ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

犬税は断念しても......過料で対処

2014年07月30日 23時09分27秒 | 社会・経済

 犬税の導入論議で話題となった泉佐野市ですが、犬税ではなく、過料で対処することになったようです。朝日新聞社が、今日の21時31分付で「犬のふん放置『過料1万円』 泉佐野市、取り締まり強化」(http://digital.asahi.com/articles/ASG7Z674RG7ZPPTB00D.html?iref=comtop_6_02)として報じています。

 短い記事なので、あまり詳しくはないのですが、泉佐野市には、犬などの動物の糞を放置した人に対して過料(行政用語では「あやまちりょう」と読みます)を科す旨の条例および施行規則があるようで、その過料を1万円とするように改める、とのことです。

 ただ、問題は、過料を1万円にすると言っても、どの程度の効果が見込まれるのか、ということです。泉佐野市では、2013年7月から、環境巡視員という職員(警察官のOBだそうです)が巡回を行っていて、糞の放置を見つけた場合には注意しているそうですが、過料を科した例はたったの1つでした。今後は環境巡視員の増員、巡回区域の拡大も検討するそうですが、まずは注意を促して放置を防いでいくしかないでしょう。

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泉佐野市が犬税導入を断念

2014年07月23日 14時21分12秒 | 社会・経済

 大阪府の泉佐野市と言えば、市の命名権売却の検討など、興味深い話題を提供してくれる自治体として知られています。命名権については、2012年3月25日付で「果たしてどうなのだろう? 大阪府泉佐野市の試み」(http://blog.goo.ne.jp/derkleineplatz8595/d/20120325)として記しましたが、今年に入ってから犬税の導入に向けた検討会を3回開いています(検討会の設置要綱は昨年の12月5日から施行されています)。果たしてどうなっているのかと思ったら、毎日新聞社が今日の12時15分付で「犬税:導入断念…泉佐野市『頭数把握難しい』」(http://mainichi.jp/select/news/20140723k0000e040232000c.html)として報じていました。朝日新聞社も、今日の12時35分付で「飼い主に課す『犬税』、導入を断念 大阪・泉佐野」(http://www.asahi.com/articles/ASG7R3V9HG7RPPTB004.html)として報じています。

 今日の10時から、泉佐野市役所で第3回の犬税検討会が行われました。報道によると、今日が最終となり、犬税の導入は難しいとする答申書がまとめられた、とのことです。泉佐野市は、この検討会の議事録を公表していますので、第3回の議事録、および答申書も公表されることでしょう。

 犬税と言えば、最も有名なのはドイツですが、日本にもありました。1980年代の前半まで、市町村税として存在しており、最盛期(?)には2000以上もの市が課税していたのです。これが法定外普通税であったとのことですから、少々の驚きを感じます。もっとも、最後まで課していた市町村は非常に少なかったようで、1982年3月31日まで、長野県四賀村が課していたのが日本における最後の例となります。

 往時の犬税がいかなる地方税で、何のために存在したのかという問題は別の機会に触れることとします。泉佐野市が犬税の復活と言ってもよい導入を検討したのは、犬の糞の放置という問題に対処するためでした。公開されている議事録を読むと、法定外目的税として導入することが検討されていたようです。

 当初の案は、犬1頭について2000円を税として徴収するというものでした。泉佐野市内には飼い犬が5000頭いると想定すると、税収は1000万円となります。

 ところが、泉佐野市が飼い主を対象にしてアンケートを実施したところ、犬税の導入には困難な問題があることが判明しました。議事録にも某委員の意見(または質問)として登場するのですが、犬税を徴収するためには、泉佐野市内の飼い犬の頭数を正確に把握しなければなりません。そう簡単な話でないことは察しがつきますが、狂犬病予防法に基づく飼い犬の登録数は、実際の飼い犬の頭数とはかなりの差があるということです。泉佐野市が実際の頭数をどの程度と推定したのかについてはよくわかりませんが、上記毎日新聞社の報道によると「課税に必要なシステム構築費や人件費が税収を1600万円上回ることも」わかったといいます。これではコストばかりかかることになります。

 犬税導入の断念という事実は、法定外目的税の難しさを象徴するものであると思われます。法定外普通税・法定外目的税のいずれも、地方自治体の税収について僅かばかりの部分を占めるにすぎず、3パーセントを超えるようなものを創設するのは不可能に近いでしょう。1パーセントでも難しいはずです。法定外目的税の場合は、税収の使いみちが特定の事務・目的に限定されておりますので、税収に占める割合を喧伝する必要はないのですが、事務・目的のための費用と比較して予定される収入額があまりに少ないのであれば、導入する意味が失われかねません。

