ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

かつては東京メトロ半蔵門線に乗り入れた東急2000系、今は大井町線用の9020系

2021年05月31日 23時55分00秒 | 写真

 1992年、東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線の輸送力強化のために、2000系がデビューしました。1編成を除いて東横線用であった9000系のデザインを踏襲したような外見で、田園都市線・半蔵門線では初のVVVF制御車です。

 最初の2編成(2001Fおよび2002F)は10両編成で1992年に田園都市線に登場しましたが、最後の1編成(2003F)は、当初は8両編成で1993年に東横線に登場しましたが、その年のうちに10両編成化されて田園都市線に移りました。

 それ以来、2000系は田園都市線・半蔵門線で活躍してきましたが、半蔵門線の押上延伸および東武伊勢崎線・日光線への直通運転の開始が、この系列の運命を変えました。2000系は東武伊勢崎線・日光線に直通することがなかったのです。そのため、田園都市線・半蔵門線における運用も限られることとなり、沿線の住民でも平日の朝夕ラッシュ時以外に見ることが難しいという車両になってしまいました。

 そして、2020系のデビューとともに8500系の廃車が進むことになります。このことが2000系にも多大な影響を及ぼします。東武伊勢崎線・日光線に乗り入れることのできない系列は、大井町線用の8500系が廃車されたことに伴い、5両編成化されて大井町線に転属します。その直後は2000系のままでしたが、程なく9020系に改められました。 

 田園都市線・半蔵門線時代には急行や準急としても運用されましたが、大井町線に転属してからは各駅停車専用です。また、VVVF駆動装置も取り替えられ、パンタグラフのシングルアーム化などの改造も施されました。写真の9021F(上の写真はクハ9121が先頭となっています)は、二子新地駅および高津駅には停車しない、或る意味で純粋な大井町線の各駅停車として運行されていました。種別を示す表示が、田園都市線の準急と同じく白地の緑文字であるため、すぐにわかります。通称はG各停や緑各停です。

 溝の口行きなので、クハ9021が最後尾となっています。

 大井町線の各駅停車にはもう一種類があります。二子新地駅および高津駅に停車するもので、車内の自動放送では「田園都市線経由」と案内されます。種別表示は青地の白文字で、これは田園都市線の各駅停車の表示と同じです。

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小出しの第3回緊急事態宣言は再延長/五輪グッズの広告

2021年05月29日 11時20分00秒 | 国際・政治

 大方の見通しの通り、第3回緊急事態宣言は再延長となりました。6月20日までということで、いかにも東京オリンピックが念頭に置かれたことが見え見えな設定です。しかし、パンデミックが1年かそこらで終焉するという大甘な見通しがそもそもの狂いの発端で、そこに電撃戦論なのか短期決戦論なのか、小出しの緊急事態宣言では、COVID-19に対応できる訳がない、とも言えるでしょう。

 思い起こすと、2020年4月の第1回緊急事態宣言も一度延長されました。2021年1月の第2回緊急事態宣言は二度延長されています。そして第3回も二度の延長です。とくに第3回は期間が短く、発症者数を減少させて病床数を確保することなどできないだろうと思っていたら、案の定の再延長にして再々延長です。宝島社の意見広告ではないですが、B29を竹槍で落とそうという第二次世界大戦中の日本のプロパガンダと同じような状況になっています。同じようなことを指摘される方も多いですね。

 しかも、延長するにしても具体的な目標が何なのかは、よくわかりません。最近の政治では、肝心なことが隠される、隠されるという表現が悪ければ表明されないという状況が多く、国民主権も民主主義もあったものではないと思わされます。多くの国民が五輪中止を表明しても何処吹く風で、IOCに至っては感染は自己責任などと口にしたそうです。主催者は一切責任を負わないという訳でしょう。どこまで人を馬鹿にしているのか? 貴族には庶民の生活などわからない、ということでしょうか? それとも、私がこのブログで記したように「一本の木には2,3枚の枯れ葉がある。だからと言って木を切り倒す訳にはいかない。大局を見ろ」という毛沢東の言葉のような精神がIOCなどには根付いているのでしょうか。「一人一人の命などたいしたことはない」。「命は鴻毛より軽し」。「大イベントこそが大事なのだ」。こうした考え方がなければ、パンデミックでオリンピックという思考(志向)にはならないでしょう。やはりこのブログにも書いた志鳥栄八郎氏とピエール・ブーレーズ氏の話ではないですが、日本の政府や役所には国民の生命を守るという目的も使命感もないのでしょう。

