ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

東急5000系5102F

2022年02月28日 16時30分00秒 | 写真

 田園都市線用の5000系は、今年、製造開始から20周年を迎えます。当初から10両編成として運用されていますが、同線の通勤輸送状況の変化により、何度も編成変えが行われました。最大の変遷は6扉車でしょう。かなりひどい混雑状況に見舞われていたので登場したのが6扉車で、そのために東横線用の5050系に編入された車両もあります。しかし、ホームドア設置のため、6扉車は全て4扉車に置き換えられました。

 もっとも、6扉車は全ての編成に組み込まれた訳ではありません。最初の2本、5101Fおよび5102Fについては6扉車が一度も入っていません。今回はそのうちの5102Fです。

 急行中央林間行きとして高津駅1番線を通過して行くところです。

 5000系のうち、初期に製造された車両は、当初、行先表示がLED式であったのに対し、種別表示は幕式でした。後に種別表示がフルカラーLED式に変わりましたが、側面を見ると種別表示と行先表示が別になっており、区別が付きます。

 冒頭で5000系は田園都市線用であると記しました。確かにそうなのですが、5118F、5119F、5121Fおよび5122Fは8両編成で東横線用です。それ以外の18編成が10両編成です。そのため、現在、212両が在籍していることとなります。しかし、実際の製造数はこれより多くなりました。6扉車が製造されたために5050系に編入された車両もあれば6扉車もあるからです。正確な数はわかりませんが250両は製造されたはずです。

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南武線の矢向〜武蔵小杉の高架化事業

2022年02月25日 10時10分00秒 | 社会・経済

 ウクライナが非常に気になっています。知識などがあれば、こちらについて書きたいほどですが、現段階ではその力量がありません。気になりながら校正作業を進めたりもしています。

 

 川崎市の南部と北部を縦貫するJR南武線は、宮前区および麻生区を除く全区を通るとともに、川崎駅、武蔵小杉駅、武蔵溝ノ口駅、登戸駅という主要地点を結んでいます。国鉄時代から数少ない黒字路線の一つでもあり、とくに武蔵小杉駅から武蔵溝ノ口駅までの区間はラッシュ時の混雑が激しいことでも知られています。

 その南武線は、やや大雑把ですが1980年代に武蔵小杉駅から第三京浜道路(武蔵新城駅と武蔵溝ノ口駅との間。但し、武蔵新城駅から徒歩10分程の場所です)までの間が高架化され、その後、矢野口駅付近から南多摩駅付近までの間も高架化されました。そして、現在、川崎市では矢向駅から武蔵小杉駅までの間の高架化事業を進めようとしています。

 今年(2022年)の1月に川崎市がパンフレットを発行しており、概要を知ることができます。矢向駅は横浜市鶴見区にあり、しかもかつては電車区であった電留線があるので、ここは地上のままのようです。ただ、矢向駅を出るとすぐに高架区間に入り、鹿島田駅、平間駅および向河原駅が高架化される予定とされています。向河原駅と武蔵小杉駅との間に東海道新幹線および横須賀線・湘南新宿ラインの高架線があるので、向河原駅を出ると坂を下り、高架線と交差する地点付近で地上区間に入ります。距離はおよそ4.5kmです。

 高架化により、塚越踏切など9箇所の踏切がなくなることとなっています。また、幸区にある南武線の駅が全て高架駅となりますし(尻手駅は既に高架駅ですが)、中原区にある南武線の駅も武蔵小杉駅を除いて全て高架駅となります。

 川崎市は「計画目的」として「計画区間の踏切(9箇所)を除却し、踏切を起因とする交通渋滞の解消、地域分断の解消、高架下の活用による賑わいの創出などを図る」ことを掲げており、総事業費としておよそ1,387億円としています。ただ、実際に施工すればこの金額で済まなくなると思われます。

 踏切の解消は確かにメリットを産み出します。交通渋滞に限りません。人身事故などの危険も減少します。

 しかし、問題もあります。行政法の講義でよく取り上げられる小田急高架化訴訟では、騒音、振動の他に事業費もあげられました。この訴訟では地下化のほうがコストが低いと主張されたのです。最近では京王線の高架化事業についても同様の主張がなされています(緑風出版から刊行されている、海渡雄一・筒井哲郎『沿線住民は眠れないー京王線高架計画を地下化にー』が参考になります)。また、コンクリートの風化などの関係もあり、高架化より地下化のほうがよいという意見もあります(海渡・筒井・前掲書をお読みください)。

 もう一つ、南武線の武蔵小杉駅から第三京浜道路までの間の高架化を間近に体験した者としては、本当に「地域分断の解消」や「高架下の活用による賑わいの創出」という効果があるのか、少々疑問が残ります。

 この話題については、また、機会を見て取り上げるつもりです。

 

 そう言えば、1970年代前半、東急田園都市線の高津駅も地上駅でした。

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いつまで走るか 東急8500系8637F Bunkamura号 その5

2022年02月21日 19時30分00秒 | 写真

 2022年になって1編成が引退し、僅か2編成しか残っていない東急8500系ですが、今年初めて8500系を撮影しました。Bunkamura号として走っている8637Fです。

各駅停車長津田行きとして運行されているところを、高津駅で撮影しました。上の写真は10号車のデハ8537です。

こちらは1号車のデハ8637です。またBunkamuraに行きたくなりました。

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かつては東横線のTOQ BOX号 東急9000系9006F

