ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

第207回国会衆議院議員提出法律案第6号

2022年01月31日 18時00分00秒 | 国際・政治

 現在開かれている通常国会は第208回国会ですが、その前、2021年12月に召集された臨時会である第207回国会において、いくつか興味深い法律案が提出されていました。その一つが、第207回国会衆議院議員提出法律案第6号である「新型コロナウイルス感染症等による経済活動への影響に対する当面の対策として消費税の税率を引き下げる等のために講ずべき措置に関する法律案」です。

 この法律案は次のようになっています(なお、一部の漢数字を算用数字に変更しています)。

 

 (趣旨)

 第1条 この法律は、新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和2年1月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)である感染症をいう。以下この条において同じ。)及びそのまん延防止のための措置により経済活動が著しく停滞していることに鑑み、新型コロナウイルス感染症に係る事態の収束後における経済状況等を好転させるための当面の対策として消費税の税率を引き下げる等のために講ずべき措置について定めるものとする。

 (消費税の税率の引下げに関する特例)

 第2条 2年間を目途として、消費税(地方消費税を含む。)の税率を一律に100分の5とするため、消費税の税率を引き下げる特例を設けるものとし、政府は、このために必要な法制上の措置を速やかに講ずるものとする。この場合において、当該特例を設けることにより地方公共団体の財政に悪影響を及ぼすことのないようにするものとする。

2 前項の特例は、この法律の施行後六月以内に実施されるものとする。

3 第1項の特例に係る期間については、経済社会情勢等を勘案して必要があると認められるときは、延長されるものとする。

 (特例に係る期間の終了後における消費税の税率等)

 第3条 前条第1項の特例に係る期間の終了後における消費税(地方消費税を含む。以下この条において同じ。)については、その負担の増加を緩和するため経過的にその税率を100分の8とするとともに、消費税の税率を一律とするため消費税の軽減税率制度を廃止するものとし、政府は、このために必要な法制上の措置を講ずるものとする。この場合において、当該期間の終了後においても地方公共団体の財政に悪影響が及ぶことのないようにするものとする。

 (財源の確保)

 第4条 第2条第1項の特例が設けられる前の税率による消費税の収入により財源を確保することとされている社会保障給付その他の施策に要する経費については、引き続きその財源が確保されるよう、次に掲げる措置が講ぜられるものとする。

 一 国会議員の定数の削減、国会議員の歳費、手当等の削減、行政改革による支出の削減等の歳出の削減を図るために必要な措置

 二 国の不要な資産の売却等の歳入の増加を図るために必要な措置

 三 前二号に掲げるもののほか、特例公債(財政法(昭和22年法律第34号)第4条第1項ただし書の規定により発行される公債以外の公債であって、一会計年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、特別の法律に基づき発行されるものをいう。)の発行のために必要な措置

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。

 

 提出理由は「新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置により経済活動が著しく停滞していることに鑑み、新型コロナウイルス感染症に係る事態の収束後における経済状況等を好転させるための当面の対策として消費税の税率を引き下げる等のために講ずべき措置について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である」とされています。

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JR根室本線の富良野駅〜新得駅は廃止される方向へ

2022年01月30日 18時00分00秒 | 社会・経済

 このブログでJR北海道の「単独維持困難線区」の話題を取り上げました。ここで改めてあげておきます。

 1.JR北海道が国などの支援を受けて存続する方針を示している線区

 ①宗谷本線の名寄〜稚内

 ②石北本線の新旭川〜上川

 ③根室本線の釧路〜根室(通称は花咲線)

 ④釧網本線の東釧路〜網走(全線)

 ⑤富良野線の富良野〜旭川

 ⑥根室本線の滝川〜富良野

 ⑦室蘭本線の沼ノ端〜岩見沢

 ⑧日高本線の苫小牧〜鵡川

 2.JR北海道が廃止・バス転換の方針を示している線区

 ⑨根室本線の富良野〜新得

 ⑩留萌本線の深川〜留萌(全線)