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溝口四丁目(4)

2014年07月18日 08時54分07秒 | まち歩き

 高津図書館の裏の歩道を通っています。この辺りには、クリスマスの時期になるとイルミネーションを飾るお宅が数件あり、「もうそんな時期なのか」などと思わせてくれます。高津小学校に近い場所ですが、図書館のそばということもあり、非常に静かなところです。

 ここには車道もあるのですが、細い上にクランク状になっています。自動車の運転の練習にはもってこいの場所でしょう。溝口というと狭い道路ばかりという印象を持たれるかもしれませんが、言われてみればその通りでして、とくに四丁目、五丁目および六丁目ではその傾向が顕著です。自転車ならともあれ、車で軽々しく脇道に入ることは避けるべきです。行き止まりも珍しくありません。

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溝口四丁目(3)

2014年07月17日 08時42分12秒 | まち歩き

高津図書館入口交差点(信号)のすぐそばです。

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溝口四丁目(2)

2014年07月16日 00時15分13秒 | まち歩き

 旧大山街道に高津図書館入口交差点(信号)があります。そのそばにある建物です。2011年12月10日付で掲載した「川崎市高津区溝口 旧大山街道散歩 その4」でも取り上げた、タナカヤという服屋の建物で、蔵作りとなっています。明治時代に築造されました。

 溝口四丁目と三丁目には、このような歴史的建造物がいくつか残っています。市内の他の地域にもあるのかもしれませんが、数からすると溝口が一番でしょう。そもそも、川崎市内には街道の宿場町がいくつかあるのですが、最もその雰囲気をよく残しているのが溝口なのです。

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溝口四丁目(1)

2014年07月15日 08時12分04秒 | まち歩き

溝口四丁目は、国道409号線の北側、田園都市線高津駅前から高津小学校までの一帯です。高津警察署、高津図書館の所在地でもあります。

高津駅の近く、警察署の裏に、道が複雑に入り組んだ所があります。今は駐車場となっているこの場所には、かつて高津ホテルがありました。

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Fox Capture Plan, Wall

2014年07月11日 08時44分47秒 | 音楽

 昨日、仕事からの帰りに二子玉川ライズのヴィレッジ・ヴァンガードに寄ったところ、Fox Capture Planの3枚目のアルバムが売られていました。1枚目の"Trinity"に収録されている「衝動の粒子」を三軒茶屋で耳にしてから、このピアノ・トリオには注目していました。それで、昨日、店で流されていた音楽プラス映像に触れ、購入した訳です。

 Fox Capture Plan, Wall(ディスクユニオン、PWT-010)

 今回もDVDが付いてきました。2曲目の「疾走する閃光」です。Fox Capture Planの場合、2曲目にシングル盤候補的な曲を入れるようで、"Trinity"の「衝動の粒子」、"Bridge"に収録されている"RISING"も2曲目です。どの曲も、ピアノは勿論、ここまでの迫力はそう滅多に体感できないだろうと思われるドラム、この両者に挟まれてあまり目立たないけれどもサウンドをしっかり作り出し、支えるベースが高いバランスを保っているのです。

 今回の作品で、私にとって最も興味深かったのは「東風」です。1978年に発売されたイエロー・マジック・オーケストラのファーストに収録されている、坂本龍一さんの曲です。これまで私が耳にしたYMOのカヴァーでは最も面白い演奏でした。ここまで作り替えるとは予想もしていなかったのです。ジャズの演奏家で名曲を別物のように作り替えて名演奏を生み出す人というと、マイルス、ビル・エヴァンス(ピアニストのほう)、コルトレーンといったところですが(曲によってはドルフィーも)、Fox Capture Planもそこに入るかもしれません。少なくとも、その可能性を大きく秘めています。

 ただ、気になる点もあります。

 CDジャケットを覆うビニールカバーに貼られたシールには「最高傑作」と書かれていますが、"Bridge"の発売から半年しか経っておらず、"Trinity"から数えても1年くらいしか経っていません。半年ごとに新作を出すというノルマが課されているのか、貯まっているアイディアを出してしまおうとする意図なのか、事情はよくわかりませんが、発売のペースが早すぎるような気がするのです。

 3枚とも基本線は一貫していますので、通しで聴くこともできます。しかし、このままでは行き詰まるかもしれません。今回の"Wall"には、どうかすると前作で未収録とされた作品がそのまま登場したのではないかと思われるような曲も少なくありません。そのように聞こえてしまうのです。1年くらいの時間を置いたほうが、次回作のためによいのではないかと思われます。

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AO入試合格者が退学する確率は高い(?)