2022年02月20日 23時30分00秒 | 写真

 現在は全編成が5両編成で大井町線の各駅停車用として運用されている東急9000系ですが、当初から大井町線で運用されていた9007Fを除き、長らく8両編成で東横線で活躍してきました。今回は、東急で新車のVVVF制御車として登場した9000系のうち、東横線でTOQ BOX号として運用されていた9006Fを取り上げます。

 二子玉川駅の2番線に各駅停車溝の口行きの9006Fが到着しました。

 左側上部の「各停」の表示を御覧ください。鉄道ファンの間でもよく知られていることですが、大井町線には各駅停車が二種類あります。この写真では青地の白抜き文字で書かれており、これはB各停または青各停とも呼ばれています。これに対し、白地の緑文字で書かれているものはG各停または緑各停とも呼ばれています。

 B各停とG各停との違いは停車駅にあります。「各駅停車に違いがあるのか?」と言われるかもしれませんが、違いがあるのです。もっとも、本来の大井町線である大井町駅から二子玉川駅までの間には違いがありません。

 違いは田園都市線の二子玉川駅から溝の口駅までの間にあります。B各停は二子新地駅および高津駅に停車するのに対し、G各停は両駅を通過します。基本はG各停なので、大井町線の各駅停車は二子新地駅および高津駅を通過することになるのですが、本数こそ多くはないもののB各停もあります。車内放送では「田園都市線経由」と案内されます。

 高津駅1番線からB各停溝の口行きが発車しました。この先で複々線の外側から内側に転線し、溝の口駅2番線に到着します。ちなみに、G各停は複々線の内側である2番線および3番線(いずれもホームなし)を通過します。

 TOQ BOX号のことを書き忘れていました。これは、車内の広告が一社のものに統一されていた編成で、アドトレインの先駆的なものです。東横線ではこの9000系9006F、田園都市線では8500系8634FがTOQ BOX号となっていました。すぐにわかるように、正面、側面ともに派手ながらも和やかなデザイン(虹、トランペットなど)のシールが貼り付けられていました。既にシールなどは剥がされていますが、長らく、その跡を見ることができました。

 この9000系がデビューしてから既に35年が経過しています。確たる情報とは言えないのですが、大井町線各駅停車用の新車が数年後かに登場するようです。そうなると、9000系も廃車されることになるかもしれません。

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ローカル線のバス転換は進むか

2022年02月16日 11時40分00秒 | 社会・経済

 今回は、2022年2月15日付の朝日新聞朝刊8面13版Sに掲載された「ローカル線、バス転換も議論 国交省が検討会」という記事に関わる話を取り上げます。どこか、1980年代の国鉄の特定地方交通線のような話になってきています。

 私も鉄道ファンですが、この何年か「鉄道は時代遅れの交通手段なのかもしれない」と思うことが何度となくあります。人口減少が鉄道路線の経営基盤を掘り崩していることは明らかで、人口減少だから鉄道など公共交通機関が必要であるという最近の一部の議論は根本的に誤っているのではないかとも考えられるのです。また、沿線自治体が存続を望むという話を聞いても、それが真剣に考えられているのかということについては深い疑念を感じています。

 上記記事によると、国土交通省は2月14日に「赤字が続く地方の鉄道路線の見直し方を検討する会議」を設置しました。これにより、赤字に苦しむローカル線をバスなどの交通機関に転換することを促す方策を今年の夏までにまとめ、2023年度予算の概算要求には転換支援の関連予算を盛り込むようです。

 様々な理由なり原因なりはあるのですが、鉄道事業とバス事業とを比較した場合、バス事業の運行コストは鉄道事業の6分の1から12分の1程度であるとのことです。もっとも、そうであっても赤字ローカル線の存廃が議論されるような地域ではバス路線の存廃も問われることが少なくないですし、特定地方交通線から転換されたバス路線も廃止されることが多いので、このような点を忘れてはなりません。

 その上で、国土交通省は、鉄道からバスへの転換を促すための基準づくりなどを議論するとのことです。費用の補助、税制優遇の仕組みも検討されるようです。また、中小の鉄道事業者が利用できる設備更新時の補助制度をJR各社が使えるようにすることも検討の対象にするようです。

 日本において、鉄道の利用者は長期的に減少しています。ピークは1991年度であったようですが、それより何年も前から沿線の人口減少、モータリゼイションの広がりにより、鉄道利用者の減少傾向はうかがわれていました。1991年度からの30年間で2割程度が減少していたとのことで、そこにCOVID-19が追い討ちをかけたということです。また、上記記事には「国鉄時代には、1キロあたりの一日の平均乗車人数が4千人を割り込むとバス路線に転換する目安とされたが、今では全路線の57%に上り、国鉄が民営化した87年度(36%)の1.5倍に増えている」と書かれています。1987年度は好景気の時期でしたが、2021年度および2022年度はどう考えても1980年代後半のバブル経済期とは異なりますから、1980年代より強力な転換政策を立てなければ、赤字ローカル線による負のスパイラルが沿線自治体を襲うでしょう。

 今後、国土交通省がどの程度まで具体的な方針を打ち立てるか、注意を向けておく必要があります。

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東急6000系6106F

2022年02月15日 10時40分00秒 | 写真

 今回は、大井町線急行専用である東急6000系の最終編成、6106Fです。今回は、大井町駅始発、田園都市線の長津田駅まで走る急行として運行されるところを紹介します。