 3.沿線自治体が鉄道の廃止で合意している線区

 ⑪日高本線の鵡川〜様似←2021年4月1日廃止

 ⑫札沼線の北海道医療大学〜新十津川←2020年5月7日廃止

 ⑬石勝線の新夕張〜夕張←2019年4月1日廃止

 さて、今回は上記の⑨です。朝日新聞社が、昨日(2022年1月29日)の8時27分付で「JR根室線の存続、沿線4市町村が断念 バス転換の協議へ」(https://www.asahi.com/articles/ASQ1X6RH0Q1XIIPE00M.html)として報じています。

 報道の内容は、28日に富良野市で行われた、沿線4市町村(富良野市、南富良野町、新得町および占冠村)、北海道、JR北海道の担当者による「根室本線対策協議会」という会議です。この会議で、鉄道としての存続を断念してバスに転換するための協議に入ることを決めたようです。今後、住民説明会を開いて住民の理解を求めるようです。

 仮に鉄道で存続するというと1年あたり10億9000万円程という費用がかかるというのがJR北海道の主張です。その通りであるのかどうかはわかりませんが、沿線4市町村で負担するのは困難であるということで、鉄道としての存続は無理だという結論に達したようです。また、JR北海道はバス転換について18年間、運営を支援するという条件を示したようです。

 今回取り上げた区間の一部は、2016年8月に台風の被害に遭い、それから不通が続いています。しかも輸送密度がかなり低い状態です。存続するとしても、沿線自治体や北海道の負担が増えるばかりでしょう。沿線住民がどのような意見を出すのかが注目されますが、普段は鉄道を利用しない人が鉄道存続を唱えることもありえます。

 また、富良野駅〜新得駅の区間が廃止されるとすれば、富良野線にも影響が出るでしょうし、その他の線区についても廃止の論議が進む可能性もあります。

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3年8か月ぶりにiPadを買い換えた

2022年01月28日 17時35分00秒 | デジタル・インターネット

 3台目のiPadを買いました。第9世代で256GBのスペースグレーです。

 2016年5月16日に二子玉川の蔦屋家電でiPadAir 2を、2018年5月12日にやはり二子玉川の蔦屋家電で第6世代のiPadを購入して以来、教室での講義はもとより、オンライン講義でも使いました。うちのMacBook Proに接続して使ったりしたのです。Apple Pencilを使えると、メモアプリを起動して黒板か白板の代わりとすることもできるし、PowerPointで作成したスライドに書き込みをすることもできます。ただ、MacBook Proにもそれなりの負荷がかかるとともに、Zoomの画面が止まったりもしましたので、2021年度においてはオンライン講義であまり使っていません。むしろ、iPadを活用したのは教室での講義です。MacBookを教室とオンラインの併用で使うため、私自身が何かを参照する際にiPadを使っていた訳です。

 しかし、第6世代はSmart Keyboardに対応していなかったのでした。そこで、思い切って第9世代に買い換えることとし、ついでにSmart Keyboardを購入しました。iPadのオンスクリーンキーボードは使いにくいですし、Bluetooth接続の安価なキーボードも持っていましたがあまり使い勝手がよくなかったからです。

 Wi-fiの関係などでセットアップに少し手間取りましたが、なかなかよい使い心地です。Smart Keyboardとタッチパネルを併用するので、操作はかなり楽です。Smart Keyboardの打ち心地もよいです(ただ、私は電車の中でMacBookを使うこともあるため、膝やカバンの上に乗せて使うのはどうでしょうか)。

 しかも、私が持っているiPhone12と同期するので、セットアップの操作そのものは楽でした。MacBookの代わりになるかもしれないなと思いつつ、外で活用していこうかと考えています。

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駅の定期券売り場が減っていく

2022年01月26日 14時30分00秒 | 写真

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高齢者にはフィーチュアフォンが良いのかスマートフォンが良いのか

2022年01月24日 07時00分00秒 | デジタル・インターネット

 2022年3月31日をもって3Gサービスが終了するという知らせを何度か受けています。

 私は、この3Gサービスのフィーチュアフォンの契約をしています。とは言っても、iPhone12を持っている私がフィーチュアフォンも使用しているのではなく、親に持たせているのです。

