ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

退っ引きならない状況か

2021年07月31日 18時10分00秒 | 日記・エッセイ・コラム

 私は神奈川県川崎市に住んでいます。そのためもあって、東京都の状況には大きな関心を持っています。何せ、歩いて15分か20分で二子玉川駅に着きますし、自転車であれば5分くらいで着きますから。 

 今日(2021年7月31日)、東京都の新規感染者(勿論、COVID-19の)が4000人を超えてしまいました。大変なことになりましたが、昨日、「ついに10000人超え 第4回および第3回の緊急事態宣言も延長へ」において「8月中に5000人を超えてもおかしくないでしょう」と記しましたので、予想が当たりそうな気がします。少なくとも、何処に根拠があるのかわからない楽観論を振りかざすような状況ではありません。

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ついに10000人超え 第4回および第3回の緊急事態宣言も延長へ

2021年07月30日 01時35分00秒 | 国際・政治

 いつ、何処でボタンを掛け違えたのか。

 日本のCOVID-19対策について、こういう問いかけがなされて然るべき状況でしょう。

 一昨日(7月28日)の19時からNHKニュースを見ていましたが、政府が進めるという対策を聞いていて、抗原検査を強化するという趣旨の発言がなされた瞬間に、「これは期待できない」と思いました。日本ではあまり言われていませんが、それでもGoogleで医療機関のサイトを検索してみると、PCR検査と比べて精度が低いこと、無症状者から抗原を検出することが難しいことなどが指摘されています。

 そして昨日(7月29日)、COVID-19の新規感染者が日本全国で10000人を超えました。昨日書いた記事で「今月中の10000人超えもありうるという状況ですし、医療機関の逼迫、さらに言えば医療崩壊も考えておかなければならない状況です」と記しましたが、時間の問題という表現では不十分なほどのスピードです。三菱総合研究所が非現実的とも言えるほど甘い、スローペースの予測を立てていましたが、見事に外れました。というより、こういう予想しか立てられなかったのかと不思議で仕方がありません。YouTubeの「一月万冊」でも、三菱総研の予想は甘すぎると批判されていました。

 朝日新聞社が昨日の18時1分付で「国内コロナ感染者、初の1万人超 東京、神奈川で最多」(https://www.asahi.com/articles/ASP7Y5H8HP7YUTIL02K.html)として報じたところによると、東京都の新規感染者は3865人、神奈川県が1164人、沖縄県が392人で、いずれも過去最多です。また、大阪府は932人、埼玉県は864人です。「感染拡大を防止する有効な対策は手詰まり状態で、29日に開かれた東京都のモニタリング会議では、1週間平均での1日あたりの感染者数が8月11日に4532人に達するとの試算が公表された」とも書かれているのですが、この予測は甘いという気もします。8月中に5000人を超えてもおかしくないでしょう。

 そして、昨日、第4回緊急事態宣言が8月31日まで延長された上で、神奈川県、千葉県、埼玉県および大阪府を対象地域に加えるという方針が固められました。同時に、沖縄県に対して出されている第3回緊急事態宣言もやはり8月31日まで延長されることとなりました。また、北海道、石川県、京都府、兵庫県および福岡県にまん延防止等重点措置を適用することも固められました。朝日新聞社が「緊急事態宣言、8月31日まで 首都圏3県と大阪府追加」として、7月29日20時1分付で報じています(https://www.asahi.com/articles/ASP7Y6JYJP7YUTFK01S.html)。

 正式には今日決定されることとなっています。夏休み一杯が緊急事態宣言の期間となります。やはり予想通りで、これまで日本で出された緊急事態宣言は全て期間延長がなされたこととなります。いかにも小出しですし、8月31日までとされたことの理由もよくわかりません。おそらく、多くの都道府県、市町村の小学校、中学校および高校で夏休みが8月31日までとされていることによるのでしょう。