 二子玉川駅2番線から急行長津田行きが発車します。多摩川の真上にあるポイントで外側に転線します。

 田園都市線の二子玉川駅〜溝の口駅は複々線区間となっており、内側の2線が大井町線、外側の田園都市線です。つまり、正式には田園都市線の複々線区間であり、大井町線は田園都市線に乗り入れる形となっています。なお、二子新地駅および高津駅には複々線の外側にしかホームがないので、基本的には大井町線の電車が停まりません(青各停またはB各停は外側を走るために停車します)。

 現在の二子玉川駅は、1番線が田園都市線下り、2番線が大井町線下り、3番線が大井町線上り、4番線が田園都市線上りとなっています。このようになったのは1999年からで、それまでは1番線および4番線が大井町線(当時は原則として二子玉川駅折り返し)、2番線が田園都市線(下り)、3番線が新玉川線(上り)でした。

 これまで何度か6000系を取り上げています。この系列は2008年に6両編成6本、つまり36両が登場し、大井町線の急行専用として運用されてきました。また、登場時から大井町線の急行の一部は田園都市線に直通していましたが、その田園都市線でも急行専用でした。この点は今も変わらないので、おそらく、大井町線、田園都市線のいずれでも各駅停車や準急として運用されたことはないはずです。そもそも、大井町線の急行通過駅は7両編成が停車できるような構造になっていませんし、6000系には九品仏駅でのドアカットのための装置が積まれていません。デビューから10年以上が経過していますが、急行専用として運用し続けています。このような例は、東急ではこの6000系のみです。

 なお、2017年から2018年にかけて大井町線の急行が7両編成化されました。これに伴い、3号車に該当するデハ6300形が新製され、旧サハ6300形はサハ6400形に、旧デハ6400形はデハ6500形に、旧デハ6500形はデハ6600形に、旧クハ6600形はクハ6700形に変わっています。また、2019年にQシートが導入されたことに伴い、6101Fのデハ6301および6102Fのデハ6302がQシート車に交代しました(車番は同じ)。Qシート車の色はオレンジで他の車両と全く違うのですぐに識別できますが、長らく編成内の統一感が高かった東急の電車の中でバランスを崩しているように見えるのが惜しいところです。

 1枚目の写真でも奥のほうに見えていましたが、田園都市線中央林間駅始発の急行大井町行きとして6000系の6103Fが入線してきました。6103F、6104F、6105Fおよび6106FにはQシート車が入っていません。そのため、統一感が非常に高くなっています。