 元々は、東日本大震災を教訓に、何かと外出する母に持たせるために契約したのですが、6年前に母が亡くなってから父に持たせています。一度も機種変更をしていないので、10年は使ったでしょうか。もっとも、使用頻度はかなり低いのです。何せ、母は携帯電話が重いと言ってあまり持ち歩かなかったし、私にも「こんな重い物は持って歩けない」という趣旨のことを言っていました。携帯電話が重かったら何も持ち歩けないと思うのですが……。

 今後も契約を継続するならば機種変更をせざるをえないのですが、フィーチュアフォンが良いのかスマートフォンが良いのか、迷うところです。ちなみに、電話会社から届いた案内では、日本の会社が製造したフィーチュアフォンとスマートフォンの両方が1機種ずつ紹介されていましたが、スマートフォンのほうはAndroidです。

 料金はフィーチュアフォンのほうが安いようです。また、重量もフィーチュアフォンのほうが軽いです。ただ、フィーチュアフォンの機能はかなり限定されますし、スマートフォンを利用している者であれば不満も多いでしょう。

 もっとも、メール機能も使用しない高齢者であれば、フィーチュアフォンのほうが操作しやすいでしょう。基本的に電話をかけたりするだけならば、スマートフォンである必要もないからです。インターネットを利用しないのであれば、スマートフォンは無駄になりかねない訳です。

 よく、デジタル・ディバイドと言います。高齢者にはパソコン、タブレットPC、スマートフォンなどが使いにくい(使えない)ということです。実際のところ、覚える気があるかないかという部分も大きいという実感はあります。高齢者でも電車の中でフィーチュアフォンやスマートフォンでメールのやりとりなどをしている人は少なくありませんし、逆に頭から使えないと言う人もいますから。

 そうして色々と考えると、高齢者に持たせるならばまずはフィーチュアフォンだろうと考えられます。覚える気もない人にスマートフォンを持たせても意味はないですから。

 ※※※※※※※※※※

 私は、どうも「スマホ」という表現に馴染めません。まず発音しにくいからです。Phoneは「ホン」でなく「フォン」あるいは「フォーン」という発音ですし(少なくとも「フォン」か「フォーン」のほうが近いです)、「フォン」あるいは「フォーン」のほうが発音しやすいのではないでしょうか。

 ちなみに、フランス語、イタリア語、スペイン語では「ホン」というような発音がありません。h〔フランス語ならアシュ(アッシュ)、イタリア語ならアッカ、スペイン語ならアチェ〕は発音しないのです(方言であれば発音する場合もあるでしょうが)。例はフランス語のhommage(オマージュ)、スペイン語のhola(こんにちは、というような挨拶の言葉)です。また、ドイツ語でもhを発音しないことがあります。例えば、Hahn(雄鶏)という単語の場合、最初のHは発音しますが、aとnとの間にあるhは発音しません(長音記号のようなものと考えればよいでしょう)。

 ※※※※※※※※※※

 フィーチュアフォンやスマートフォンの話から離れますが、首都圏などでは御馴染みの、駅の自動券売機も使い方がわかりにくい、という人が少なくありません。もっとも、これは機械の操作そのものがわかりにくいというより、日本の鉄道網が複雑であることなどのほうが大きいでしょう。

 先日、高津駅で外国人に乗車券の買い方を尋ねられました。高津駅から田園都市線に乗り、東京メトロ半蔵門線の某駅へ行きたいということでした。

 実はここに厄介な点があります。田園都市線は東急電鉄の路線ですから、直通運転するとはいえ、半蔵門線の各駅は別会社の駅であるということになります。そうすると、最初の画面に登場する金額のボタン(状の画面)を押しても、世田谷線を除く東急線の各駅までしか乗車券を買えないのです。この場合には、東京メトロ云々と書かれているボタン(状の画面)を押し、画面を変えなければなりません。横浜高速鉄道みなとみらい線などについても同じです。

 私にとっては東急電鉄が最も身近なので例として出しましたが、他の大手私鉄やJRについても同様です。私が大学院生であった頃までであったか、本当にボタンが並べられていた自動券売機のほうが使い易かったということは言えるかもしれません。このように記す私は、現在、PASMOを使っているのですが。

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日向灘での地震

2022年01月22日 12時31分50秒 | 日記・エッセイ・コラム

 今日(2022年1月22日)の未明に、大分県の中部、南部、西部と宮崎県北部で震度5強を観測する地震がありました。マグニチュードは6.6、震源は日向灘、震源の深さは45キロメートルとのことです。