 経済が冷え込むことは承知の上で、昨年の第1回緊急事態宣言のように、大規模商業施設の閉鎖なども行われなければ、感染者数は増えるだけかもしれません。8月中にワクチン接種を受ける予定の私も戦慄を覚えます。そして、8月中に新規感染者数が減り、病床使用数も減るのでなければ、小学校、中学校および高校の2学期、大学の後期講義期間は、原則としてオンラインに拠るという状況に追い込まれるのではないでしょうか。私はそういう予想を立てました。ちなみに、川崎市立の小学校は、近年、8月下旬(23日頃)から2学期が始まりますが、今年は8月27日に始まるとのことです。

 これまでの慣例(或る意味においてです)の通り、第4回緊急事態宣言のさらなる期間延長、また対象地域の拡大も十分に予想できます。外れることを祈っています。

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予想通りの展開 第4回緊急事態宣言の対象地域が拡大されることになりそうです

2021年07月29日 05時00分00秒 | 国際・政治

 昨日(2021年7月28日)に掲載した「メダルラッシュどころはない、コロナラッシュのほうが重大だ! 玉砕も間近か?」の冒頭に「予想通りの展開となってきました」と記しました。別に私でなくとも、誰でも簡単に予想できたことです。

 私は、別の記事において第4回緊急事態宣言も例の通り小出しとしか言い様がないものである旨を書いています。東京都だけが対象地域になったことも不思議でしたし、期間が8月22日までとされたことにも疑問が湧きました(勿論、或る程度の推測はできました)。実際に緊急事態宣言が実施されたのは7月12日からですが、それから3週間も経たないうちに、神奈川県、千葉県、埼玉県および大阪府も対象になるようです。朝日新聞社が、昨日の21時38分付で「首都圏3県と大阪府に宣言検討 政府、30日にも決定へ」として報じています(https://www.asahi.com/articles/ASP7X71N7P7XUTFK01T.html)。

 昨日、9000人超えと報じられましたが、日本全国で9583人の新規感染者が確認されました。今月中の10000人超えもありうるという状況ですし、医療機関の逼迫、さらに言えば医療崩壊も考えておかなければならない状況です。デルタ株という、感染力が強いCOVID-19の変異種が猛威を振るっているようで、しかも世界的にはワクチン接種済みでも感染のリスクが高いとも報じられています。早い話がワクチンもきかないようなものなのです。

 何でもかんでもオリンピックのせいであるという訳ではないでしょうが、原因の一つとして数えられることにはなるでしょう。急に設定された先週の4連休(海の日が19日から22日に変更され、23日は「スポーツの日」になりました)が明けてから、感染者が増えました。政府がどの程度の感染者増を想定していたのかわかりませんが、慌てたようです。

 新規感染者数の増大も問題ですが、病床使用率の増加も重大です。4月27日において、埼玉県では51%の病床使用率となっています。これはステージ4の領域です。千葉県が46%、神奈川県が42%です。記事には大阪府の病床使用率が書かれていませんが、新規感染者数が2日連続で700人超えとなったことは書かれています。いずれにせよ、かなり危険な状態であると言えないでしょうか。当たり前のことですが、COVID-19の感染が拡大すれば、その他の病気で入院している患者に対する医療態勢にも多大な影響が及びます。

 それでも、東京オリンピックは強行されるでしょう。報道サイトを見れば一目瞭然、COVID-19よりもオリンピックが優先されているような状況ですし、今の政府(内閣)および東京都の姿勢からすると、余程のことがなければ(いや、今も余程のことであると思うのですが)中止はしないという方針なのでしょう。具体的な国民の生命・健康は「どうでもいい」という感情が見え隠れします。まさしく第二次世界大戦中の日本です。ポツダム宣言の受諾の際ですら、国民は「どうでもいい」という扱いでした。当時の政府には国体護持しか頭になかったのです。歴史的な観点に立てばむしろ当然のこととも言えますが、国民の生命・健康が蔑ろにされている、とまでは言えないとしても二の次と考えられている点において、戦時中とよく似た状況にあると言えるのではないでしょうか。このままでは、1945年と同じように無残な8月を迎えることは避けられない情勢です。

