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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

FARGO 映画とドラマS1

2016-03-11 07:40:26 | FARGO


Directors: Joel Coen, Ethan Coen
Writers: Ethan Coen, Joel Coen


このところ動画配信業界が賑わいを見せていて、Netflixとアマゾンが日本に参入したのも記憶に新しいところですが、
それに危機感を覚えたのかHuluも積極的に話題のドラマや映画を配信するようになって
ユーザーとしてはありがたい状況になったなあと思うこの頃です。

それはさておき、アマゾンが動画配信を大々的に始めた時の目玉商品(?)のひとつがFARGOでした。
システムはアップルと同じようにデータでのセルやレンタルをしていますが、
無料配信もやっていて、その中にFARGOもあります。

アマゾンの良いところは配信もDLできるんですよ。
なのでwi-fi環境がなくても自宅で端末にDLしておけば外出先でも視聴できるので
もっぱら私の通勤のお供になっています。

動画配信の宣伝はこれくらいにして・・・
FARGOです。
ドラマは去年観ましたが、やっと先日映画も観れたのでちょっと感想を呟こうと思います。
ドラマはもうS3まで製作されてるんですね。私はまだS1です。

ドラマは映画のリメイクだと思っていましたがリブートだと知りました。
設定も登場人物も出来事も全然違いますが、映画の10年後という設定なので、
映画の出来事がドラマに反映されているものもあります。
そしてブラックコメディの部分もそのままで主要人物は映画の流れを汲んでいます。
同じようなセリフもたくさん出てきますし、
映画観てなくてもドラマはじゅうぶん楽しめますが映画を観るとより一層楽しめます。


どちらを先に観ても問題ないと思います。
私はドラマ→映画でしたが、映画観た後はもう一度ドラマを観たくなりました。てか、観てます。
初めてドラマを観たとき、冒頭に出てくる「THIS IS A TRUE STORY(これは実話である)」をしばらく信じていました。
これもひっくるめてフィクションだと知った時はヤラれた感がありましたが、こういうジョークはすごく好きです。
もちろん映画でも冒頭に出てきます。
映画は1987年にミネソタで起きた事件、ドラマは2006年にミネソタで起きた~ になっていました。
かなりヒドイ出来事が淡々と展開されていくあたりちょっとブレイキング・バッドと同じ空気を感じます。
ドラマは時間が長い分、それぞれのキャラクターを掘り下げていました。

映画は主演の女性署長、マージ・ガンダーソン役の フランシス・マクドーマンドが素晴らしかったです。
オスカーなどいろいろ受賞しているのもわかる気がします。
熱くなることもなくひたすら冷静に自分の仕事を淡々とこなしていくのですが、
仕事だけではなく、何事においても臆することなく真摯に向き合う姿を好演していました。
ジョエル・コーエンの奥様でもあります。

主要な登場人物です。
左が映画版、右をドラマ版で並べてみました。

マージ・ガンダーソンとモリー・ソルヴァーソン。


マージは今でこそ署長として誰にも邪魔されることなく自分の職務をこなしていますが、
若い時は優秀な分妬まれたり、融通が利かない分、邪魔扱いされたりしたのでは・・・
と、その想像を体現しているのがモリーなのかと思いました。

ヴァーン亡きあとは唯一彼女だけが優秀な警官であとは無能ばかりで。
彼女もまた、偏見も思惑もいっさいなく、ただひたすら犯人を割り出していきます。


ジェローム・ランディガードとレスター・ナイガード


狂言誘拐はありませんが共通しているのは加害者なのに被害者になりすまそうとします。
でも些細なつまずきをきっかけに悪い方に悪い方に向かっていくんです。
ジェリーは映画の冒頭からお金の問題を抱え狂言誘拐で義父からお金をゲットしようとしているクズな感じですが
レスターは小心者の平凡なサラリーマンのはずが成り行きで妻を殺してしまっているので幾分同情の余地があります。
子どもの頃から同級生にイジメられて妻や弟からもバカにされてるし。
でもどちらも立ち向かう事なく流されたまま、
自分の問題にきちんと向き合わなかった故の結果になっていると思います。

それにしてもマーティンの何と適役な事よ・・・
ブラック・コメディこそマーティンの本領発揮なジャンルですねー、ホントに。
ウィリアム・H・メイシーが演じたランディガードのキャラクターもきちんと踏襲しているようようでした。

カールとゲア(上)ナンバーズとレンチ(下)


カールとゲアはランディガードが妻の誘拐を依頼する相手です。
ゲアがあまりにも無口でカールがブチ切れる場面がありますがレンチの聾唖設定はそこからなのかも。
カールもまた不運な男です。依頼を受けたばかりに結局は命を落とします。
殺される前に手に入れたランディガードの妻の身代金を独り占めしようと雪原に埋めた100万ドル入りのケース、
これがドラマ版で出てきます。


ここからはドラマ版です。

ローン・マルヴォ(ビリー・ボブ・ソーントン )


殺し屋さん。今回、いじめっ子ヘスに鼻を折られたレスターが事故で頭に傷を負ったマルヴォと
病院の待合室で出会ったのが運のツキでした。
人当たりがソフトな分恐ろしいです。にっこり笑って人を斬るを体現していましたよ。
狂気を感じる人でしたが、私はマーティンのレスターもある意味かなり狂気を感じました。

ビリー・ボブ・ソーントンはアンジェリーナ・ジョリーの元ダンナだったんですね。ちょっとびっくり。
アンジーの映画のプロモの時に来日もしてるんですね。2度びっくりです。


2014年のエミー賞はこの方とマーティンがふたりで主演男優にノミネートされていました。
受賞はまさかの(失礼)ベネディクトasシャーロックでしたけど。


ガス・グリムリー(コリン・ハンクス)


ナイガード家で起きた殺人の犯行現場でマルヴォがレスターを残しドロンして
レスターの車で次の仕事に向かう途中、交通違反でマルヴォを停止させながらも
マルヴォに脅かされて見逃してしまう警察官。不器用で善良な一人娘のパパです。

コリン・ハンクスを見たのはバンドオブブラザーズ以来なのですが
良い感じにトシをとっていて、何となく嬉しいです。


ビル・オズワルト(ボブ・オデンカーク )


ヴァーンの死後、署長に就任する死体も直視できない普通のおっさん。
てか、ソウル(ブレイキングバッド)じゃないですか!
有能ではないけど無能でもないと思うんですよ。
彼なりに、レスターは善良という信念?で彼を守ろうとしていたわけだし。
まー、そんな私情の基づいた行動は警察官としてどうよ?なんですけど。


映画もドラマも一番印象的だったのが風景でした。
カメラワークというのでしょうか。
一面真っ白な風景の中にポツンと赤いワンポイントもとても印象に残ります。
ポスターをいろいろ検索していたら結構ありました。
ファンメイドやアーティストの作品も混ざっているかもしれません。
映画版です。

これも。


ドラマ。

これも。

重要アイテムです。


あと、これもね。


あまり感想になりませんでしたが・・・・
再度ドラマを見直し中なので観終わったらあらためてちゃんとドラマの感想を書きたいと思っています。