 震度5強というと、東日本大震災の時の東京都板橋区と同じです。その日、私は研究室で仕事をしていました。10階にあるので、震度5強より強く感じられました。

 妻の実家には被害がなかったとのことなので、まずはよかったと思いました。しかし、大分市の中心部などで水道管が破裂したとのことで、朝日新聞社のサイトには大分市寿町でマンホールから水が溢れ、道路が冠水した様子の写真が掲載されています。寿町というと、国道197号を挟んでグランシアタの反対側、大分県立美術館がある場所です。

 九州の地震といえば、すぐに2016年4月の熊本地震が思い起こされるでしょう。震度7が30時間以内に2度もあり、益城町などで大きな被害があり、今も南阿蘇鉄道の立野〜中松が不通となっているほどの地震です。

 被害状況がどうであるのか、わかりにくい部分もあります。九州の多くの地域で震度4以上を観測しており、四国や中国地方でも震度4や震度5弱を観測しています。かなり気になりますし、余震も続くものと思われます。

 思い起こせば、私は、大分大学在職時に大分市で震度4を体験しています。その時もたしか研究室にいました。やはり震源は日向灘であったはずです。大分大学の工学部(現在は理工学部)の近くの駐車場で土砂崩れがあったと記憶しています。

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南武線のE233系8000番台を中野島駅で

2022年01月21日 00時00分00秒 | 写真

或る用事で中野島駅に行きました。その際に撮影した写真です。

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これが日本の個人情報保護委員会 一体何をやっているのやら

2022年01月20日 18時00分00秒 | 社会・経済

 2021年の通常国会で個人情報保護法などを改正する法律が成立し、個人情報保護委員会の存在がさらに重要になりました。その個人情報保護委員会の名に値するとは思えない出来事がありました。ITmedia NEWSに1月18日19時57分付で「個人情報保護委員会が個人情報を漏えい パブリックコメント参加者の氏名や所属先を誤掲載」(https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2201/18/news173.html)という記事が掲載されていたので知りました。

 私はオンライン講義などでe-govをよく利用します。そこにパブリックコメントのコーナーがあり、「『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(行政機関等編)を定める告示(案)』に関する意見募集の結果について」(https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCM1040&id=240000074&Mode=1)という記事があります。問題はここにあります。行政手続法により、パブリックコメントについては、募集した意見の考慮結果を示すこととなっており、上記の告示(案)に対する意見についてはPDFで「(別紙2)意見募集結果」(https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000229587)が掲載されていますが、ここに個人情報が掲載されていたのでした。

 2022年1月18日に個人情報保護委員会事務局は「個人情報の漏えいについて」という文書(https://www.ppc.go.jp/files/pdf/220118_roueigaiyou.pdf)を公表しました。e-govには、同日付で同事務局の「誤って掲載された掲載資料の削除のお願いについて」(https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000229589)という文書も載せられています。

 「個人情報の漏えいについて」によれば、2022年1月7日13時にパブリックコメントの結果をウェブにて公表したのですが、「誤ったPDFファイルが13時40分までの間、掲載されたことにより、意見提出者12名の氏名及び一部所属先が公表されておりました(現在は氏名及び一部所属先が記載されていない正しいファイルに差し替えの上、掲載済みです。)」ということです。しかも、12名のうちの11名の連絡先を特定することができたということです。対応策はとられたようですが、かなり深刻な話です。

 今後は「意見募集手続に係るご意見に対するご回答をウェブ上に掲載する場合を含め、ウェブ上に資料を掲載する際には、公表の対象となるファイルを作業ファイルとは区別した上で作業を行うこととします」、「その上で、公表ファイルそのものについて事前に複数人での確認を改めて徹底するなど、より厳格かつ適正な個人情報の取扱いに努めてまいります」とのことです。