 一方、マレーシアでは6月1日から2週間の全土封鎖に踏み切ると、共同通信グループのNNA ASIAが「《速報》全土で完全封鎖、来月1〜14日まで」として報じています(5月28日付。https://www.nna.jp/news/show/2194212)。随分と思い切ったことをすると思われる方もおられるでしょうが、変異株の猛威などを念頭に置けば、このような措置を採ることも十分に理解できます。

 このところ、疑問に思っていることがあります。

 私より上の世代であれば、毛沢東思想を知っている人が多いはずです(彼が亡くなったのは1976年9月で、私は小学校2年生でした。日本でも大きく報じられたことを覚えています。ちなみに、周恩来が亡くなったのは1976年1月です)。私でも『毛沢東語録』などを(日本語訳ですが)読んだことがありますし、エドガー・スノーの『革命、そして革命』なども読みました。だから、毛沢東の持久戦論を読んだことがある人は多いはずなのです。少なくとも、学生運動華やかりし頃に毛沢東思想に触れた(表現は悪いですが「かぶれた」)という方は多いはずです。持久戦論を思い起こした政治家や官僚、有識者はいなかったのかと疑問に思うのですが、いかがでしょうか。持久戦論を参考にすれば、短期決戦という甘い見通しの下に戦争に突進した大日本帝国と同じ轍を踏み、小出しの緊急事態宣言と(愚かしい)精神論で押し切ろうとすることはなかったと思うのです。

 最近、伊藤周平教授の『社会保障法 権利としての社会保障の再構築に向けて』(2021年、自治体研究社)を入手しました。伊藤教授の著書には納得できる内容が多いのでよく読ませていただいておりますが、『社会保障法』もそうです。その「はしがき」から、少し長くなりますが引用させていただきます(脚注は省略。4〜5頁)。

 「政府の新型コロナ対策は、感染症患者の治療にあたる医療機関に対する診療報酬の引き上げや慰労金・持続化給付金の支給などはあったものの、布マスクの配布など場当たり的な対応に終始し、事業者への『補償なき自粛要請』」、そして国民への『外出自粛・自助努力』などの要請に終始し、まさに無為無策といってよい。そもそも、欧米諸国で行われた外出禁止・都市封鎖(ロック・ダウン)と異なり、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく営業制限や外出移動制限は『自粛要請』という言葉に象徴されるように、強制力のないものであり、それがもたらす損失を補填する国・自治体の法的責任もない。政府は、強制ではなく、あくまでも事業者や国民への自粛要請という形をとることで、感染を拡大させた失策の責任を国民の自己責任に転嫁しようとしている。そして、過剰なまでに自己責任論と同調圧力の強い日本社会では、自粛要請は事実上の強制と化し(マスコミも異常なまでに自粛を訴えた)、加えて、他の国に比べて異様に少ない検査体制が招いた感染拡大が、人々の感染への不安と恐怖、疑心暗鬼を加速、休業要請に応じない事業者へのバッシングが過熱した。感染者のみならず医療従事者など感染可能性のある人への差別も顕在化し、国民の間に、分断と差別がもたらされた。」

 この後に医療崩壊のことも書かれていますが、長くなりすぎますので省略します(是非、皆様に読んでいただきたいものです)。

 この1年ほどの情勢を見事にまとめられた表現です。付け加えるとするならば、国や地方公共団体が国民に対して法的責任を負わないようにするために、自粛要請という(少々おかしな)表現が用いられる訳です。行政法学でいう行政指導のようなものです(特定の人に向けられなければ行政指導とは言えませんが)。これでは従わない人も出てきますし、正直者が馬鹿を見るようなことが多発してもおかしくありません。「自粛疲れ」が募って週末に繁華街などでの人出が多くなるのも当然でしょう。ダラダラと、何処まで意味があるのかわからない緊急事態宣言と「マンボウ」(まん延防止等重点措置)が続くだけです。また、誰が感染してもおかしくないのに、感染者がいるといって村八分にする地域も少なくないと聞きます(これでは定住政策がうまくいくはずがありません)。所詮はこの程度の「民度」なのです(だから最近は「民度」が口にされなくなったのでしょう)。