 さらに、このブログでも既に記したように、緊急事態宣言が具体的に何の意味なり効果なりを持つことになるのか、疑念を持たれる方も少なくないでしょう。私もその一人です。仕事のためにデ車に乗ると、人手はそれほど減っていないように感じられます。飲食店への執拗とも言える圧迫が反発を招いているように、少なからぬ国民は不信感を持ち、冷笑的な態度をとるでしょう。だからと言って力尽くで国民に言うことを聞かせるという態度では、余計に国民の不信感が強まるだけです。

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メダルラッシュどころじゃない、コロナラッシュのほうが重大だ! 玉砕も間近か?

2021年07月28日 19時00分00秒 | 社会・経済

 予想通りの展開となってきました。

 「だから言わんこっちゃない!」、「案の定」という表現がピッタリです。

 競馬などの予想であれば、的中すると喜ぶものでしょうが(しかも大穴が当たったりすれば)、COVID-19関連の予想が的中しても、うれしくも何ともありません。

 私は、このブログで「オリンピック開催期間中に第4回緊急事態宣言の延長および対象領域の拡大が行われるでしょう。沖縄県の第3回緊急事態宣言もさらに延長されるでしょう。こうなると、東京オリンピックは途中で中止、東京パラリンピックは完全中止となるでしょう」と記しました。「こうなると」以降はともあれ、第4回緊急事態宣言の延長および対象地域の拡大は行われる可能性は高くなりました。

 既に、神奈川県、千葉県および埼玉県の知事が緊急事態宣言の要請を行っていますし、今日(2021年7月28日)の午後、東京都での新規感染者が3177人、神奈川県での新規感染者が1051人と発表されました。東京都での3000人超えも神奈川県の1000人超えも史上最多です。なお、東京都については朝日新聞社のサイトに今日の15時58分付で掲載された「東京の新規感染者は3177人、初の3千人超 最多更新」という記事(https://www.asahi.com/articles/ASP7X56BGP7XUTIL02B.html)により、神奈川県については神奈川新聞社に今日の17時24分付で掲載された「28日の神奈川 過去最多1051人感染 初の千人超 新型コロナ」(https://www.kanaloco.jp/news/social/article-598542.html)によります。

 それだけではありません。玉砕に向かってまっしぐら、ということなのでしょうか。日本全国での新規感染者が9000人を超えてしまいました。昨日までは、今年1月8日の7958人が最多だったのですが、これを書いている時点では詳細がわからないものの、9000人を超えているということですから、10000人超えも時間の問題です。東京都および神奈川県の他にも、埼玉県で870人、千葉県で577人、茨城県で194人、京都府で175人、石川県で119人と、いずれも過去最多の更新です〔朝日新聞社のサイトに今日の18時付で掲載された「新規感染者が初めて9千人超す 東京、神奈川などで最多」という記事(https://www.asahi.com/articles/ASP7X5W7GP7XUTIL05W.html)によります〕。また、Yahoo! News Japanに今日の16時56分付で掲載された、日本テレビによる動画付きの「埼玉、千葉、神奈川”宣言発出”決定で検討」というニュース(https://news.yahoo.co.jp/articles/7606091fba2586fb1f00309ae72120e7ab69f68d)によると、神奈川県、千葉県および埼玉県について、30日にも第4回緊急事態宣言の対象地域に加えることを政府が検討するとのことです。

 まさにコロナラッシュというに相応しい状況になっています。メダルラッシュ(ゲームセンターのような表現ですね)どころの話ではないでしょう。金メダル獲得数が何位だなどと騒いでいる状況ではないのです。

