冬休みに入ったからか、風邪をひいてしまいました。それはともあれ、今日は法科大学院関係の報道がいくつかありましたので、ここでもとりあげておきます。
まずは成蹊大学の法科大学院が募集を停止する、というニュースです。時事通信社が、今日の18時55分付で「成蹊大法科大学院が募集停止=17年度から、30校目」(http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2015122500762)として報じています。
あまり詳しくない記事ですが、今日発表されたようで、募集停止は2017年度からということです。従って、来年度には入試が行われないこととなります。
成蹊大学の法科大学院が、30番目の募集停止校となる訳ですが、ここで私の頭の中には「?」が浮かびました。今日の別の報道とも関係するかもしれませんが、今年の2月1日21時47分33秒付でこのブログに掲載した「熊本大学の法科大学院も募集停止に向けて調整か」、3月29日13時7分1秒付の「法科大学院への裁判官・検察官派遣停止」、そして6月3日21時52分52秒付の「神奈川大学の法科大学院も募集停止へ」で登場する、補助金の「基礎額算定率」を、再び掲げておきましょう(なお、既に募集停止を公表している大学については掲載していません)。
【基礎額算定率】
A(90%)
早稲田大学(45%加算)、一橋大学(40%加算)、東京大学(35%加算)、京都大学(30%加算)、慶應義塾大学(30%加算)、北海道大学(15%加算)、大阪大学(15%加算)、上智大学(10%加算)、名古屋大学(5%加算)、学習院大学(5%加算)、中央大学(3%加算)、東北大学(1%加算)、筑波大学(加算無し)
B(80%)
神戸大学(20%加算)、創価大学(15%加算)、成蹊大学(5%加算)、愛知大学(5%加算)、千葉大学(5%加算)、九州大学(加算無し)、横浜国立大学(加算無し)
C(70%)
同志社大学(35%加算)、岡山大学(24%加算)、琉球大学(15%加算)、立教大学(10%加算)、甲南大学(5%加算)
D(60%)
立命館大学(7.5%加算)、明治大学(5%加算)、広島大学(5%加算)、関西大学(5%加算)、関西学院大学(5%加算)、西南学院大学(5%加算)、青山学院大学(4%加算)、法政大学(加算無し)、南山大学(加算無し)、近畿大学(加算無し)、日本大学(改革案提案無し/加算無し)、名城大学(改革案提案無し/加算無し)、福岡大学(改革案提案無し/加算無し)
E(50%)
北海学園大学(加算無し)、駒澤大学(改革案提案無し/加算無し)、専修大学(改革案提案無し/加算無し)、桐蔭横浜大学(改革案提案無し/加算無し)
これまで、募集停止を公表してきた法科大学院は、上の補助金ランキングが発表される前に公表したところを除外すると、DかEにランクされるところでした。ところが、今回の成蹊大学法科大学院はBランクに位置づけられています。そのために「?」が浮かんだのです。
もっとも、これはあくまでも昨年の実績に基づくため、と言ってよいでしょう。成蹊大学法科大学院の今年の合格率は39位(予備試験合格者を含む)で、熊本大学、信州大学および福岡大学の法科大学院と同じです。他の上掲Bランクと比較すると、神戸大学が8位、創価大学が25位、愛知大学が34位、千葉大学が24位、九州大学が12位、横浜国立大学が25位です。また、Cランクの大学は、上は15位、下は43位です。試験は水物と言いますから、一つのランキングだけで何かがわかる訳でもないでしょう。おそらく、ランキングは毎年度、または2年に1回という程度で見直されることでしょう。
さて、今日はもう一つ、法科大学院への補助金に関連したニュースがあります。時事通信社が、今日の17時6分付で「7割超が補助金減額=法科大学院、4校全額カット-文科省」(http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2015122500643)として、朝日新聞社が今日の20時21分付で「法科大学院4校、初の補助金ゼロ 給与分、実績と連動へ」(http://www.asahi.com/articles/ASHDQ7DSHHDQUTIL090.html)として報じています。
これは、少なくとも法科大学院関係者にとって厳しい内容のニュースでしょう。文部科学省が、今日、有識者会議の審査結果として公表したのですが、2016年度の補助金の算定(基準)に関し、合格実績や定員充足率を軸として、何故か地域振興なども加算要素として(「先進的指導」というのはわかるのですが、実はこれも曖昧であったりします)、ランクを決めます。
2016年度は、既に募集停止を公表している29校を除外した43校(成蹊大学はこちらに含まれています)を対象とします。このうち、明治大学法科大学院は例の漏洩問題のために自主的に(申請などを)取り下げたとのことで、40%のカットとなります。そこで、この明治大学法科大学院、および成蹊大学法科大学院を除く41校についてみていくと、増額となるのは10校です。具体的な校名が全て挙げられている訳ではないのですが、早稲田大学が45%増、東京大学が35%増です。今年の合格者数は、予備試験受験者を除けば(このブログでも何度か記しているように、予備試験受験者の合格者数が多くなり、合格率も高くなるのは当たり前であり、私はもっと高めてもよいと考えています)中央大学が1位ですので、増額となるのでしょう。早稲田も東大も2015年度のAランクです。おそらく、Aランクの面々はそれほど交替などがないのでしょう。
残りの31校は減額です。幅は最小で4%、最大で100%(すなわち全額カット)です。2015年度のEランクが50%(すなわち半額カット)でしたが、2016年度には補助金交付額0円となった大学が出ます。記事に大学名が書かれていたのでそのまま記しますと、北海学園大学、駒澤大学、近畿大学および西南学院大学の各法科大学院です。2015年度のランクでは、北海学園大学と駒澤大学がE、近畿大学と西南学院大学がDです。今後の動向が気になるところでしょう。
Bに位置づけられていた成蹊大学の法科大学院ですら募集停止を決めました。こうなると、Aランクに位置づけられない法科大学院(独自のシステムとなっている首都大学東京の法科大学院を除く)は、たとえどこに位置づけられようと、募集停止と存続との狭い境界線の上を歩いて行かなければならないでしょう。来年春にかけて、募集停止を公表する法科大学院が増える可能性もあります。
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全然関係のない、どうでもよい話。21時になる前、横浜の結婚相談所から電話がかかってきました。女性の声で「独身の男性の方に……」と言われたので、「私、既婚者です」と答えたら、切れました。ちなみに、これで2度目か3度目です。どうなっているのでしょうか。