 もう一つ、付け加えるとするならば、「過剰なまでに自己責任論と同調圧力の強い日本社会」という表現はその通りであると評価できますが、よく考えると「自己責任論」と「同調圧力」は矛盾しないだろうかという疑問が浮かびます。「自己責任論」は、いかなる事故などに遭おうとも自己の責任に帰するというものですし、「同調圧力」は個人の自己責任、さらに個人の自立性(自律性)を否定するものであるからです。しかし、両立するのが日本であるということでしょう。もっとも、「自己責任論」の内容も怪しいものであると言えるかもしれません。

 第3回緊急事態宣言は二度目の延長となりましたが、二度あることは三度ある、ということで三度目の延長はありうると考えるべきでしょう。東京五輪どころではない! 観戦であったか、都内の児童・生徒を動員しようという動きもあるようですが(大分県で国体の観戦に高校生が動員され、豊肥本線にそのための臨時列車が走っているのを敷戸駅付近で見たことを思い出しました)、これこそ第二次世界大戦下の日本と同じで、若い人の生命・健康をただ無駄にするだけです。

 仮に東京五輪が強行されるならば、もう、莫大な金がかかり、一部の人や企業が儲かるだけの馬鹿騒ぎ、饗宴ならぬ狂宴の開催場所に手を上げる都市はなくなるでしょう。それが健全な方向です。露呈した、命よりイベント、命よりお金の体質に、我々がお付き合いする必要はないからです。COVID-19より前に、住民投票で五輪開催地の立候補を断念した都市もいくつかあります。賢明な市民、高い「民度」と評価できます。

 

 ここで話題を変えます。但し、五輪つながりではあります。

 3月30日付で「東京五輪公式ショップ そもそも見たことがなかったのですが」という記事を掲載しました。その後、我が地元の文教堂書店溝ノ口本店に東京五輪グッズのコーナーがあるのを見つけました(売れているのでしょうか?)。また、最近、東京メトロの車両で五輪グッズの広告を見ました。よく見たらミニプレートでした。さらによく見ると、ミニプレートが売られているのではなく、五輪グッズを3000円以上購入するとミニプレートも付いてくるという内容です。御丁寧に「きっと、一生モノになる」というキャッチフレーズも書かれています。

 いつからこの広告が半蔵門線や南北線の車両(東京メトロ8000系、08系、9000系)に吊られているのかはわかりません。しかも、これらの路線に乗り入れている東京メトロ以外の車両(東急8500系、同5000系、同2020系、同3000系、同5080系、同3020系、東武30000系、同50050系、東京都交通局6300形、埼玉高速鉄道2000系)には、目で確認した限りでは五輪グッズの中吊り広告がないのです。JR東日本はどうでしょうか。山手線では見かけなかったのですが、ただの見落としかもしれません。

 今日(5月29日)の6時付で、日刊ゲンダイのサイトに「【東京五輪】東京五輪グッズは死屍累々…メーカーから漏れる”怨嗟の声”」という記事が掲載されており(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/289783)、それによると菓子メーカーの状況が苦しいようで、製造中止、生産または販売の再開未定が相次いでいるそうです。五輪組織委員会に入るロイヤルティーは商品価格の5%とのことで、メーカーは損をしても五輪組織委員会は損をしない仕組みになっています。まあ、そういうシステムであることはわかりますが、売上が伸びないのではどうしようもありません。

 報道は抜きにしても(何処の報道であれ、事実と違う、あるいは事実と違う訳ではないが不徹底であるということはありますから)、この状況で五輪グッズが売れているはずはないだろうと考えるのが自然です。電車に乗っていても、五輪のトートバッグぐらいは持っている人がいるだろうと思っていても、マスクぐらいは着用している人がいるだろうと思っていても、みかけたことがありません。キャラクターのぬいぐるみもありますが、可愛いとは正反対の、グロテスクにすら見えるデザインなので欲しいと思う子どもはいないのではないか、と疑いたくなります。

 この時期にミニプレートとは? あれこれと頭を動かし、勘ぐってみると面白いかもしれません。 

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都営バス 橋86系統赤羽橋駅前行き

2021年05月28日 00時10分40秒 | 写真

 かつて、目黒駅のすぐ近くに都営バスの目黒自動車営業所がありました。再開発の影響で閉鎖され、港区港南に品川自動車営業所の港南支所が設置されました。目黒自動車営業所が管轄していたバス路線の多くが港南支所または品川自動車営業所の管轄となっており、目黒駅前から新橋駅または赤羽橋駅まで走る橋86系統は港南支所の管轄となっています。