 しかも、未だにワクチン接種があまり進んでいない上に、仮に接種したとしても感染リスクから逃れられる訳ではありません。変異株のこともありますし、ワクチンを接種しても効果は非常に短く、インフルエンザ予防接種と同様に一生に何度も繰り返さなければならないというのが現状です。実際に、「ワクチン接種を済ませているのに感染した」という報道がなされていますが、世界的に見ればむしろ当たり前の現象でもあり、科学的な観点での報道がいかに日本でなされていないか(なされているとしても不足しているか)、官邸、政府のワクチン一辺倒のような発言がいかに現実からかけ離れているか、ということの証しにもなっています。まあ、世界では誰も相手にしない血液型占いを信じている人が多い日本だから、というところでしょう。オリンピックのほうが子どもの運動会やピアノの発表会よりも大事だなどという、とんでもない失言である上に、一応は言論界の一角を占めている出版社の人間とは思えない(想像力に乏しいという意味での)貧困な発言を行うような人がいる国です。

 いずれにせよ、大変な夏を迎えてしまいました。1945年とは違う形での敗戦を迎えるような気がしてなりません。

 そもそも、第4回緊急事態宣言の意味なり効果なりがどれだけあるのかという根本的な疑問は残りますが、これを脇に置いておくとして、対象地域の拡大が南関東の1都3県に留まるのか、期間の延長はないのか、という心配はあって当然です。また、悪いことに、国も東京都もオリンピックのために相当な出費をしています。COVID-19に備えるのであれば、2020年度予算の繰越金の全てをCOVID-19への対策に充て、他のことには一切使わない、くらいに徹底しなければなりません。一部を東京都、神奈川県などに特別交付税の形で割り当てるのもよいですが、その場合でもCOVID-19への対策、医療崩壊を防ぐための措置に充てることが必要です。間違っても、GoToだの国土強靱化だのポストコロナだのに費やしてはなりません(こう書いても与党の圧力によってCOVID-19に直接関係しない政策に向けられる蓋然性はありますが、そうなったら間違いなく玉砕でしょう。まあ、それも日本らしくてよいのかもしれませんが)。

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東京メトロ17000系17103F

2021年07月28日 07時00分00秒 | 写真

 2021年、東京メトロ有楽町線および副都心線のための新車、17000系が営業運転を開始しました。仕事の関係で和光市駅を利用した際に、有楽町線新木場行きとして運用されている17103Fを撮影することができました。

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2020年度予算の繰越金が30兆円を超える?

2021年07月27日 07時00分00秒 | 国際・政治

 このブログで、2020年度第3次補正予算について何度か記しました(「驚きの令和2年度第3次補正予算の案」および「緊急事態宣言再々延長 何のための令和2年度第3次補正予算?」)。どう考えても執行できない補正予算を組んだのであれば、2020年度内に第4次補正予算を組むべきであったと思うのですが、そうしなかったために巨額の繰越金が生まれることとなりました。読売新聞社が、2021年7月26日5時付で「昨年度予算の繰越金、30兆円の見通し…コロナ対応補正で過去最大に」(https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210725-OYT1T50300/)として報じています。

 30兆円超という繰越金は、勿論、過去最大の額です。2020年度予算は、当初予算の他に3回にわたる補正予算のために、当初は102兆7000億円程であったのが175兆円7000億円程という膨大な額になった訳ですが、その5分の1程は執行されていないのです。予算単年主義ということからすれば、不用(不要)な予算項目が多く組まれたということになります。

 記事には、2012年度に7兆6000億円程の繰越金が発生したことが書かれています。当時の予算が手元にないのですが、建設公債の発行限度額より多いくらいでしょう。7兆円台というと最近の法人税収額くらいではないかと思われます。しかし、2020年度予算の繰越額は30兆円を超えますので、これは同年度の特例公債(赤字国債)の発行限度額(当初予算において25兆4462億円)を超えます。ちなみに、2021年度の特例公債(赤字国債)発行限度額は37兆2560億円です。

 こうなると、記事にも書かれているように「与党は歳出増への圧力を強めるとみられ」るでしょう。しかし、COVID-19のために繰越金が多くなったとも考えられるので、安易な歳出増は必ず破綻を招きます。