 これが日本の個人情報保護委員会なのだよ。

 このような声が聞こえてきそうです。

 このブログに載せている「行政法講義ノート〔第7版〕」の「第28回 個人情報保護法制度」において、行政機関個人情報保護法第1条の規定の仕方について疑念を示しておきました。元々の規定において「行政の適正かつ円滑な運営」と個人の権利利益の保護の双方が目的とされており、両者は対立関係になりうるのです。2016年改正後も双方の目的は維持されているのですが、さらに「個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ」という文が追加されています。「配慮しつつ」個人情報の保護を図るというのですから、個人情報の保護は後景に退きそうなものです。

 行政機関個人情報保護法は2022年中に廃止され、個人情報保護法に一本化されます。個人情報保護法制度の見直しが図られた訳ですが、先が思いやられそうです。

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やはり3万人超え

2022年01月18日 18時11分10秒 | 日記・エッセイ・コラム

 先程、日本国内におけるCOVID-19の新規感染者数が30000人を超えたという報道を目にしました。これまで最も多かったのは2021年8月20日の25990人でしたので、変な表現ですが記録を大幅に更新したということになります。最も多かったのは大阪府で5396人です。これは過去最多です(同様なのは長野県、兵庫県、鳥取県、島根県など)。東京都は5185人でした。

 2021年12月の段階で、1月から3月まで感染者数が増えるだろうと予想していました。2021年1月に緊急事態宣言が出されたほどですから、季節的に1月には増えるだろうと思っていたのです。

 新規感染者数からすれば、まん延防止等重点措置どころか緊急事態宣言が出されてもおかしくない状況です。我々としても、できることを行い、感染防止に努めるしかありません。

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暫定版 登録免許税

2022年01月14日 00時00分00秒 | 租税法講義ノート〔第3版〕

 1.登録免許税とは

 登録免許税は、登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定および技能証明(以下、登記等とまとめて記すことがある)について課される国税である(登録免許税法第2条)。

 登録免許税の課税物件、課税標準および税率は、全て登録免許税法別表第一に示されている(同第2条および同第9条も参照)。別表第一の第1号から第160号まで課税物件が列挙されており、それぞれについて課税標準および税率が定められている訳である。

 登録免許税の性質については、登録免許税を手数料などと捉える見解と、手数料などではなく租税であると捉える見解がある。後者は、登録や登記による利益に担税力が見いだされると考えるのである。

 ●東京地判昭和38年11月28日行集14巻11号1936頁

 事案:昭和35年4月7日に司法修習を終えたXは、同日、東京弁護士会経由で日本弁護士連合会に対し弁護士名簿への登録の請求を行った。Xは同日に弁護士名簿に登録されたが、日本弁護士会連合会に対して登録料5000円(同会則第23条)を納付したものの、当時の登録税法第7条が定める新規登録のための登録税3000円を納付しなかった。日本弁護士連合会は納付を求めたが、Xは登録税法第7条が無効であるなどと主張し、納付義務がないことの確認を求めて出訴した。その際に、Xは登録税について「税金というよりはむしろ受益者負担の原則に従う手数料としての性格しか有しないのが現状である」とも主張している。

 判旨:東京地方裁判所は、Xの請求のうち、登録税法第7条の無効確認に係る部分を却下し、その他の部分を棄却した。

 ①「わが国の現行法制上、裁判所は、特定の者の間の具体的な法律関係についての争訟につき裁判するに際し、前提問題としてその適用が問題となる法令の有効無効を判断し、有効とみればその法令を適用し無効とみればその適用を拒否する権限を有しまたそうすべき職責を有するが、それが直接個人の具体的な権利義務に影響を与えない限り、法令自体の効力を裁判の対象とすることは許されないと解すべきである。(中略)登録税法第7条は、単に所定の登録の請求をする者に登録税を納付すべき義務を定めただけであるから、同条が直接原告の具体的な権利義務に影響を与えるものでないことは明白であり、しかも原告は登録税を納付することなくすでに弁護士名簿に登録されたというのであるから、もし追徴措置がとられる虞があれば本件におけるように登録税法第7条の無効を前提とする登録税納付義務の不存在確認の訴を提起し、またもし将来具体的に徴収処分がなされたときまたは原告が登録申請等具体的な申請をした場合に登録税不納付を理由に却下されるようなことがあつたときは、これらの処分に対する抗告訴訟を提起し、これらの訴訟において前提問題として登録税法第7条の無効を主張するという方法によれば足りるのである」。