 目黒駅前には2つのバスターミナルがあります。都営バスのターミナルは東口で、この橋86系統や黒77系統(目黒駅前から千駄ヶ谷駅前まで)、品93系統(目黒駅前から大井競馬場前まで)が発着します。これに対し、西口は東急バスの発着場所です(但し、東98系統の発着場所は異なります)。

 このバスは、目黒駅前を出ると目黒通りを走りますが、白金台(「しろかねだい」と読みます)交差点を左折して恵比寿三丁目、天現寺橋を経由して広尾駅前に出て、元麻布二丁目、仙台坂を通り、二ノ橋(バス停の表記)、麻布十番駅前を通って赤羽橋駅前に出ます。そこからは神谷町駅前、東京タワーを通って新橋駅前に出ます。もうだいぶ前、まだ私が学部生か院生の頃、一度だけ乗ったのですが、一の橋、二の橋、三の橋、古川橋などは幼少時から何度も車で通ったりしているのに、元麻布を通ったことがあまりないので、情景などを思い出せません。

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目黒駅で東急3000系3007Fを

2021年05月27日 23時41分20秒 | 写真

東急目黒線の起点駅にして東京メトロ南北線および都営三田線の起点駅でもある目黒駅(MG01、N01、I01)において、東急3000系3007Fを撮影しました。

 運行番号が09Kとなっていますので、都営三田線からの直通電車です。東急目黒線の場合、奇数は目黒線と都営三田線を相互直通、偶数は目黒線と東京メトロ南北線および埼玉高速鉄道線を相互直通する運行であることを示します。アルファベットは、Kが東急(3000系、5080系および3020系)、Sが東京メトロ(9000系)、Tが東京都交通局(6300形)、Mが埼玉高速鉄道(2000系)です。

 3000系は上記各線の運行のために1999年から2001年にかけて製造された車両です。東急の新造車として集中型冷房装置、シングルアーム型パンタグラフ、ATO装置(目黒線ではATO機能を使わないのでTASC装置として機能)を初めて備えたものです。

 また、この3000系から東急の車両のデザインも大きく変わりました。8000系、8500系、9000系、1000系および2000系は切妻形でした(これには東急の2代目、五島昇氏の意向があったという話もあるそうですが、本当かどうかはわかりません)。8090系および8590系は切妻形ではないのですが、8000系から2000系までの流れを崩すものではありません。前面に曲線が入っていないからです。これに対し、3000系の前面には曲線が上手く取り入れられています。これが5000系で完成し、その後の7000系、2020系、6020系などに発展していくことになります。

 なお、横浜高速鉄道こどもの国線を走るY000系の基本設計は、この3000系と同じです。

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再び、ハンガリーはトカイのワイン

2021年05月23日 00時50分00秒 | 日記・エッセイ・コラム

中欧のワインを目にするようになってから、ワインに興味を持ち出している我々夫婦ですが、またハンガリーはトカイ地方のワインを、二子玉川ライズで見つけました。

 トカイといえば何と言っても貴腐ワインが有名ですが、これは辛口の白ワインです。もっとも、スッキリしていて飲みやすく、量に注意というところです。2000円も出せばお釣りが来るものです。

 私が大学生であった1990年前後に、ドイツの白ワインが流行したと記憶しています。それ以来、味がくどく、基になるブドウがまずいのではないかとすら思えてくる赤よりも白を好むのですが、ドイツ、ハンガリー、ブルガリア、ジョージア、エステルライヒと、白ワインが美味いので、見つけると買ったりします。それにしても、このトカイのワインはお買い得でした。

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再び、都道府県、都道府県庁所在地(都市)くらいは覚えておこう

2021年05月22日 00時00分00秒 | 受験・学校

 2020年3月9日付で「都道府県、都道府県庁所在地(都市)くらいは覚えておこう」、同年5月8日付で「各都道府県の代表的な市を二つ以上覚えよう」という記事を掲載しました。今回は、その続編になるのかならないのかわからないものとなります。

 2021年度も、2年生のクラス授業で地理などを出題しています。関東地方出身の学生が多いためか、関東地方の地理は比較的理解できているようですが(但し、北関東と神奈川県については怪しくなります)、他の地方については関心がないのか何なのか、覚えていないという人も少なくないようです。