 資料を入手して分析したいところですが、さしあたりは上記記事によると、「繰越金が最も多かったのは、実質無利子・無担保融資を行う官民金融機関の資金繰り支援の予算で、約6.4兆円になる見通しだ。コロナで業績が悪化した企業に対する政府系金融機関の融資が想定ほど伸びなかった。地方創生臨時交付金も、5兆円程度を繰り越す予定だ。営業時間の短縮要請に応じた飲食店を支援する協力金の原資が主な用途となるが、都道府県が担う給付作業が追い付かなかった」ということです。本当に「都道府県が担う給付作業が追い付かなかった」ためなのかという疑問はあります。そもそも政府系金融機関の融資や地方創生臨時交付金の仕組みに問題があったから、繰越金が巨大になったのではないかとも考えられるのです。

 また、緊急包括支援交付金が1.5兆円、GoTo関係が1.3兆円となっています。GoToは、内容の良し悪しを問う前にそもそも時期が悪く、未消化のまま終わるであろうということが簡単に予測できただけに、第3次補正予算を編成したことの意味が改めて問われなければなりません。そして、その繰越額は国債の返済金に充てるべきでしょう(自転車操業的になるのは仕方のないところです)。

 緊急包括支援交付金が1.5兆円の繰越となったことについても、具体的な事情を追及しなければならないでしょう。この交付金は、記事を引用するならば「医療機関がコロナ患者を受け入れる病床の確保に必要な費用などに充てる」ためのものですから、有効に使われるべき交付金です。そして、COVID-19の変異株(ウイルスは短期間に何度も変異します)などに対処するためにキープされるべきものです。

 記事にも「国と地方の長期債務残高は21年度末に、主要国で最悪の水準となる1209兆円まで膨らむ見通しだ」と書かれています。ドイツが、2020年にCOVID-19への対策として時限的減税などの策を打ち出せたのは、財政黒字であったからに他なりません。その裏返しが日本で、2020年に一度だけ特別定額給付金が出されただけです(考え方によっては、国民が国に納めた税金が国民に戻ってきただけなのです)。法的性格も曖昧で語義矛盾とも捉えられる自粛要請が緊急事態宣言の名の下に繰り返されたのも、結局は財政赤字のためでしょう。

 景気が悪いから歳出増というのは、日本で何度となく繰り返されてきました。しかし、効果はあったのでしょうか。

 おそらく、これまでと全く同じで、何らまともな検証はなされないまま、今年も景気回復策などとして大盤振る舞いなのかどうかわからないバラマキ政策が次々に出されることでしょう。日本の特技と言えるでしょう。

 ここで冷静に思い出していただきたいのは、バラマキというのは広く薄くの話であって「あれもこれも」なので効果が非常に薄いということです。節分の時の豆まきと同じで、豆を大量にまいても相手が多いので一人一人が手にする豆は僅かなものです。そして、1970年代まで進められてきた、鉄道敷設法に基づく国鉄のローカル線建設と同じで、日本全国に広がる建設予定線に、何のメリハリも付けずに予算を薄くばらまいたので、建設途上のまま開通もせずに廃止された路線が多かったのでした。あるいは、開通した路線であっても収益をほとんどあげられないところが多いのです。

 私も含めて、日本人の多くは「あれもこれも」という思考に陥りがちです。しかし、COVID-19のおかげで得られた教訓は、「あれもこれも」ではなく、キルケゴールの著作ではありませんが「あれかこれか」(Entweder-Oder)が大事であるということです。取捨選択が必要であると言い換えてもよいでしょう。そして、場合によっては「あれもこれも」選択するのではなく、「あれもこれも」選択しない(Weder-Noch)ということです。

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いつまで走るか 東急電鉄8500系8619F その2

2021年07月27日 00時00分00秒 | 写真

仕事に行く際に、二子玉川駅で撮影しました。各駅停車押上行きです。

おそらく、現在残っている8500系では最も車齢が高いものが入っている編成ではないでしょうか。

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テレビがいっそうつまらない

2021年07月26日 12時00分00秒 | 日記・エッセイ・コラム

 東京オリンピックが始まってから、NHKなどはオリンピック一色です。そのため、昨日(2021年7月25日)は、NHK教育テレビの「日曜美術館」がないなど、つまらない日になってしまいました。