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暫定版 印紙税その2

2022年02月14日 00時00分00秒 | 租税法講義ノート〔第3版〕

 6.印紙税の課税標準および税率

 印紙税の課税標準は文書の数である。

 また、税率は、別表第一の各号による課税文書の区分に応じ、「同表の課税標準及び税率の欄に定めるところによる」(印紙税法第7条)。

 ここで、第1号文書、第2号文書、第7号文書、第8号文書および第17号文書について税率をみていくこととする。

 (1)第1号文書の税率

 ①契約金額の記載のある契約書の場合

 契約金額が1万円未満のもの:非課税

 契約金額が10万円以下のもの:税率(一通につき。以下同じ)は200円

 契約金額が10万円を超え50万円以下のもの:税率は400円

 契約金額が50万円を超え100万円以下のもの:税率は1,000円

 契約金額が100万円を超え500万円以下のもの:税率は2,000円

 契約金額が500万円を超え1000万円以下のもの:税率は1万円

 契約金額が1000万円を超え5000万円以下のもの:税率は2万円

 契約金額が5000万円を超え1億円以下のもの:税率は6万円

 契約金額が1億円を超え5億円以下のもの:税率は10万円

 契約金額が5億円を超え10億円以下のもの:税率は20万円

 契約金額が10億円を超え50億円以下のもの:税率は40万円

 契約金額が50億円を超えるもの:税率は60万円

 ②契約金額の記載のない契約書の場合:一通につき200円

 (2)第2号文書の税率

 ①契約金額の記載のある契約書の場合

 契約金額が1万円未満のもの:非課税

 契約金額が100万円以下のもの:税率(一通につき。以下同じ)200円

 契約金額が100万円を超え200万円以下のもの:税率は400円

 契約金額が200万円を超え300万円以下のもの:税率は1,000円

 契約金額が300万円を超え500万円以下のもの:税率は2,000円

 契約金額が500万円を超え1000万円以下のもの:税率は1万円

 契約金額が1000万円を超え5000万円以下のもの:税率は2万円

 契約金額が5000万円を超え1億円以下のもの:税率は6万円

 契約金額が1億円を超え5億円以下のもの:税率は10万円

 契約金額が5億円を超え10億円以下のもの:税率は20万円

 契約金額が10億円を超え50億円以下のもの:税率は40万円

 契約金額が50億円を超えるもの:税率は60万円

 ②契約金額の記載のない契約書の場合:一通につき200円

 (3)第7号文書の税率

 一通につき4,000円

 (4)第8号文書の税率

 一通につき200円

 (5)第17号文書の税率

 ①売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書で受取金額の記載のある場合

 契約金額が5万円未満のもの:非課税

 契約金額が100万円以下のもの:税率(一通につき。以下同じ)は200円

 契約金額が100万円を超え200万円以下のもの:税率は400円

 契約金額が200万円を超え300万円以下のもの:税率は600円

 契約金額が300万円を超え500万円以下のもの:税率は1,000円

 契約金額が500万円を超え1000万円以下のもの:税率は2,000円

 契約金額が1000万円を超え2000万円以下のもの:税率は4,000円

 契約金額が2000万円を超え3000万円以下のもの:税率は6,000円

 契約金額が3000万円を超え5000万円以下のもの:税率は1万円

 契約金額が5000万円を超え1億円以下のもの:税率は2万円

 契約金額が1億円を超え2億円以下のもの:税率は4万円

 契約金額が2億円を超え3億円以下のもの:税率は6万円

 契約金額が3億円を超え5億円以下のもの:税率は10万円

 契約金額が5億円を超え10億円以下のもの:税率は15万円

 契約金額が10億円を超えるもの:税率は20万円

 ② ①以外の受取書の税率

 200円(一通につき)

 

 7.印紙税の納付など(「2.印紙税の例(領収書)」も参照

 5つの方法があるが、(1)の方法が原則である。

 (1)課税文書に収入印紙を貼り付け、その文書と収入印紙の彩紋とにかけて消印をする。

 参照 印紙税法より

 第8条 課税文書の作成者は、次条から第12条までの規定の適用を受ける場合を除き、当該課税文書に課されるべき印紙税に相当する金額の印紙(以下「相当印紙」という。)を、当該課税文書の作成の時までに、当該課税文書にはり付ける方法により、印紙税を納付しなければならない。

 2 課税文書の作成者は、前項の規定により当該課税文書に印紙をはり付ける場合には、政令で定めるところにより、当該課税文書と印紙の彩紋とにかけ、判明に印紙を消さなければならない。

 第22条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

  一 第8条第1項の規定による相当印紙のはり付けをしなかつた者

  二 第11条第4項又は第12条第5項の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつた者

  三 第16条の規定に違反した者

  四 第18条第1項又は第2項の規定による帳簿の記載をせず、若しくは偽り、又はその帳簿を隠匿した者

 第23条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

  一 第8条第2項の規定に違反した者

  二 第11条第3項又は第12条第3項の規定による表示をしなかつた者

  三 第17条第1項の規定による申告をせず、又は同条第2項の規定による届出をしなかつた者

 (2)課税文書に「税印」を押捺する。「税印」は右のような印である(印紙税法施行規則別表第三)。

 参照 印紙税法より

 第9条 課税文書の作成者は、政令で定める手続により、財務省令で定める税務署の税務署長に対し、当該課税文書に相当印紙をはり付けることに代えて、税印(財務省令で定める印影の形式を有する印をいう。次項において同じ。)を押すことを請求することができる。

 2 前項の請求をした者は、次項の規定によりその請求が棄却された場合を除き、当該請求に係る課税文書に課されるべき印紙税額に相当する印紙税を、税印が押される時までに、国に納付しなければならない。

(3)印紙税納付計器を使用して納付する(条文の引用の箇所にある2つの写真データは、印紙税法施行規則別表第四に示された印紙税納付計器による納付印である)。

 参考 印紙税法より

 第10条 課税文書の作成者は、政令で定めるところにより、印紙税納付計器(印紙税の保全上支障がないことにつき、政令で定めるところにより、国税庁長官の指定を受けた計器(第16条及び第18条第2項において「指定計器」という。)で、財務省令で定める形式の印影を生ずべき印(以下「納付印」という。)を付したものをいう。以下同じ。)を、その設置しようとする場所の所在地の所轄税務署長の承認を受けて設置した場合には、当該課税文書に相当印紙をはり付けることに代えて、当該印紙税納付計器により、当該課税文書に課されるべき印紙税額に相当する金額を表示して納付印を押すことができる。

 2 前項の承認を受けて印紙税納付計器を設置する者は、政令で定めるところにより、同項の税務署長の承認を受けて、その者が交付を受ける課税文書の作成者のために、その交付を受ける際、当該作成者が当該課税文書に相当印紙をはり付けることに代えて、当該印紙税納付計器により、当該課税文書に課されるべき印紙税額に相当する金額を表示して納付印を押すことができる。

 3 第1項の承認を受けた者は、前2項の規定により印紙税納付計器を使用する前に、政令で定めるところにより、第1項の税務署長に対し、当該印紙税納付計器により表示することができる印紙税額に相当する金額の総額を限度として当該印紙税納付計器を使用するため必要な措置を講ずることを請求しなければならない。

 4 前項の請求をした者は、同項の表示することができる金額の総額に相当する印紙税を、同項の措置を受ける時までに、国に納付しなければならない。

 5 第1項の承認を受けた者が印紙税に係る法令の規定に違反した場合その他印紙税の取締り上不適当と認められる場合には、税務署長は、その承認を取り消すことができる。

 6 税務署長は、印紙税の保全上必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、印紙税納付計器に封を施すことができる。

 7 第1項又は第2項の規定により印紙税に相当する金額を表示して納付印を押す方法について必要な事項は、財務省令で定める。

 (4)課税文書について、所轄税務署長の承認を受けて金銭で納付する。その場合には、課税文書に一定の表示をするとともに、翌月末日を期限として納税申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。「2.印紙税の例(領収書)」において示した「駅の自動券売機で乗車券などを購入した時に発行される領収書」がこの例である。

