以下は、2018年6月27日(水)に行われた党首討論の、ただのメモです。朝日新聞2018年6月28日付朝刊4面13版に掲載されている「焦点再録 27日 党首討論」(ウェブ版では「焦点再録 党首討論 27日。https://digital.asahi.com/articles/DA3S13560005.html)から引用させていただきました。
立憲民主党・枝野幸男代表:「消費税を来年10月に引き上げて10%にするか。」
安倍晋三内閣総理大臣:「リーマン・ショック級などの出来事がない限り予定通り行う考えだ。」
国民民主党・大塚耕平共同代表:「アベノミクスを5年やって、ここにきて財政健全化を5年先送り。財政健全化に全く寄与しなかった。」
安倍晋三内閣総理大臣:「経済成長なくして財政健全化はない。税収は増加している。」
枝野代表および大塚共同代表の質疑(?)に対する内閣総理大臣の答弁(?)を見て、すぐに2年前の国会を思い出しました。私自身が論文で取り上げているからです。以下、一部を引用させていただきます(引用の引用という感が拭えないことは認めざるをえませんが)。
▲平成28年度「税制改正の議論の場となった第190回国会において安倍内閣総理大臣は、度々、平成29年4月1日からの税率引き上げの実施を公言していた。平成28年1月22日の内閣総理大臣施政方針演説においては『経済再生なくして財政再建なし。2020年度の財政健全化目標を堅持します。行政改革も不断に進めてまいります。来年4月の消費税率引き上げでは、酒類と外食を除く全ての食品について、10%に引き上げることなく8%に軽減し、日々の生活で幅広い消費者の皆さんに負担軽減を実感していただけるよう準備を進めます』と明言されており、税率引き上げの実施に何の留保も付されていない」(脚注は省略。拙稿・自治総研464号72頁。http://jichisoken.jp/publication/monthly/JILGO/2017/06/tmori1706.pdf)。
▲「平成28年1月26日の衆議院本会議において、安倍内閣総理大臣は岡田克也氏(民主党) の質疑に対する答弁の中で『来年4月の消費税率10%への引き上げは、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施します」と述べている。他方、2月24日の衆議院財務金融委員会において、木内孝胤氏(民主・維新・無所属クラブ)は、2月22日に本田悦郎内閣官房参与が『消費税の再増税は絶対にするべきではない、2014年4月の消費税は間違っていたとコメントしてい』ると指摘し、『今回の日本経済の足元の状況と世界経済の不確実性が増しているこの二点をもってして、安倍総理は、来年4月の消費税の増税、これを凍結するお考えはありませんか』、『私は、やはり、経済をしっかりと見て、上げるか上げないかという判断をするには、先般のリーマン・ショック級の事象がなければ消費税を予定どおり上げるという答弁というのは撤回するべきだと思います』と質した。これに対し、安倍内閣総理大臣は、『法律で決まっていた消費税の引き上げを延期するという判断、これはまさに大きな判断でもありましたし、そしてそれは、世界に対するどういうメッセージとして伝わっていくかということも考慮に入れなければならない。日本の経済に対する日本の国の信認を維持するという観点からも、(中略)私どもの決意として、いわば景気判断条項は削除していく、我々は強い決意を持って、この1年半後には引き上げをしていくということを発信させていただいた』、『その際申し上げたことは、しっかりと経済の好循環を回し、賃金の引き上げも行っていく、来年の春も、その次の春も、そしてその先の次の春においても賃上げを行っていくという経済状況をつくっていく、こう申し上げたわけでございまして、この考え方は今も変わりはな』く、『現時点では、我々は予定どおり消費税を引き上げていく考えでございますので、それに代替する財源をどうするかということについては我々は全く考慮していない』、平成29年『4月の消費税の引き上げにつきましては、国の信認の維持、あるいは社会保障制度を次の世代に引き渡していくという責任を果たすためにも、そういう状況をしっかりとつくっていきたい』と答弁している。」(脚注は省略。拙稿・同頁)
この後にどうなったかは、皆様御存知の通りでしょう。平成28年6月1日に「これまでのお約束とは異なる『新しい判断』」が示されたのです。