 こうなると、見たいテレビ番組などないというのが、我々夫婦の共通語です。もっとも、私は普段からあまりテレビを見ませんので、影響もそれほどのものではないのですが。

 テレビを見ているしかやることがない、というような人間にならなくてよかった、と思っています。

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教養、あるいは歴史、哲学、芸術の重要性

2021年07月25日 00時00分00秒 | 国際・政治

 たまたま、日刊ゲンダイのサイトを見たところ、三枝成彰氏による「【東京五輪】日本人の『知性低下』を露呈した東京五輪…政治家も官僚も私利私欲に走る」という記事を見つけたので、読んでみました。2021年7月24日の6時付です(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/292330/5)。

 正直なところ、私は以前からオリンピックなどに関心がないので、今回も中継を見ていません。しかし、東京五輪は、開会式直前に様々なゴタゴタがあり、「一体何をやっているのだか」と思っていました。三枝氏は「開会式の音楽担当の小山田圭吾さん辞任にも呆れたが、今回のオリンピックをめぐっては、競技場の設計と大会のロゴマークのやり直しや総合演出の交代など、選ぶ側の見識を疑うことばかりが続いている。売れることを優先して人間性などのチェックをおろそかにするからこうなるのだ」と書かれています。「まさにその通りです」としか言い様がないのですが、さらに三枝さんはこう続けています。

 「成り行きのひどさに言葉もないが、制作チームの人選も広告代理店に丸投げしていたためだろう。広告代理店はマーケティングや流行りを見込んで企画を立てるから、知性や文化的な意味づけなど期待すべくもない。」

 「ロンドン五輪では英国を代表する指揮者のサイモン・ラトルが演奏し、北京五輪では国際的映画監督のチャン・イーモウが演出した。どちらもその国の文化の顔ともいえる人物で、スポーツと文化の大国であることを十分にアピールしていた。」

 「東京五輪の人選にはそうした文化への深い理解がまったく感じられない。元文科相や政府首脳らのお歴々が、歴史、哲学、芸術などのリベラルアーツを知らないからこうなるのだ。」

 都合上、段落毎に引用しました。小林賢太郎氏の解任事件は、まさに歴史の知識の欠如、あるいは歴史感覚の欠如によるものでしょう。私がよく見ている「一月万冊」で人権感覚の稀薄さが度々指摘されているのも、リベラル・アーツへの関心の薄さが関係しているのではないかと考えられます。さらに記せば、読書の少なさでしょう。日本の大学生の平均的な読書時間が他国の大学生に比較して極度に短いことはよく知られています(神保町の変化は、読書時間の減少と関係があるのではないかと思っています)。

 私が記事に同感する点は、最後に引用した文章によるところが大きいのです。昨今の教育情勢にも共通する点で、長らく、政治や行政が大学などの教育機関に求めてきたのは、良い表現であれば「実学重視」ですが、実際のところは単なる教養の切り捨てです。人文科学や社会科学が軽んじられ、科目が削減されたりしている訳です。実際、私が教室で、書店で、など色々なところで、私自身のことを含めて驚かされるのが、歴史、哲学、芸術などに関する知識(本当は知恵が望ましいのですが、さしあたりは知識です)のなさです。目先のことばかり考えられているから、たとえば自然科学でも基礎科学が軽んじられたりするのですが、こうしたことが日本の競争力の喪失につながっているのでしょう。一部の政治家はもとより、広く日本国民に見られると思われる法治主義、法の支配に対する知識の欠如は、COVID-19の猛威の下で見事なまでに暴かれてしまいました。