 参考 印紙税法より

 (書式表示による申告及び納付の特例)

 第11条 課税文書の作成者は、課税文書のうち、その様式又は形式が同一であり、かつ、その作成の事実が後日においても明らかにされているもので次の各号の一に該当するものを作成しようとする場合には、政令で定めるところにより、当該課税文書を作成しようとする場所の所在地の所轄税務署長の承認を受け、相当印紙のはり付けに代えて、金銭をもつて当該課税文書に係る印紙税を納付することができる。

  一 毎月継続して作成されることとされているもの

  二 特定の日に多量に作成されることとされているもの

 2 前項の承認の申請者が第15条の規定により命ぜられた担保の提供をしない場合その他印紙税の保全上不適当と認められる場合には、税務署長は、その承認を与えないことができる。

 3 第1項の承認を受けた者は、当該承認に係る課税文書の作成の時までに、当該課税文書に財務省令で定める書式による表示をしなければならない。

 4 第1項の承認を受けた者は、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申告書を、当該課税文書が同項第1号に掲げる課税文書に該当する場合には毎月分(当該課税文書を作成しなかつた月分を除く。)をその翌月末日までに、当該課税文書が同項第2号に掲げる課税文書に該当する場合には同号に規定する日の属する月の翌月末日までに、その承認をした税務署長に提出しなければならない。

  一 その月中(第1項第2号に掲げる課税文書にあつては、同号に規定する日)に作成した当該課税文書の号別及び種類並びに当該種類ごとの数量及び当該数量を税率区分の異なるごとに合計した数量(次号において「課税標準数量」という。)

  二 課税標準数量に対する印紙税額及び当該印紙税額の合計額(次項において「納付すべき税額」という。)

  三 その他参考となるべき事項

 5 前項の規定による申告書を提出した者は、当該申告書の提出期限までに、当該申告書に記載した納付すべき税額に相当する印紙税を国に納付しなければならない。

 6 第1項第1号の課税文書につき同項の承認を受けている者は、当該承認に係る課税文書につき同項の適用を受ける必要がなくなつたときは、政令で定める手続により、その旨を同項の税務署長に届け出るものとする。

 ▲第3項にいう「表示」の例が「2.印紙税の例(領収書)」にある「駅の自動券売機で乗車券などを購入した時に発行される領収書」の「印紙税申告納付につき渋谷税務署承認済」である。これは印紙税法施行規則別表第五第2号によっている(縦書きであれば第1号による)。

 (5)預貯金通帳等に係る一括納付

 参考 印紙税法より

 (預貯金通帳等に係る申告及び納付等の特例)

 第12条 別表第一第18号及び第19号の課税文書のうち政令で定める通帳(以下この条において「預貯金通帳等」という。)の作成者は、政令で定めるところにより、当該預貯金通帳等を作成しようとする場所の所在地の所轄税務署長の承認を受け、相当印紙の貼付けに代えて、金銭をもつて、当該承認の日以後の各課税期間(4月1日から翌年3月31日までの期間をいう。以下この条において同じ。)内に作成する当該預貯金通帳等に係る印紙税を納付することができる。

 2 前項の承認の申請者が第15条の規定により命ぜられた担保の提供をしない場合その他印紙税の保全上不適当と認められる場合には、税務署長は、その承認を与えないことができる。

 3 第1項の承認を受けた者は、当該承認に係る預貯金通帳等に、課税期間において最初の付込みをする時までに、財務省令で定める書式による表示をしなければならない。ただし、既に当該表示をしている預貯金通帳等については、この限りでない。

 4 第1項の承認を受けた場合には、当該承認を受けた者が課税期間内に作成する当該預貯金通帳等は、当該課税期間の開始の時に作成するものとみなし、当該課税期間内に作成する当該預貯金通帳等の数量は、当該課税期間の開始の時における当該預貯金通帳等の種類ごとの当該預貯金通帳等に係る口座の数として政令で定めるところにより計算した数に相当する数量とみなす。

 5 第1項の承認を受けた者は、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申告書を、課税期間ごとに、当該課税期間の開始の日から起算して一月以内に、その承認をした税務署長に提出しなければならない。

  一 当該承認に係る預貯金通帳等の課税文書の号別及び当該預貯金通帳等の種類並びに当該種類ごとの前項に規定する政令で定めるところにより計算した当該預貯金通帳等に係る口座の数に相当する当該預貯金通帳等の数量及び当該数量を当該号別に合計した数量(次号において「課税標準数量」という。)

  二 課税標準数量に対する印紙税額及び当該印紙税額の合計額(次項において「納付すべき税額」という。)

  三 その他参考となるべき事項

 6 前項の規定による申告書を提出した者は、当該申告書の提出期限までに、当該申告書に記載した納付すべき税額に相当する印紙税を国に納付しなければならない。

 7 第一項の承認を受けている者は、当該承認に係る預貯金通帳等につき同項の適用を受ける必要がなくなつたときは、政令で定めるところにより、その旨を同項の税務署長に届け出るものとする。

 ▲第3項にいう「表示」は印紙税法施行規則別表第五第1号または同第2号による。すなわち、「(4)課税文書について、所轄税務署長の承認を受けて金銭で納付する」場合と同じである。