2014年07月09日 13時29分30秒 | 受験・学校

 大学に勤務する者にとって、入試は一大関心事でしょう。日本の場合、入試と一言で表現するにはあまりにも多様であり、複雑ですが、それだけに学生がどの方法で入学したかという問題は、入学後の学習態度や退学などを考える際にもおおいに参考となります。

 以前からAO入試については様々な問題点が指摘されているのですが、少なくとも一つを裏付ける興味深い調査が行われました。読売新聞社が今日の10時2分付で「AO入試合格者、6人に1人が退学…読売調査」として報じています。

 (http://www.yomiuri.co.jp/national/20140708-OYT1T50196.html

 少なくとも同社のサイトに掲載されている限りでは短い記事で、具体的な中身についてはわからないことも多いのですが、同社が「大学の実力 教育力向上の取り組み」調査というものを行っているようで、「今年の『大学の実力』調査は、通信制などを除く全国744の国公私立大学を対象に、学生の成長のための取り組みや大学の現状を聞き、過去最高の659校(89%)が回答した」とのことです。記事には、その結果が端的に示されています。

 記事によると、入試別方法で退学率をみると、AO入試合格者の退学率が15.5%で最も高く、一般入試合格者の退学率は5.9%で最も低かった、とのことです。

 入試別方法と書かれていますが、AO入試と一般入試しか書かれておらず、他にいかなる入試方法について調査が行われたのかは不明です。推薦入試が含まれることは確実でしょうが、示されていません。また、一般入試とはいかなる入試であるかということについても説明がなされていません。

 一般入試であれ推薦入試であれ、大学によっては複数の方式がとられている可能性があります。まず、一般入試について大東の例をあげると、受験科目数によって方式が分かれており、「全学部統一入試」は2科目、「一般入試」は3科目です。他大学では異なる方式がとられていたりもします。また、最近では多くの私立大学でセンター試験を利用する入試が増えており、大東でも実施されていますが、これも一般入試と言えます。

 他方、推薦入試についても、いくつかの方式に分けている大学が多いでしょう。

 退学者数・退学率を調査する場合には、方式ごとに数字をみますので、一般入試、推薦入試、AO入試という大括りでは正確なことがわかりません。

 また、退学者と言いますが、退学者の在籍年数、退学理由も不十分です。そのため、記事のように「AO入試は本来、学力試験で測れない意欲や能力を重視する試験だが、早ければ入学の半年以上前に合格が決まることなどで学習意欲を失わせているとの指摘があり、見直しを迫られる大学も出そうだ」と簡単にまとめられません。学習意欲や能力はあっても経済的理由で退学せざるをえないというケースがありますし、在学中に就職が決まってしまい、本人の年齢などの都合で退学したという事例も存在します。

 ただ、AO入試に様々な問題があり、記事中から私が引用した上記の文章には正当な部分もありますので(職務上の問題もあり、あまり具体的なことは記せません)、方法などについて改善しなければならないと言えます。

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前期試験についての確認

2014年07月06日 08時14分37秒 | 受験・学校

 昨日(7月5日)付で「大東文化大学法学部の『税法』(月曜日3限)の前期試験について」を掲載しました。今日は確認です。

 「行政法1(木曜日1限)」および「基本法学概論(木曜日2限)」については、予定通り、前期試験を行います。「行政法1」は定期試験期間中、「基本法学概論」は7月17日2限です。

 「税法」については、前期試験を行わず、レポート(夏季休暇課題)とします。

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大東文化大学法学部の「税法」(月曜日3限)の前期試験について

2014年07月05日 16時07分17秒 | 受験・学校

 6月3日付で「気が早いのですが、前期末試験などについてです。」として、前期試験について記しました。

 当初、前期試験を行うと予告した科目は「税法(月曜日3限)」、「行政法1(木曜日1限)」および「基本法学概論(木曜日2限)」です。

 このうち、「税法」のみ、前期試験からレポート(夏季休暇課題)に変更します。詳細は、7日の講義の際にお伝えします。

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