 時々、政治家の発言などを見ると「この人は、果たして大学でどの程度勉強なり学習なり研究なりを積んだのだろう?」と思うことがあります。ドイツの政治家には博士号取得者が何人も見られます(例、現在の連邦宰相であるメルケル氏、『荒れ野の40年』で有名な元大統領のリヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー氏。『荒れ野の40年』は、私が大学院生時代にドイツ語の本で入手し、ドイツ語の勉強のために何人かの院生と輪読をしたことがあります)。別に博士号を取得している必要はありませんが、教養も何もない、ただひたすら思い付いたことを放言しまくるというのでは、メッセージも何もないということになります。昨今の政治家の「言葉の軽さ」はよく指摘されるところです。

 NHK教育テレビで放映されている「日曜美術館」で、時々、1970年の大阪万博のことが取り上げられます。私自身はまだ2歳でしたし、大阪万博を直接体験していないのでよくわからないことも多いのですが、日本はもとより世界の、前衛に位置する芸術家、たとえば岡本太郎、カールハインツ・シュトックハウゼン、ヤニス・クセナキスが関わっていたことに驚かされたことがあります。

 2025年に再び大阪で万博が開かれることになっていますが、果たして、1970年と同様のことが起こるでしょうか。あまり期待はしないほうがよいという答えが返ってくるでしょう。

 元々、私は歴史に関心がありました。だからという訳でもないのですが、大学に入り、法律学に取り組み始めてから、すぐに歴史や哲学の重要性に気付かされました。法の支配、法治主義など、憲法学における概念の一つ一つに、歴史や哲学などの背景があります。勿論、憲法学に限られません。

 背景を切り捨て、概念そのものだけを取り入れるのは、明治時代以来の伝統なのかもしれません。和魂洋才という言葉もあるくらいです。ただ、よく覚えていないのですが、当時からそのような姿勢に対する批判はあったはずです。しかし、現在にまで続いているのです。いや、和魂でも入っていればまだよいのかもしれません。何の魂も入っていなければ、話にならないでしょう。

 ★★★★★★★★★★

 クラシック音楽の世界を見ていると、法律学と音楽には浅からぬ関係があることがわかります。このことを、ドイツの法学者、パウル・キルヒホーフ氏が、ドイツ租税法学の父と言われるアルベルト・ヘンゼルについての論文の冒頭に書いています。ヘンゼルの母方の系図をたどっていくと、あのフェリックス・メンデルスゾーンの姉、ファニー・メンデルスゾーンにつながるのです。ヘンゼル自身もピアノを演奏していたようですし、彼の最初の論文はベートーヴェンに関するものです(私も大分大学時代に入手しました。訳してみようかと思いつつ、まだです)。

 この他の例をいくつかあげておきましょう。まずは、「トロイメライ」などで知られるシューマンで、彼はライプツィヒ大学の法学部に入学しています。次が、交響曲第6番「悲愴」などで知られるチャイコフスキーです。彼は法律学校の出身で官吏の経験もありました。そして、20世紀の大指揮者の一人であるカール・ベームです。彼は法学博士号を取得しています。

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東武9050系9152F

2021年07月24日 00時00分00秒 | 写真

仕事の関係で東京メトロ副都心線および有楽町線を利用することがあります。その両線を、東武9050系が走っています。まず、渋谷駅5番線に入線した9152Fです。

既に通勤急行和光市行きとなっていますが、東急東横線では急行和光市行きでした。渋谷駅で種別変更するのはよくあることです。

なお、9050系と記しましたが、東武鉄道の公式の表現は9050型となっています。

 和光市駅で撮影しました。電留線に向かって行きます。

 9050系は、東上線と地下鉄有楽町線との相互直通運転のために製造された9000系のマイナーチェンジ版で、9000系がチョッパ制御であるのに対し、9050系はVVVF制御です。また、9000系は東武鉄道で最初の10両固定編成であるとともに初のステンレス製車体であり、9050系も引き継いでいます。現在、9000系の9101Fは東上線のみで運用されていますが、9000系のその他の編成と9050系の全編成は東上線、地下鉄有楽町線および副都心線、そして東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線においても運用されています。また、9101F以外はワンハンドルマスコンに改造されています。

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