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暫定版 印紙税その1

2022年02月13日 13時10分00秒 | 租税法講義ノート〔第3版〕

 1.流通税

 流通税とは、権利の取得や移転など、取引に関する様々な事実、事実行為や法律行為を対象(課税物件)として課される租税をいう。例として、印紙税、登録免許税、とん税、特別とん税、不動産取得税、自動車取得税があげられる。また、事実または事実行為を課税物件とする流通税の例が印紙税であり、法律行為を課税物件とする流通税の例が不動産取得税である。

 とん税および特別とん税を流通税と位置づけるのは、金子宏『租税法』〔第二十四版〕(2021年、弘文堂)17頁である。これに対し、石村耕治編『税金のすべてがわかる現代税法入門塾』〔第10版〕(2020年、清文社)12頁は個別消費税と位置づける。

 

  2.印紙税の例(領収書)

  印紙税(法)について説明を行う前に、具体的な例を見ていただくこととしよう。いずれも、少々古いが2018年に講義担当者が取得した領収書・受領証の写真データである。

    

 まずは郵便局の振込用紙の右側にある「振替払込請求書兼受領証」(これが領収書として扱われることも多い)である。左側の写真データは「振替払込請求書兼受領証」の表面である(「ご依頼人」欄の住所の部分のみ加工した)。これは印紙税法別表第一第17号の1文書に該当するので課税文書(後述)となる。

 次に右側の写真データである。これは「振替払込請求書兼受領証」の裏面である。受領金額(受取金額)が86,400円であり、これは5万円以上100万円の金額であるから、青い円で囲まれた部分が示すように200円の収入印紙が貼られている。さらに、収入印紙と、それが貼られていない部分とに跨がって「渋谷中央街郵便局長印」の消印が押されている。

 印紙税(法)では、収入印紙も重要であるがそれ以上に消印が重要である。印紙税法第8条第2項によって領収書等の発行者は消印を押すことが義務付けられており、この消印を押さなかったならば、同第23条第1号により、30万円以下の罰金に処せられる。

 次に、駅の自動券売機で乗車券などを購入した時に発行される領収書である。

 このようなものは、印紙税法第11条第1項にいう「課税文書のうち、その様式又は形式が同一であり、かつ、その作成の事実が後日においても明らかにされているもの」であり、しかも同第1号にいう「毎月継続して作成されることとされているもの」であるから、「課税文書の作成者」〔この例では東京急行電鉄株式会社(現在の東急電鉄株式会社)〕は「当該課税文書を作成しようとする場所の所在地の所轄税務署長」(この例では渋谷税務署長)の承認を受けて、印紙の貼り付けではなく、金銭によって印紙税を納付することが認められる。

 なお、この例そのものにおいて印紙税は非課税である(受取金額が5万円未満であるため)。5万円以上の乗車券(定期券など)を購入した場合、家電量販店で5万円以上の品物を購入した場合などに特に大きな意味を持つこととなる。領収書・レシートの類をよく見てみるとよい。

 ▲クレジットカード払いで物品を購入した場合で、領収書にクレジットカード利用に関する記載があるときには、金銭などの受領の事実がないことにより、印紙税は課税されない。これに対し、領収書にクレジットカード利用に関する記載がないときには、印紙税が課税される。

 

 3.印紙税の課税根拠

 印紙税の課税根拠として、契約書など、印紙税法に定められる課税文書は各種の経済取引を表現するものであるから、担税力の間接的表現である、と説明される〈金子・前掲書873頁〉

 

 4.印紙税の納税義務者

 印紙税の納税義務者は、印紙税法第3条第1項により、同法別表第一の課税物件の欄に掲げる文書(但し、同第5条によって非課税とされる文書を除く)を作成した者である。また、同第3条第2項は、一つの課税文書を複数の者が共同で作成した場合には、その者らが課税文書について連帯して印紙税を納税する義務がある旨を定める。

 また、同第4条は課税文書の作成とみなす場合を定める。例えば、約束手形または為替手形(印紙税法別表第一第3号に掲げるもの)で手形金額の記載のないものに手形金額の補充を行った者は、補充をした時に約束手形または為替手形を作成したものとみなされる(同第4条第1項)。別表第一第18号から第20号までに定められた課税文書(預貯金の通帳など)を1年以上にわたって継続して使用する場合には、その課税文書を作成した日から1年を経過した日以後に最初の付け込みをした時点においてその課税文書を新たに作成したものとみなされる(同第4条第1項)。いわゆるみなし規定なので、同条各項に定められた行為を行った者は印紙税の納税義務者として扱われる。

 他方、国、地方公共団体および別表第二に掲げられる法人(国立大学法人、日本赤十字社、日本年金機構など)は、印紙税の納税義務者ではない(同第5条第2号)。また、同第3号により、別表第三の上欄に掲げられる文書を作成した、別表第三の下欄に掲げられる者は、印紙税の納税義務者ではない。

 

 5.印紙税の課税物件

 印紙税法第2条は、「別表第一の課税物件の欄に掲げる文書には、この法律により、印紙税を課する」と定める。また、印紙税法基本通達第2条は、「法に規定する『課税文書』とは、課税物件表の課税物件欄に掲げる文書により証されるべき事項(以下『課税事項』という。)が記載され、かつ、当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書のうち、法第5条《非課税文書》の規定により印紙税を課さないこととされる文書以外の文書をいう」と定める。

