全て8090系です。理由は簡単で、8590系はデハ8590形(下り向き先頭車)およびデハ8690形(上り向き先頭車)の2形式しかないのです。

 さて、田園都市線に2編成だけ残っていた8590系(8090系)ですが、2018年12月に8695Fが営業運用から外れました。某ページによると、デハ8595およびデハ8695Fは長津田車両工場に残っているそうですが、中間車は搬送されたようなので、廃車と考えてよいでしょう。デハ8595+デハ8695Fの2両編成では、こどもの国線での運用がせいぜいというところで、実際のところは考えにくいので、早晩廃車になるか、営業以外の用途に用いられることになるかのいずれかということになります。8090系・8590系は、既に一部の編成が秩父鉄道や富山地方鉄道に移籍し、運用されています。私は、数年前に北陸本線の特急電車から富山地方鉄道で活躍しているところを見ました。

 ともあれ、8590系(8090系)で営業運転を継続しているのは8694Fのみとなっています。この編成は東武伊勢崎線・日光線に乗り入れませんので、見る・乗るとすると田園都市線・半蔵門線(中央林間〜押上)しかありません。

 東急で行先表示が方向幕のままとなっているのは、8500系の8606F、そして8590系の8694Fと8695Fのみでしたが、2019年に入ってからは8606Fと8694Fのみです(つまり、田園都市線だけで見られる訳です)。下手なLED式よりもよほど見易い方向幕ですが、汚れ、柔軟性の低さ、回転時間の長さなどの短所もあるので、消滅していくのも仕方のないのでしょうか。首都圏の鉄道で、壊れたLED式の行先表示くらい、惨めなものも多くないものと思うのですが。

 元々、8090系・8590系は東横線で運用されていました。私が中学生の時に8090系がデビューしており、それ以来、何度となく乗っています。横浜高速鉄道みなとみらい線への直通運転が決定されたために8590系が製造され、編成替えが行われた上にクハ8090形は大井町線に移り、かなり長い間、8090系は大井町線の主力として活躍しました。緑色の「二子玉川園」の幕が懐かしく思われる方も少なくないことでしょう。

 2020系のデビューの前後に2000系が田園都市線の営業運転から外れ、続いて8590系の8695Fが外れました。また、40年以上にわたり活躍してきた8500系(これを悪く書く評論家もいますが、逆でしょう。設計の基本などが良かったから長く活躍できたのです)も、最近になってから大井町線の2編成が運用されなくなっています。今年、8000系ファミリー(既に東急を引退して久しい8000系の他、8500系、8090系および8590系)の完全引退までが近くなっていることは確実です。

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