 COVID-19のせいで、日本全国の状況が地図付きで報じられますし、とくに近畿地方の状況が悪いということで度々ニュースにもなっています。そこで、近畿地方の地図を出し、府県名と府県庁(本庁)所在都市を答えてもらおうと出題しました。但し、地図の関係で近畿地方以外の地方に属する県についても出題しています。

 こういう問題は出来不出来が極端に分かれるものなのでしょうか。パーフェクトという答案もあれば、散々な答案もあります。日本地図を見たことがないのか、あるいはニュースや天気予報を見ていないのか、と思われるものもあるのです。

 先に掲げた記事にも記しましたが、法律学に取り組むにも地理が必要な場合が少なくありません。地理がわからないと判決を読むことができないという場合もあるのです(とくに行政法について妥当します)。

 近畿地方を出題しているのに、東北地方や九州地方の県名、都市名が書かれているという答案も少なくありません。これは、天気予報や地震速報を見てもわからないということでしょう。政治や経済の話題も理解できないかもしれません。

 よくあるのが、滋賀県と三重県とを取り違えているものです(滋賀県庁は大津市にあり、三重県庁は津市にあります)。また、岡山県と広島県の位置関係を覚えていない人も意外に多く、兵庫県の隣が広島県であるなどと書かれたものがありました。赤穂浪士の話を知っていれば、そのような取り違えもないと思うのですが、いかがでしょうか。赤穂浪士は古すぎるということであれば、東海道・山陽新幹線の駅名などを知っていれば、まず間違いはないはずです(岡山駅と広島駅の位置関係を間違えることはありません)。これは、太平洋ベルト地帯の話とも関係があります(小学校か中学校か高校かわかりませんが、社会科で取り上げられるはずです)。歴史好きの方にはショックと思われるかもしれませんが、京都府と奈良県の位置がわからないという人も少なくありません。

 このブログをお読みの方はおわかりでしょうが、私は鉄道ファンでもあります。そのため、幼い頃から地図帳をよく見ていました。日本国内はもとより、世界地図も見て、どこにどの都市があるか、どの国があるかということを、大まかにではありますが覚えていったものです。時刻表にある日本全国の路線図(国鉄・JRグループ)もよく見ていましたから、実際に行ってみたことのない県が多いとしても、各都道府県にある市を二つ以上は覚えてしまいます。東海道・山陽新幹線のルートを覚えておくだけでも、様々なことに役立ちます。

 様々なきっかけがあるでしょうし、様々な覚え方があるでしょう。日本地図、世界地図を手元に置き、見てください。

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不等号の意味を理解していない?

2021年05月21日 22時23分30秒 | 受験・学校

 昨年、今年と、2年生のクラスを担当して驚かされたことがあります。

 それは、不等号の意味を理解していない学生が多いことです。採点していて、意味を理解していない、あるいは不等号そのものがわからない、と感じられる答案が多かったのでした。

 ここで問題を再現しておきます。

 

〔2〕所得税法第28条第3項第2号に「収入金額が百八十万円を超え三百六十万円以下」という文言がある。この場合、180万円は含まれるか、含まれないか。

〔3〕〔2〕にあげた条文によると、360万円は含まれるか、含まれないか。

〔4〕〔2〕にあげた条文の「 」内の意味を等号や不等号を使った式で示しなさい。

 

 まず、〔2〕の正答は「含まれない」です。「超え」と書かれているのであって「以上」とは書かれていないからです。この点を理解していない答案も若干ながら見受けられました。

 次に、〔3〕の正答は「含まれる」です。私は小学生時代に算数の授業で教わっていますが、「以下」と書かれていたら360万円を含むのであり、「未満」と書かれていたら360万円を含みません。よく「18歳未満はお断り」というプレートなどを目にしますね。

 そして〔4〕です。ここで収入金額をXとし、数式の関係で「万円」あるいは「円」の表示を省略しますと、〔2〕の文章は次のように数式化されます。

 1,800,000<X≦3,600,000

 なお、X円と書く場合には、必ず、Xが何を意味するか、断り書きを入れておいてください。また、「万円」あるいは「円」を省略する場合も同様です。実際に、180<X≦360 と書かれた答案も少なからず見受けられました。

 採点を進めると、〔4)について誤答が多く、驚きました。ここで例を示し、コメントを記しておきます。なお、収入金額はXとして表します。また、問題文に180万円、360万円とありますので、この表記による数式は正しいものとして扱います。