 これらの規定からは、印紙税の課税要件が文書そのものであると読みとりうるし、一般的にもそのように言われるが、厳密に言えば、納税義務者が別表第一に掲げる文書を作成すること(事実行為)が印紙税の課税物件である。従って、課税物件とされる文書を作成すれば、その基となる契約などの法律行為の効力とは無関係に課税要件は充足されてしまう〈金子・前掲書874頁。鳥飼重和(著)・日本経営税務法務研究会(編)『法的思考が身に付く実務に役立つ印紙税の考え方と実践』(2017年、新日本法規)35頁も「契約書があれば、契約どおりの取引が実行されなくても、課税文書であることに変わりはありません」と説明する〉。すなわち、経済取引そのものに課税されるという訳ではない。また、注意していただきたいのは、印紙税法が契約書などの文書の作成を義務付けていないことである鳥飼・前掲書35頁。山端美德・野川悟志『間違うと痛い!! 印紙税の実務Q&A 4646答』(2018年、大蔵財務協会)9頁〉

 文書が課税文書にあたるか否か、例えば、契約書として作成された文書が課税文書としての契約書に該当するか否かが問題となることがありうる。そこで、印紙税法基本通達第3条第1項は、「文書が課税文書に該当するかどうかは、文書の全体を一つとして判断するのみでなく、その文書に記載されている個々の内容についても判断するものとし、また、単に文書の名称又は呼称及び形式的な記載文言によることなく、その記載文言の実質的な意義に基づいて判断するものとする」と定める。また、同第2項は、「前項における記載文言の実質的な意義の判断は、その文書に記載又は表示されている文言、符号を基として、その文言、符号等を用いることについての関係法律の規定、当事者間における了解、基本契約又は慣習等を加味し、総合的に行うものとする」と定める。印紙税法基本通達は法令でなく行政規則たる通達に過ぎないから国民に対する法的拘束力を有しないが、解釈の基準を示すものとして重要である。

 文書が印紙税法に定められる課税文書であるためには、たとえば契約書に示されるべき「重要事項」、すなわち契約が成立するために通常必要とされる事項が記載されていなければならない。そこで、印紙税法基本通達別表第二は、「重要事項」を契約書の類型ごとに一覧表として示している(同第12条、同第17条、同第18条および同第38条も参照)。

 前述のように、印紙税法第2条は印紙税の課税物件を別表第一に示された文書とする。同法の「別表第一 課税物件表(第2条―第5条、第7条、第11条、第12条関係)」は、第1号〜第20号として課税文書を限定列挙する(「課税物件表の適用に関する通則」も参照)。一部を抜粋しておく(表記を変更した箇所がある。また、定義の一部も省略した)。

 第1号文書:「1 不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書」

 「2 地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書」

 「3 消費貸借に関する契約書」

 「4 運送に関する契約書(傭船契約書を含む。)」

 第2号文書:「請負に関する契約書」。この「請負」は「職業野球の選手、映画の俳優その他これらに類する者で政令で定めるものの役務の提供を約することを内容とする契約」が含まれる。

 第7号文書:「継続的取引の基本となる契約書(契約期間の記載のあるもののうち、当該契約期間が三月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものを除く。)」

 「継続的取引の基本となる契約書」の定義は「特約店契約書、代理店契約書、銀行取引約定書その他の契約書で、特定の相手方との間に継続的に生ずる取引の基本となるもののうち、政令で定めるもの」。

 第8号文書:「預貯金証書」

 第17号文書:領収書のこと。大別すると次の二種となる。

 第17号の1文書=「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」:次のように定義される。

 「資産を譲渡し若しくは使用させること(当該資産に係る権利を設定することを含む。)又は役務を提供することによる対価(手付けを含み、金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第1項(定義)に規定する有価証券その他これに準ずるもので政令で定めるものの譲渡の対価、保険料その他政令で定めるものを除く。以下「売上代金」という。)として受け取る金銭又は有価証券の受取書をいい、次に掲げる受取書を含む。

 イ 当該受取書に記載されている受取金額の一部に売上代金が含まれている金銭又は有価証券の受取書及び当該受取金額の全部又は一部が売上代金であるかどうかが当該受取書の記載事項により明らかにされていない金銭又は有価証券の受取書

 ロ 他人の事務の委託を受けた者(以下この欄において「受託者」という。)が当該委託をした者(以下この欄において「委託者」という。)に代わつて売上代金を受け取る場合に作成する金銭又は有価証券の受取書(銀行その他の金融機関が作成する預貯金口座への振込金の受取書その他これに類するもので政令で定めるものを除く。ニにおいて同じ。)

 ハ 受託者が委託者に代わつて受け取る売上代金の全部又は一部に相当する金額を委託者が受託者から受け取る場合に作成する金銭又は有価証券の受取書

 ニ 受託者が委託者に代わつて支払う売上代金の全部又は一部に相当する金額を委託者から受け取る場合に作成する金銭又は有価証券の受取書」

 「資産の譲渡」の対価の例:物品の売上対価、不動産の売却代金

 「資産の使用」の対価の例:土地建物の賃貸料、貸付金の利息、リース料

 「役務の提供」の対価の例:請負代金、運送料

 第17号の2文書=「金銭又は有価証券の受取書で1に掲げる受取書以外のもの」

 例、借入金の受取書、敷金の受取書、預貯金の受取書、各種会費の受取書

 文書の中には、二つ以上の性格(印紙税法などでは「所属」)を有するものがある。その扱い方については、印紙税法別表第一の冒頭にある「課税物件表の適用に関する通則」の2および3に示された原則により、第1号〜第20号のいずれに「所属」するかが決められることとなる。実際には、印紙税法基本通達第10条・第11条に従って決めていくこととなる。以下、同第11条に示される例をあげておく。