 ②「登録税の廃止についてはもとより法律によることを必要とするところ、現行弁護士法の制定に伴い、この点につき何らの立法措置がとられていないのであるから、登録税法第7条の規定を死文化したものとみることができないことは明らかであり、従前国の行政機関が取り扱つてきた弁護士登録を日本弁護士連合会に行わせることとした現行弁護士法の施行と同時に、弁護士登録についての国の課税権は消滅したとか日本弁護士連合会へ委譲されたとかいうXの主張は根拠がない」。

 ③「登録税は登録を申請する者が登録をうけた場合それにより何らかの利益を享受するであろうことに着眼して国の財政収入の目的から課される一種の租税であつて単なる手数料ではなく、登録税法第7条の定める登録税債権が成立するためには、弁護士名簿への登録という事実が存在すれば足り、その登録が国の本来の行政機関によりなされたことは必要でないと解すべきであるから、弁護士登録が日本弁護士連合会によつて行われるようになつた今日でも、弁護士登録という事実の存する限り課税の根拠が失われたということはできない」。

 ④「登録税は、登録に関する書類に収入印紙を貼付して納付するのが原則であるが、一定の場合には現金をもつて納付することが許されている(登録税法第17条、第17条の2第2項、同法施行規則第1条、第2条参照)。そこで、登録申請者としては通常登録申請書に登録税額相当の収入印紙を貼付して申請すれば納付義務を履行したことになるのであり、また現金納付の場合にも一定の書式の納付書を当該登録税額に相当する現金に添えて最寄の日本銀行本店または代理店等に納付すればよいのである(登録税法施行規則第2条ノ規定ニ依ル登録税ノ納付ニ関スル件-昭和20・10・11大蔵省令第85号等参照)。したがつて、弁護士名簿登録についての登録税につき登録機関等の印紙消印の権限ないし義務についての法規が明確でないことがあるにしても、そうだからといつて徴収機関がないとか納付方法がないとかいうことはできない」。

 〔Xは控訴したが、東京高判昭和39年3月19日税務訴訟資料38号178頁は控訴を棄却した。また、最一小判昭和42年8月24日税資48号368頁もXの上告を棄却した。〕

 

 2.登録免許税の納税義務者

 登録免許税法第3条前段は、登録免許税の納税義務者を「登記等を受ける者」とする。この「登記等を受ける者」が複数存在する場合には、それらの者が「連帯して登録免許税を納付する義務を負う」(同後段)。連帯納付義務を負う場合の例としては、AとBが建物を共有しており、両者が連名で保存登記をするとき(建物を新築した時などに行う)、所有権移転登記(登記権利者と登記義務者の両者が連帯納税義務を負う)をあげることができる。

 一方、同第4条第1項は「国及び別表第二に掲げる者が自己のために受ける登記等については、登録免許税を課さない」とする。また、同第2項は「別表第三の第一欄に掲げる者が自己のために受けるそれぞれ同表の第三欄に掲げる登記等(同表の第四欄に財務省令で定める書類の添附があるものに限る旨の規定がある登記等にあつては、当該書類を添附して受けるものに限る。)については、登録免許税を課さない」とする。

 さらに、やや特殊とも言えるが、同第6条第1項は「外国政府が当該外国の大使館、公使館又は領事館その他これらに準ずる施設(次項において「大使館等」という。)の敷地又は建物に関して受ける登記については、政令で定めるところにより、登録免許税を課さない」と定める。但し、同項の規定が適用されるのは「同項の外国が、その国において日本国の大使館等の敷地又は建物に関する登記若しくは登録又はこれらに準ずる行為について課する租税を免除する場合に限」られる(同第2項)。

 

 3.登録免許税の課税物件

 前述のように、登録免許税の課税物件は登録免許税法第2条および同別表第一に示される。但し、同第5条、同第7条に定められる事項については非課税である。また、租税特別措置法にも非課税や免税が定められている。

 

 4.登録免許税の課税標準および税率

 登録免許税の課税標準および税率は、原則として別表第一に定められるところによる(登録免許税法第9条)。なお、登録免許税の税額は、納税義務の成立と同時に確定する(自動確定方式。国税通則法第15条第3項第5号)。