 ①180万円≦360万円

 ②180万円<360万円

 ①、②のいずれも、収入金額のことが全く示されていません。今の大学生であれば、不等式は(遅くとも)中学生時代に習っているはずです。私の出題は、中学生の数学に登場する文章題より簡単であるはずですが、意味を理解していないと受け取られてもおかしくありません。

 ③180万円<X≧360万円

 不等号の意味を理解していないのでしょう。右側の不等号が逆になっています。③であれば180万円<360万円≦Xという意味になりますから、所得税法第28条第3項第2号に示されているところから離れてしまうことは明らかです。そもそも、180万円<360万円≦Xとする意味もよくわかりません。

 ④180万円<360万円≧

 ⑤180万円<360万円>

 ④、⑤のいずれも③と似たような形ですが、360万円が何以上であるのか、または何より大きいのかが示されていません。

 ⑥180万円≧360万円

 本当に書かれていたので驚きました。このようなことが実際にあったら恐ろしい世の中になっています。

 法学部の学生であっても、簡単な数式くらいは理解できなければならないでしょう。「放置できない」と思っています。何せ、大学教員になってから、岡部恒治氏らの共編による『分数のできない大学生』や類書を読んでおり、それらの内容が正しいことを、身をもって知っています。法学部のクラス授業で一次方程式くらいは扱わなければならないのでしょうか。

 もしかしたら、大学生も二極化しているのでしょうか。

 私は、最近、よくYouTubeで(主に)高校受験の数学を扱うチャンネルを見ています。中学生時代に、増進堂・受験研究社から刊行されている自由自在シリーズの数学を持っていて、何度も読み返しては問題を解いたりしていたことを思い出しながら。

 しかし、そういう機会がなかった人も少なくないことは、容易に想像がつきます。原因が何であるのかは人それぞれかもしれませんが、仮に斎藤貴男氏の『機会不平等』などに書かれているようなことが大きな原因の一つであるとすれば、日本の没落も当然でしょう。何度も小出しに緊急事態宣言を出しては延長し、新型コロナウイルスの感染拡大を繰り返すような国家になってもおかしくはないのです。

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山本義隆『リニア中央新幹線をめぐって 原発事故とコロナ・パンデミックから見直す』

2021年05月18日 23時51分35秒 | 本と雑誌

 今日、板橋校舎の中にある書店で、タイトルに示した本を買いました。みすず書房から、今年の4月に刊行されたばかりの本です。

 今年に入ってからリニア中央新幹線関連の本を3冊買いました。タイトルに示した本、川辺謙一『超伝導リニアの不都合な真実』(2020年、草思社)、船瀬俊介『リニア亡国論』(2018年、ビジネス社)です。このうち、船瀬氏の本は取材の深さなどの面であまりおすすめできるものではないのですが、山本氏と川辺氏の著作はおすすめできます。

 川辺氏の本は、技術的な面、現在の東海道新幹線との比較の他に、山梨県にある試験線での試乗体験などが盛り込まれており、説得力もあります。私は宮崎県にあったリニア実験場を見たことがありますが、山梨県にある実験場には行ったことがなく、試乗する気もなかったのですが、仕組みや試乗体験を読み、ますます利用する気がなくなりました。ジェット旅客機の離陸・着陸と同じかそれ以上のショックを体験したいとは思いません。

 一方、山本氏の本は、橋山禮治郎氏、上岡直見氏の著作などからの引用も多く、正直なところ目新しさには乏しいのですが、既存の新幹線や高速道路が引き起こしたストロー現象、超電導リニアモーターカーが原子力発電所の再稼働(そればかりか増設)を前提にするようなもので省エネルギーに反すること、技術面のみならず社会・経済の面などからも時代遅れのものであることが、静岡県知事が反対する前から山梨県などで建設による深刻な環境破壊(地下水の枯渇など)がもたらされていること、などが手際よくまとめられています。COVID-19の拡大により、人々が敢えてあちらこちらへ移動しなくとも仕事などができるようになったことなども書かれています。山本氏の著作では、リニア中央新幹線が東京圏、名古屋圏および大阪圏(とくに東京圏)への人口・経済基盤の集中、さらに言えば東京圏の拡大を前提としていることなどが書かれており、それがCOVID-19で時代遅れになりつつある旨が書かれています。また、調布市で発生した陥没事故(圏央道の工事が原因と言われています)を取り上げ、大深度地下工事の問題点も鋭く指摘しています。