 例① 不動産及び債権売買契約書

 不動産売買契約書(第1号文書)+債権売買契約書(第15号文書)=第1号文書

 例② 工事請負及びその工事の手付金の受取事実を記載した契約書

 工事請負契約書(第2号文書)+手付金の受け取り事実を記載した契約書(第17号文書)=第2号文書

 例③ 売掛金800万円のうち600万円を領収し、残額200万円を消費貸借の目的とすると記載された文書

 600万円を領収したという部分(第17号の1文書)+200万円を消費貸借の目的とすると記載された部分(第1号文書)=第17号の1文書

 例④ 機械製作及びその機械の運送契約書で、それぞれの事項に関する金額を区分することができないもの

 機械製作の契約書(第2号文書)+機械運送契約書(第1号文書)=第1号文書

 例⑤ 機械の製作費が20万円、その機械の運送料が10万円と記載されている文書

 課税事項ごとの契約金額が区分されており、機械の製作費が運送料を超えているので、第2号文書となる(第2号文書に示される金額>第1号文書に示される金額)

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東急6000系6103F

2022年02月11日 00時00分00秒 | 写真

 今回は、東急大井町線(および東急田園都市線)の急行専用車、6000系6103Fです。このブログで6101Fを取り上げましたが、その6101Fおよび6102Fと異なり、6103FはQ-SEAT車を入れていない編成の一つです。ちなみに、以前、このブログで6103Fも取り上げています

 大岡山駅3番線に急行大井町行きとして到着しました。この先、旗の台駅と大井町駅に停車し、旗の台駅で各駅停車に接続します。

 大井町線に急行が運行されるようになったのは2008年3月下旬のことで、原則として大井町駅から溝の口駅までの区間です。途中停車駅は旗の台、大岡山、自由が丘および二子玉川で、いずれも東急の他の路線との乗換駅となっています。なお、現在、平日、土曜日および休日の日中には田園都市線中央林間駅始発の急行が運行されており、平日の朝には田園都市線長津田駅始発が1本、夕方には曜日を問わず大井町駅始発で長津田駅まで走る急行があります。二子玉川駅〜中央林間駅での停車駅は田園都市線の急行と同じです。

 原則として急行は6000系および6020系の7両編成です。もっとも、2008年3月から長らく6両編成でしたが、2017年11月から7両編成化が始まり、2018年2月に全て7両編成化されました。

 なお、戦前にも大井町線に急行が運行されていました。僅かな期間であったようで、あまり知られていません。また、急行とは言っても通過駅が蛇窪(現在の下神明駅)、戸越(現在の戸越公園駅)および中延駅のみであったようです。

 さらに、以前にも記したように、1970年代、大井町駅〜二子玉川駅が田園都市線であった時代には快速も運転されていました。しかし、この快速も大井町駅〜二子玉川駅においては各駅に停車していました。私は一度も実物の快速を見たことがないので、この辺りのことはよくわかりません。

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かつては東武東上線で運用されていた東武50000系51009F

2022年02月10日 08時00分00秒 | 写真

 幼い頃から東急東横線武蔵小杉駅などで営団日比谷線3000系や03系をよく見ていた私ですが、その頃は(中目黒駅を除いて)東武鉄道の車両を東急線内で見られるようになるとは思ってもいませんでした。

 しかし、21世紀になって、東京メトロ半蔵門線の水天宮前駅から押上駅までの区間が開業するとともに東武伊勢崎線・日光線との相互直通運転が始まってから、東急田園都市線にも東武の車両が乗り入れるようになりました。最初は30000系でしたが、50050系が登場してから程なく、30000系は東上線に移るようになり、ついに2021年、最後まで田園都市線にまで足を伸ばしていた31609F+31409Fも田園都市線および半蔵門線から撤退しました。その代わりとして、元々は東上線用としてデビューした50000系のうちの51008Fおよび51009Fが伊勢崎線・日光線系統に移り、田園都市線および半蔵門線に乗り入れるようになったのです。

 高津駅で50000系の51009Fを撮影しました。各駅停車南栗橋行きとなっていますが、これは田園都市線内のみであり、渋谷駅で急行や準急に種別を変えます(もっとも、半蔵門線の各駅に停車しますが)。

 50000系は全て日立製作所で製造されており、同社のA-Train仕様です。51001Fのみ前面非貫通で、他の編成では前面に貫通扉が付けられています。ちなみに、東武鉄道における最初のアルミ製車体採用車は特急用の100系ですが、通勤用車両ではステンレス車両が製造されていました。しかし、それは30000系で終わり、50000系からはアルミ製車体となった訳です。

 二子玉川駅4番線に停車中です。このホームはかつて大井町線用でした。1977年に新玉川線(現在の田園都市線渋谷駅から二子玉川駅までの区間)が開業してから、長らく、1番線および4番線が大井町線、2番線が田園都市線、3番線が新玉川線でした(開業当初は2番線、3番線のどちらも新玉川線用であったはずです)。

コメント (2)
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