 また、登録免許税法第10条第1項は、別表第一に掲げられる不動産等の登記または登録の場合における課税標準としての価額を「当該登記又は登録の時における不動産等の価額」(不動産については「所有権以外の権利その他処分の制限」がないものとした場合の価額」)とする(同第2項以下も参照)。

 税率については是非とも別表第一を参照していただきたいが、ここでは多くの特例のうち、若干のものを取り上げておく。

 ①2023(令和5)年3月31日までに土地の売買による所有権移転登記をする場合については税率が1000分の15に、所有権の信託登記については1000分の3に軽減される(租税特別措置法第72条第1項。仮登記については同第2項および同第3項を参照)。

 ②2022年3月31日までに新築された住宅を売買によって取得して所有権移転登記をする場合については、その住宅が耐火建築物または準耐火建築物であるなど一定の要件を充たす場合に限り、税率が1000分の3に軽減される(同第73条)。

 ③中古住宅についても②と同様の特例がある(同条)。

 ④2022(令和4)年3月31日までに新築された住宅の所有権保存登記については、その住宅が耐火建築物または準耐火建築物であるなど一定の要件を充たす場合に限り、税率が1000分の1.5に軽減される(租税特別措置法第72条の2)。また、2022年3月31日までに新築された特定認定長期優良住宅または認定低炭素系住宅の所有権保存登記についても、一定の要件を充たすことにより税率が1000分の1(一戸建ての特定認定長期優良住宅については1000分の2)に軽減される(特定認定長期優良住宅については同第74条、認定低炭素系住宅については同第74条の2)。

 ⑤2022年3月31日までに、宅地建物取引業者による改修工事が行われた中古住宅で一定の要件を充たすものを取得して所有権移転登記をする場合には、税率が1000分の1に軽減される(同第74条の3)。

 ちなみに、登記簿の表題登記は別表第一に掲げられていないため、登録免許税が課せられない。

 また、登録免許税法第15条は「別表第一に掲げる登記又は登録に係る課税標準の金額を計算する場合において、その全額が1000円に満たないときは、これを1000円とする」と定める。

 一方、仮登記がなされている不動産について、その仮登記に基づいて「所有権の保存若しくは移転の登記、地上権、永小作権、賃借権若しくは採石権の設定、転貸若しくは移転の登記、信託の登記又は相続財産の分離の登記を受ける場合」の登録免許税の税率は、同第17条第1項に従い、別表第一第1号(12)イ〜ホに定められた税率欄に示された割合から第17条第1項表下欄に定められた割合を控除して得られた割合とされる。

 さらに、同第4項は「地上権、永小作権、賃借権若しくは採石権の設定の登記がされている土地又は賃借権の設定の登記がされている建物について、その土地又は建物に係るこれらの権利の登記名義人がその土地又は建物の取得に伴いその所有権の移転の登記を受けるときは、当該登記に係る登録免許税の税率は、別表第一第1号(二)の税率欄に掲げる割合に100分の50を乗じて計算した割合とする」と定める。

 

 5.登録免許税の納付など

 登記等を受ける者は、原則として「当該登記等につき課されるべき登録免許税の額に相当する登録免許税を国に納付し、当該納付に係る領収証書を当該登記等の申請書にはり付けて当該登記等に係る登記官署等に提出しなければならない」(登録免許税法第21条)。但し「課されるべき登録免許税の額が3万円以下である場合その他政令で定める場合には、当該登録免許税の額に相当する金額の印紙を当該登記等の申請書にはり付けて登記官署等に提出することにより、国に納付することができる」(同第22条)。この他、納付については同第23条以下の規定を参照されたい。

 登録免許税の納付の期限は、同第27条第1号により、原則として「当該登録免許税の納付の基因となる登記等を受ける時」である(同第2号に注意すること)。また、登記等について納付されるべき登録免許税の全部または一部が納付されていない事実を登記機関が知ったときは、遅滞なく、納税地を所轄する所轄税務署長に通知しなければならない(同第28条第1項。同第2項も参照)。また、登記機関の通知を受けた場合などに該当するのであれば、税務署長が登録免許税を徴収する(同第29条)。 

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