 なるほど、と思いました。たしかに、2020年度、大東文化大学はもとより多くの大学でオンライン授業が行われることにより、敢えて故郷を離れて東京の何処かに一人暮らし用の部屋を借りたりする必要がなくなったとも言えます。実際に、そのような学生がいました。思い起こせば、新幹線のさらなる高速化、航空便の発達、高速道路網の充実などで日帰り出張が増える、日本のあちらこちらに支店を設ける必要がなくなるなどと言われた時代がありました。要するに東京一極集中を進めるような方策などが、経済界において説かれてきたのです。そして、東日本大震災で新幹線も航空便も高速道路網も役に立たず、救援物資の輸送に大活躍したのが赤字ローカル線であったことなどは、山本氏の本でも書かれているだけでなく、上岡氏も指摘されていたことです。東日本大震災の後にいち早く復旧したのが三陸鉄道であったというのも、忘れられてはならないことでしょう。

 新幹線は多くの在来線とレールの幅が異なるので、貨物列車を直通運転することができません。同じようなことは、法規上は在来線として扱われる山形新幹線および秋田新幹線にも言えるでしょう。実はどちらも利用したことがないのでよく知らないのですが、山形新幹線と言われる福島〜新庄は奥羽本線の一部であり、新幹線と同じ1435mmの軌間となっているので、在来線の貨車を走らせることはできません。機関車についても同じです。新庄〜大曲は1067mmの軌間ですから、奥羽本線は分断されているようなものです。また、秋田新幹線の場合は、盛岡〜大曲の田沢湖線が1435mmの軌間ですから、やはり在来線の貨車や機関車を走らせることができません。また、大曲〜秋田は奥羽本線の一部で、元々は複線でしたが、現在は在来線の単線と新幹線の単線が並べられているだけという所が多いそうです(三線軌条の箇所もあるそうです)。一時期、フリーゲージトレインが声高に主張されたのですが、実際に走らせているスペインの技術を参考にすればよかったようなものなのに、頑なに日本独自の開発にこだわったせいなのか、実現は不可能に近いようです。

 東海道・山陽新幹線では貨物列車の運行も想定されていたそうですが、日本全国津々浦々まで走らせることはできませんから、結局は積み替えが必要となり、効率的でないという場合が多くなります。青函トンネルのように三線軌条にするという手もありますが、即座にできるものではないので準備期間が必要ですし、メインテナンスも大変でしょう。

 まして、リニア中央新幹線は在来線とも新幹線とも全くシステムが違うので、直通運転などできません。融通が利かないのです。貨物輸送は最初から想定されていなかったでしょうし、現実的にも無理でしょう。手荷物輸送や郵便輸送が関の山です。宅配便の輸送には鉄道も使われますが、リニアモーターカーで大量に宅配便を輸送することも考えられてこなかったはずです。旅客のみが念頭に置かれ、貨物は最初から対象とされていなかったであろうという点において、リニア中央新幹線は航空機にも劣る輸送手段であると言えます。

 山本氏も人口減少社会にリニア中央新幹線は不要であると述べています。また、高度経済成長期の思考を引き摺っているという趣旨も書かれています。リニア中央新幹線構想への批判に共通する視点です。成功体験に囚われているという訳で、まさに「成功は失敗のもと」であると言えるでしょう(安藤忠雄氏も同じことを言っておられます)。

 ※※※※※※※※※※

 学部生時代以来、みすず書房の刊行物を買っていました。歴史などについて良質の本が多いですし、私にとってはカール・シュミット(阿部照哉・村上義弘訳)『憲法論』という存在があります。最近は同社の本をあまり目にしなくなっていたので、久しぶりに手に入れました。

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ワクチンの予約

2021年05月16日 23時19分50秒 | 日記・エッセイ・コラム

 昨日(2021年5月15日)の朝、COVID-19のワクチンの予約をしました。勿論、私自身のためではなく、父のためです。

 川崎市では、昨日の8時半から受付を開始しました。電話とインターネットでの双方で予約を受け付けるのですが、高齢者にはパソコンもスマートフォンも使えない、使う気もないという人が少なくないでしょうから、子や孫などが代わりに予約するという場合も多いでしょう。私がまさにその例です。

 父は8時半になるや電話をしたそうですが、何度やってもつながらなかったそうです。私はうちでMacBook Proを使ってインターネットでの予約を進める一方、電話もしてみました。インターネットのほうですが、最初はサーバーが混んでいたものの、10分ほどでつながり、予約できました。最初に登録をして、送られてきたメールに書かれたアドレスにアクセスして行ったら、数分で予約できました。すぐに父に連絡するとともに、予約済みを示すメールを印刷し、届けました。

 ただ、川崎市のホームページ上の案内が遅すぎます。8時半の段階では、5月15日の予約受付は6月分であることが示されていなかったのです。

 一方、電話は、2回やってみましたが、最初は話し中の音、次は電話が混んでいる旨のアナウンスでした。おそらく、電話がつながった頃には定員に達した会場があったでしょう。川崎市の場合、川崎区が教育文化会館で、他の区は市民館でしたが、一番早く定員に達したのが麻生市民館でした。たしか、受付開始から2時間もかからなかったはずです。その次に宮前市民館か高津市民館で、多摩市民館は4番目でした。北部(高津区、宮前区、多摩区および麻生区)のほうが早く締め切られた訳です。

 高齢者向けの予約方法としてインターネットが適切かどうかという問題もあるかもしれませんが、金融機関や電子機器のサポートセンターではないのですから(人を待たせるのが平気なところですね。なかなかつながりません)、とにかく希望者を集めて早く予約させるという方法には問題があります。4月にも電話回線やサーバーがパンクしたと報じられているにもかかわらず、同じ方法が採用された訳です。おそらく、4月も5月も予約できずに終わったという人が多かったのではないでしょうか。 

 例えば、川崎市高津区溝口は5月●●日、高津市民館、というように、日時、地区、会場を予め指定するほうが、電話予約などよりもはるかに効率的でしょう。その日に行けない人については別途考えればよいだけの話です。予備日を設けるなどの手もあるでしょう。

 それに、報道によると、まだ医療関係者の多くについては第1回目の接種が終わっていない、というより進んでいないようなのです。順番も何もない訳で、大丈夫なのかと思います。そうかと思えば、拡大解釈なのか類推解釈なのかもわからないような話で、どう考えても医療や救急に直接携わるとは思えない公務員が優先的に接種を受けていたりします。保存がきかないワクチンを余らせる訳にもいかないという事情は理解できますが、それなら最初から「余った場合には、窓口担当の職員への接種に回します」とでも知らせておけばよいでしょう。

 拡大解釈、類推解釈と言えば、都内の百貨店などで営業を再開する所が多いようです。二子玉川ライズや玉川高島屋でも、生活必需品を販売しているということで、多くの店舗が営業を再開していました。

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小出しの緊急事態宣言

2021年05月14日 10時00分00秒 | 国際・政治

 今朝、9時になる前に地震がありました。震源は福島県沖です。川崎市高津区も揺れました。

 そうかと思っていたら、朝日新聞社のサイトに、号外として「政府は北海道、広島県、岡山県に緊急事態宣言を発出へ」と出ていました。9時38分付です。

 御存知の通り、第3回緊急事態宣言は5月末日まで延長されました。しかも、当初の東京都、京都府、大阪府および兵庫県に加え、愛知県および福岡県が対象地域に追加されたのです。そして、今日、北海道、岡山県および広島県にも出されることとなりました。

 いかにも小出しという気がします。北海道、岡山県および広島県についてはいつまでなのかがわかりませんが、同じく5月末日までということでしょうか。

 その一方で、緊急事態宣言が出されているのに緩和という、ボタンの掛け違いのような話もあります。実際に、うちの近くにあるといってよい玉川高島屋では、延長前から営業を再開する店舗が多くなっています。ドッグウッドプラザも同じです。渋谷の東急百貨店本店やヒカリエの中にも、営業を再開する店舗が見受けられます。私自身にとっては、利用することが多いだけにありがたいとも言えますが(玉川高島屋の中の紀伊國屋書店、東急百貨店本店の中のジュンク堂書店など)、スッキリしない話です。

 ワクチン接種の順番も滅茶苦茶です。まだ医者、看護師、救急隊員の全員について接種が終わった訳でもないし、高齢者へのワクチン接種も電話やインターネットでの予約で早い者勝ちというのでは、混乱するに決まっています。電話はつながりにくくなりますし、高齢者の多くにはインターネットでの予約などできないでしょう。

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